水の地元 文・井上英樹

プロフィール

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いのうえひでき

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1972年兵庫県尼崎生まれ。ライター、地元研究家。『ソトコト』『翼の王国』『日本流通産業新聞』などで紀行文、人物ルポを中心に執筆。
学生の頃からアジア、欧州、アフリカを旅し、その地に住む人の「普通の暮らし」に興味を持つ。大学在学中、黒田征太郎氏のルポルタージュを書いたことがきっかけで、「訪ねて、尋ねて、書く」ことをはじめる。
現在、写真家のMOTOKOと共に滋賀の農家を訪ね歩いて記録するプロジェクト「田園ドリーム」で写真展やトークショーを展開中。
著書に著名人が子どもの頃に抱いていた夢を聞いた『ぼくのしょうらいのゆめ』(文春文庫)がある。

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9意外と広い東京の山々

5―1
旅先では、できる限りうまいものを食べたいと思う。
アジアやヨーロッパの安食堂で
メニューと格闘をしていると、
「メニューわかる?」「これ、おいしいよ」と
教えてくれるおせっかいな人がいる。
ありがたいことに、
僕はおせっかいな忠告を聞いて
間違いがあったためしがない。
おいしい食事を教えてもらった後、
「どこから来たの?」と大抵こう聞かれる。
「東京から」と答えると、
「そうか、トーキョーか。
車や高層ビルがすごいんだろう。
俺も一度行ったみたいな、行ったら案内してくれよな」。
そんな話がひとしきり続く。
トーキョーという都市の名前は、
世界の多くの人が知っているし、
大都会のイメージが浸透している。
それは、僕らが持つニューヨーク、
ロンドンや上海に対するイメージと同じだろう。
通勤ラッシュや交通渋滞、
高層ビル、華やかなネオン、たくさんの人……。
日本人だって東京という都市名を聞けば、
同じような都市像を思い浮かべるに違いない。

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上海の食堂で悩んでいたら、
隣の席のおじさんが教えてくれた麺。
麺の名前は忘れてしまった。

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