サントリーの事業の多くは、農産物という自然の恵みに支えられています。
その良質な農産物を、将来にわたって安定的に調達するためには、環境への配慮とともに、原料生産地域や原料生産者に目を向けることが大切だと私たちは考えています。
サントリー登美の丘ワイナリーでは、ぶどう畑に原則として、除草剤を使わず草が生えた状態で作物を育てる「草生栽培」という栽培法を取り入れています。使用する農薬や肥料を最小限にすることで、土壌に微生物や益虫が増え病害虫が減る好サイクルが生まれ、生物多様性に富む豊かな土質となります。この取り組みによって、登美の丘ワイナリーの土地の力が凝縮されたワインを提供しています。
フランス・ボルドーにあるワイナリー、シャトーラグランジュでは、必要最小限の農薬しか使わない自然にやさしい農法「リュット・レゾネ」を実践し、生産合理性と環境配慮の両面から持続可能な農業を目指しています。さらに、自然環境に配慮したぶどう栽培と醸造を推進する「テラ・ヴィティス」の認証も取得。農薬や肥料の使用を最小限に抑え、害虫に対しては益虫を増やすといった自然のしくみを可能な限り活用しています。それにより、益虫であるテントウムシが増えたり、ぶどうの病害が減るなどの効果が出ています。
サントリーワインインターナショナル(株)※1は、2013年から山形県長井市や白鷹町の生産者の方々と協働し、耕作放棄地を整備してワイン用ぶどうの栽培に取り組んできました。活動の開始にあたっては、行政機関と連携して地域の農業事情や土壌、気象データを分析し、選択した条件で「高品質なぶどう」ができることを科学的に評価。現在では、収穫されたぶどうからワインの試験醸造ができるまでになりました。今後も生産者の方々と協力しながら、安全・安心で高品質なぶどうの調達を目指し、国産ワインの品質向上にチャレンジしていきます。
現サントリー(株)
素材の美味しさをそのまま生かしたハーゲンダッツアイスクリームの生命線ともいえるのが、主原料のミルクです。
ハーゲンダッツ ジャパン(株)では、そのミルクの生産地、北海道根室・釧路地区に広がる霧多布湿原の保全活動を支援しています。霧多布湿原は国内で3番目に大きな湿原で、ラムサール条約にも登録されています。ハーゲンダッツ ジャパン(株)は、この湿原の保全活動を行うNPO法人霧多布湿原ナショナルトラストを2007年よりサポートしています。さらに、毎年社員が霧多布湿原を訪問し、景観保全のボランティア活動も実施。地元の子どもたちに向けた教育支援活動にも取り組み、湿原に対する理解や保護意識を高めています。