商品を守り、品質を保持するという大切な役割を持つペットボトルや缶・びん、紙パック・段ボールといったパッケージ。ところが中身を飲み終わった途端、それらは「廃棄物」に……。
サントリーはパッケージによる環境負荷をできるだけ少なくする必要性を感じ、容器包装の設計に関する自主的なガイドラインを1997年に策定。
環境に配慮したパッケージの追求を続けています。
サントリーグループは、商品の源泉である自然の恵みに感謝し、多様な生命が輝き響きあう世界の実現にむけて、循環型かつ脱炭素社会への変革を強力に先導します。
プラスチックはその有用性により、われわれの生活にさまざまな恩恵をもたらしています。当社が使用するプラスチック製容器包装が有用な機能を保持しつつも、地球環境へネガティブな影響を与えないよう、多様なステークホルダーと、問題解決に向けた取り組みを推進していきます。また、問題解決に向けサントリーグループ社員の一人ひとりが責任ある行動に努め、持続可能な社会を率先して実現します。
2030年までに、グローバルで使用するすべてのペットボトルの素材を、リサイクル素材あるいは植物由来素材等100%に切り替え、化石由来原料の新規使用ゼロの実現を目指します。
すべての事業展開国において、各国の国情に応じた効率的なリサイクルシステム構築のために必要な施策を、政府機関や業界、環境NGO、NPOなどとともに積極的に取り組みます。
資源の有効活用のために、容器包装のデザイン変更などにより、プラスチック使用量の削減を推進するとともに、環境にネガティブな影響を与えない代替となる容器包装の導入の検討をすすめます。
リサイクル率向上、環境影響を最小限におさえる素材領域などにおけるイノベーションに積極投資します。
人々の行動変容を促す啓発活動を実施するとともに、サントリーグループ社員一人ひとりが、ライフスタイルの変革に努め、分別収集の促進、河川、海岸の清掃活動などの社会貢献活動にも積極的に参加します。
これまでの社会の在り方を変えて、より良い未来をつくるためには、リサイクルにとどまらない新しい考え方が必要です。
サーキュラーエコノミーとは無駄・廃棄と汚染のない世界をデザインすること、製品と原料を使い続けること、自然のシステムを再生することを目指す新しい考え方。
社会のあらゆる組織と個人の力がそこには求められることになります。
決して一企業だけでは実現できない夢ですが、私たちサントリーもできうる限りのことをしていきたいと思っています。ここに明らかにした「プラスチック基本方針」はペットボトルの世界でサントリーグループがサーキュラーエコノミーの実現に貢献したいという思いでもあります。
ペットボトル再生のために、分別と回収にご協力ください。
環境にやさしいパッケージを選んでください。
それがサーキュラーエコノミーの実現のために、あなたにできることです。
「サントリー天然水」550mℓペットボトルには、独自開発の国産最軽量※となる11.9gのペットボトル(自動販売機対応商品は除く)を採用。従来のボトル(13.5g)に比べ、化石由来原料の使用量を550mℓペットボトル1本あたり約4割削減しています。
また、2ℓペットボトルは従来品(36.2g)よりも1本あたり約2割軽量化して29.8gとし、国産2ℓペットボトルで初めて30g以下のボトル重量を実現しました。
国産ミネラルウォーターペットボトル(500mℓ~600mℓ)対象。
2023年4月現在
2011年、サントリー食品インターナショナル(株)は、国内飲料業界初の「ボトルtoボトル」メカニカルリサイクルシステム※1を協栄産業(株)と協働で構築しました。使用済みペットボトルを再生して新たなペットボトルを生み出すボトルtoボトル発想のもと、PET樹脂の不純物を高温・減圧下で吸い出して、再びペットボトルとして利用しています。
導入当初の再生PET樹脂使用率は50%でしたが、現在は100%にまで拡大。石油由来原料100%のボトルと比較して、CO2排出量の大幅な削減を実現させました。
この再生PET樹脂100%のペットボトルは、「サントリーウーロン茶」「伊右衛門」2ℓをはじめ多くの製品に活用されており、環境保全に関わるさまざまな賞も受賞しています。
2023年4月時点で、日本で採用されているペットボトルのリサイクル手法のなかで、コスト面および環境負荷(原料調達からプリフォーム製造までの工程におけるCO2排出量)が最も少ない※2のはメカニカルリサイクル法です。再生処理する過程でボトルに色味がつきますが、容器としての品質・安全性においては全く問題ありません。
メカニカルリサイクル:マテリアルリサイクル(使用済みのペットボトルを粉砕・洗浄などの処理を行い、再びペットボトルの原料とすること)で得られた再生樹脂をさらに高温・減圧下で一定時間の処理を行い、再生材中の不純物を除去し、飲料容器に適した品質のPET樹脂にする方法
当社調べ
ボトルtoボトル(B to B)のメカニカルリサイクルシステムからさらに、複数の製造工程を削減する「F to Pダイレクトリサイクル技術」を協栄産業(株)をはじめとする日本・イタリア・オーストリア4社の技術を結集して開発に取り組み、2018年秋より世界で初めて製造を開始しました。この技術により新たに石油由来原料を使用する場合と比較し、CO2排出量は約70%以上を削減(従来のメカニカルリサイクルは、約60%のCO2排出削減)※しました。
使用済みペットボトルからプリフォーム製造までの工程において
2013年に「サントリー天然水」550mℓペットボトル(自動販売機対応商品は一部除く)に植物由来素材を30%使用したボトルを採用。同2ℓでも2023年4月より導入開始し、2023年秋には全数へ展開予定です。また2016年9月には、世界で初めて飲料用ペットボトルキャップに植物由来素材を30%使用開始※1しました。さらに、2019年3月に九州熊本工場(熊本県上益城郡)において「サントリー 阿蘇の天然水」550mℓで植物由来素材を100%使用したキャップ※2を導入。これにより、現行ペットボトルキャップに比べて、化石由来原料の使用量を約90%、CO2排出量を約56%削減※3することが可能となりました。
「サントリー 南アルプスの天然水」550mℓにおいて
主原料であるエチレンを100%植物由来化したポリエチレンキャップ。ただし、製造ライン切り替え時の微量の化石由来成分および着色剤成分を除く
「サントリー天然水」(550mℓ)ペットボトルキャップ1個あたり
2012年に国産ペットボトルのロールラベル※1として最薄の16μm(マイクロメートル※2)を達成しました。その後、さらに4μmの薄肉化に成功し、 2014年4月からは12μmのラベルを「サントリー天然水」2ℓペットボトル、550mℓペットボトルに導入。以降、ロールラベルを採用している全商品への展開を進めています。このロールラベルの薄肉化により、従来のラベル(16μm)に比べてCO2排出量を25%削減※3することができました。
ミシン目ではがすのではなく、のりづけ部分からはがすタイプの商品ラベル
1μm は1mm の1,000分の1
フィルム(ラベル)製造工程における削減率
2019年3月より、「サントリー 南アルプスの天然水」に、植物由来素材を30%使用した国産最軽量※1となる1.85gのキャップを導入しました。
これにより従来のペットボトルキャップに比べ、石油由来原料の使用を約35%削減※2し、CO2排出量を約27%削減することができます。
2023年4月現在
「サントリー天然水」(550mℓ)1本あたり
ビールやコーヒーなどの缶について、お客様の扱いやすさを確保しつつ、使用する資源量を極力減らすことを目指して軽量化を進めています。
アルミ缶は、2008年にビールの缶のフタ口径を小さくし、2014年にはビールやチューハイなどの低アルコール飲料の缶胴を薄くする取り組みを行いました。また、コーヒーのスチール缶も缶胴の薄肉化を実施し、着実に軽量化を推進しています。
飲料容器として歴史の長いガラスびんは、回収やリサイクルのルートが確立されています。リターナブルびんは、回収・洗浄して再利用。ワンウェイびんは、回収後に細かく砕いて「カレット」という状態に加工し、主にガラスびん製造の原料に使用します。また、断熱材やタイル・路盤材など、びん以外の用途にも活用されます。
サントリーグループは、FSC認証を取得した紙製包材を順次採用。
2018年には、国内清涼飲料市場で年間販売数量No.1※になった「サントリー天然水」ブランド全商品の段ボール包材で、使用率100%を達成しました。
また飲料事業に加え、酒類事業の商品の段ボール包材、6缶パック包装紙においても順次採用し、グループ全体でFSC認証を取得した紙製包材の使用を推進しています。
2018年2月末時点 飲料総研調査結果に基づく
国際機関 Forest Stewardship Council(森林管理協議会)が、水と生命の源である「森林」の環境保全に配慮し、森林のある地域社会の利益にかない、経済的にも継続可能な形で生産された木材やその加工品に与える認証です。
サントリーグループでは、環境負荷低減に向けて、業界連携のもと飲料の段ボールカートンのショートフラップ化に取り組み、2012年春から清涼飲料の小容量ペットボトル製品にて導入を開始しています。この取り組みにより、従来の段ボールに比べて紙の使用量も約20%削減できました。
2019年よりビール製品およびRTD製品にもショートフラップ段ボールを展開しています。
2010年4月より焼酎・スピリッツの紙容器に、2014年2月よりワインの紙容器に、リサイクル適性の高い容器を採用し、現状では酒類紙容器製品の約9割について切替を完了しています※。
従来は品質保持のため、内側にアルミニウム蒸着を施した容器を採用していましたが、紙とアルミニウムを分離してリサイクルすることが困難でした。新しい紙容器では、非アルミニウムの透明基材蒸着を採用することにより、リサイクル適性を向上しています。
2023年4月時点
従来のペットボトル梱包用の外装段ボールを使わず、透明フィルムによってペットボトル6本を梱包する「エコクリア包装」を導入することで、従来の段ボール包装に比べてCO2排出量を50%削減※しています。開封後に扱いやすく、処理もしやすい透明フィルムは、お客様からも高い評価をいただいています。
包装資材の製造から輸送、消費した後のリサイクルまでの全工程で
(当社従来段ボール包装比)