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水大事典 サントリーは水のサステナビリティを大切にしています。知っているようで意外と知らない「水」のことが分かる! 水大事典。「水とからだの関係」や「硬水と軟水の違い」など、水のいろいろが満載です。監修:東京大学総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座

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水をコントロールする技術 水運は、道路や鉄道を建設しなくても、重い荷物を楽に運搬できるという利点があります。17~18世紀、ヨーロッパでは運河狂時代(カナル・マニア)と呼ばれ、河川交通の整備が行われました。交通量の増加に伴い、貨物船の通行料は莫大な利益をもたらします。そのため、運河会社が設立され、水路の高低差による問題を解消する技術が盛んに開発されたのです。

運河の技術~水の高低差を克服するために

運河とは、陸地を削って造られた人工的な水路のことで、自家用の手漕ぎボートで往来する細い水路から、海と海を結ぶ国際運河まで、規模も用途もさまざまです。ただ、いずれの場合も共通するのは、水路は平坦なところばかりではないということです。安全で効率的な水運のために、いかに水平を保てるか、いかに水流の速さをゆるやかにできるか、いかに水深を確保できるかが技術的な課題になります。
高低差を克服するしくみは、おもに次の3つがあり、どの技術も、産業革命で運河が急速に発展したイギリスで考案されました。

1)ロック(閘門・こうもん)方式

船を水門(=ロック)と水門で区切ったスペース、閘室(こうしつ)の中に閉じ込めて、スペース内の水の量を増やしたり、減らしたりすることで水位が上下します。水位が低いほうから上がるときは、閘門内に船を閉じ込めたあと、水を入れて、水位が高いほうと閘門内の水位を同じにし、逆に、下るときは、閘門内に閉じ込めたあと、閘門内の水を抜いてやれば水位が下がります。
太平洋と大西洋をつなぐパナマ運河が代表的です。閘室になる海抜26メートルの人造湖ガトゥン湖が運河の最高地点になるため、太平洋側からも大西洋側からもロックで上り下りすることになります。この形式は古いものの、多くの観光運河で残されており、ロック越えが観光の目玉になっています。

ロックのしくみ
ロックのしくみ

19世紀に建設され、スウェーデンの観光ルートになっているイェータ運河のトロールヘッタンは44メートルの高低差を6つのロックで船が上り下りし、そのさまは、まるで船が登山しているようです。

2)インクライン方式

急勾配の水路にレールを敷いて、台車に船を乗せて、ケーブルカーのように引っぱって上下させるしくみです。台車に直接船を載せるのをドライ式、水を入れた水槽(ケージ)に船を入れてケージごと台車に載せるのをウェット式といいます。
代表的なウェット式のインクラインであるベルギーのロンキエールのものは、5パーセントの勾配で68メートルの高低差を1432メートルかけて昇り降りします

3)リフト方式

ボート(あるいは、シップ)リフト、運河エレベーターとも呼ばれます。船を浮かべた水槽(ケージ)をエレベーターのように垂直に上下させます。現存している最古のリフトは、1875年に建造され、イギリスのトレント・メルセー運河とウェーバー川の落差を超えるために造られたアンダートン船舶昇降機です。約15メートルを垂直に昇降するリフトで、このしくみの考案者アンダートンの名がつけられました。

船を入れる2つのケージがあって、それぞれピストンの上に載っています。ピストンの下には水が入ったシリンダーが付いていて、シリンダー同士はパイプでつながっています。このピストンとシリンダーの働きによって、片方のケージが上がれば、もう一方のケージが下がるようになっています。
船が入っていてもいなくても、水が入ったケージの重さは変わりません。船が入ってきたら、その重量の分の水を排出してしまうからです。そこで船を上げ下げする場合、どちらのケージが空だとしても、上にあるほうのケージのシリンダーのほうが多く水が入っていることになります。その状態で、2つのシリンダーをつなぐパイプの中央にあるバルブを開くと水圧でゲージを上げ下げする。このようなしくみを「水圧式」ともいいます。

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カウンター・ウエイト式、ストレピ・ティウのリフト

2002年に完成した、ベルギーのサントル運河(中央運河)の大規模な最新鋭のカウンター・ウエイト式リフト。水位の高低差73メートルを40分かけて垂直に昇降します。水圧式がシーソーなら、カウンター・ウエイト式は滑車の原理で動いています。

スエズ運河

1869年に開通した、紅海と地中海を結ぶ水平式の海洋運河。全長162キロメートル。年間1万5000隻もの船が往来する、世界の海の大動脈です。かつてロンドン・シンガポール間は、喜望峰回りで航路2万4500キロメートルで100日以上かかっていましたが、運河の開通によって航路1万5000キロメートル約40日にまで短縮されました。

パナマ運河

パナマ運河は幅32メートル、深さ12メートルの船が通過できる、全長80キロメートルの大西洋と太平洋をつなぐ国際運河です。年間1万3000~1万4000隻が通航していて、アジアとアメリカ東海岸を行き来する船が大きな割合を占めます。
太平洋側の水位が24センチメートル高いためロック式が採用され、標高26メートルに設けられた人造湖ガトゥン湖まで両サイドからロックでのぼります。 2001年にゲイラード水道は幅192メートルに拡張され、対面運行が可能になったため運行能力が20パーセントアップしたといわれています。
パナマ運河の建設は1881年に開始されましたが、マラリアや黄熱病の流行に苦しめられ、一旦中断されました。1904年に再度着工し、1914年に完成しました。

パナマ運河
パナマ運河
スエズ運河とパナマ運河
スエズ運河とパナマ運河

【参考文献】

  • NHKテクノパワープロジェクト/著 『巨大建設の世界1水圧と闘うダム・運河』 日本放送出版協会
  • E・C・ピルー/著 古草秀子/訳 『水の自然誌』 河出書房新社
  • 清水靖夫/著 『世界情報地図2005年度版』 日本文芸社
  • (社)日本船主協会
    (http://www.jsanet.or.jp/index.html)
  • 五洋建設株式会社「スエズ運河改修プロジェクト」
    (http://www.penta-ocean.co.jp/suez_story/top.html)
  • 日本貿易振興機構(JETRO)カイロ・センター「第5の外貨収入源を模索」
  • (社)生活文化総合研究所「イラク戦争とその波紋(片倉邦雄)」

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