サンバーズ選手同士のスペシャル対談

Talk × Talk山本湧 × 藤中謙也

「ブラジルから帰ってきました!
この経験をいかせるよう頑張ります!」

「SESIもよかったですけど、やっぱりサンバーズの体育館が落ち着きますね」と、にっこり。

6月上旬から2ヶ月間、ブラジル・サンパウロにあるスーパーリーグのチーム「SESI」で練習生としてトレーニングに参加した山本湧選手と藤中謙也選手。海外で経験を積んでみたいという思いがあったという両選手に、研修を通じて得たことやブラジルでの生活のことなどを聞きました。

人生初のブラジルへ!

海外研修に行くことになった経緯を教えてください。

藤中 オフシーズンに選手を海外へ派遣し、経験を積ませたいというチームの意向があり、僕たちがそのメンバーに選ばれました。最初はそれぞれ違うチームで研修させるという話もあったのですが、荻野(正二)さんがJOCからスポーツ指導者として1年間派遣されるなど、チームとの関係が深い「SESI」に、二人とも行くことになりました。
山本 正式にチームが決まったのは黒鷲旗後でした。僕はもともとブラジルを希望していたので、いい経験になると思いましたね。

これまでブラジルに行ったことは?

山本&藤中 今回が初めてでした。
山本 ブラジルは治安があまりよくないと言われているので、若干不安もあったのですが、サンパウロにいて危険だと思ったことはなかったですね。

SESIでは、「ユウ」と呼ばれていた山本選手。
「U21の選手からは会うたびに、『you?me!』と、
挨拶のように言われていました(笑)」

料理上手の藤中選手に、ザ・男メシな山本選手

そういえば、オフィシャルサイトのスタッフブログ「ちょこっとサンバーズ」で、両選手の手料理が紹介されていましたね。藤中選手は料理が上手ですよね!

藤中 大学時代に自炊していたので、あれくらいは朝飯前です。
山本 僕の料理とは明らかに違ったよね(笑)。
藤中 大学時代の一人暮らしの経験がいかされました。料理は、食べたいと思ったものを作ったり、あとは栄養士さんから資料をもらったものを作ったりしていて。ブログに掲載されていたメニューは、肉じゃが、かぼちゃの煮物、玉子焼き、鯖缶の炊き込みご飯、そして味噌汁です。ただ、さすがに練習のある日は、そんなに品数が作れなくて、鶏肉を中心に調理して食べていました。
山本 僕は肉野菜炒めばっかり食べていたな。ブログに載ったのは、麻婆茄子です。

SESIでのニックネームは「フジ」。
「ケンヤやケンよりも、
フジの方が呼びやすかったみたいです」

ザ・男メシという感じでした(笑)。

山本 1つ言い訳していいですか!向こうのナスは大きいんですよ。だから、フライパンに入りきらなくて、何度も溢れさせながら、なんとか完成させたんです。炊き込みご飯は、日本から持参したレトルト(笑)。あと、ハンバーグにも挑戦しました。

料理に自信がつきましたか?

山本 それはないです(笑)。

ところで、1週間のスケジュールはどんな感じだったんですか?

藤中 月曜から金曜は練習で、土日がオフです。
山本 練習は朝9時から約2時間、午後の練習が遅くて5時からでした。昼休みは寝ていることが多かったですね。

オフは何をしていたんですか?

藤中 僕は自転車があったので、あちこち出かけていました。時々、タクシーを使って、遠出することもありましたね。
山本 ショッピングモールに行ったり、映画を見たりという感じですね。

大盛り上がりだったサッカーワールドカップ

二人で出かけることは。

山本 あんまりなかったですね。最初の頃、二人でショッピングモールに行って、それからサンパウロの市内に日本文化が好きなブラジル人が集まっている町があるんですけど、そこに出かけたくらいかな。
藤中 あと、サッカーワールドカップ期間中に、日本代表の試合を見に、バーへ行きました。
山本 あれは盛り上がったよね。ベルギー代表戦だったんですけど、周りのブラジル人も応援してくれて、楽しかった。

ブラジルに着いて、
3日目に髪を切りに行ったという山本選手。
「ブラジリアンスタイルとオーダーしたら、
こうなっちゃいました(笑)」。
藤中選手は、この仕上がりを見て、
「ブラジルで髪を切るのを諦めました」

バレーボール以外で、印象に残っていることは。

山本&藤中 サッカーワールドカップです!!
山本 ブラジル代表の試合がある日はスーパーマーケットも休みになるし、営業しているのはバーくらい。一度、ブラジル代表の試合がある日にバーの様子を見に行ったんですけど、人がいっぱいで盛り上がり方が半端なかった。
藤中 ブラジル代表の試合の日は、花火が上がったり、爆竹が鳴ったり、お祭り騒ぎ。SESIのU21の選手と一緒に部屋でブラジル代表の応援をしたんですけど、めちゃめちゃ盛り上がっていましたね。

ブラジル研修で学んだものとは?

生活のことを聞いたところで、続いてはバレーボールについて。ブラジルで伸ばしたいと思っていたところは。

山本 海外のセッターは大きいので、また日本とは違ったものを吸収したり、見つけられたりできたらいいなと思っていました。それと、むこうはプロ選手ばかりなので、意識や姿勢といった部分も。
藤中 オフシーズンだったので、シニアチームがどこまで追い込んでやっているのか、わからなかったのですが、レベルが高いことは間違いありません。練習の雰囲気を感じたり、プレーを間近で見たりしたいと思っていました。はじめの1ヶ月間くらいは、シニアチームの下のカテゴリーであるU21の選手たちと一緒に練習をしていたんですが、その後、シニアチームに練習に合流し、経験を積めたことはよかったです。

ファンの皆様から大きな反響があったという
藤中選手のヒゲを生やした姿。
「剃るのが面倒だったので、
伸ばしっぱなしだったんです」。
2ヶ月の研修期間中、
ヒゲを剃ったのは1回だけだったそう。

練習はどうでしたか?

藤中 サンバーズには、(マツ)マルセウや(ジェルソン)アモリンというブラジル人コーチが所属していたので、メニュー自体はそれほど違いを感じることはありませんでした。ただ、言葉がわからなくてもメニューをこなしていったら、結構濃い内容の練習をしていたこともあって。監督が選手にかけている言葉やアドバイスなどを理解することができれば、もっと技術的に吸収できたものがあったんじゃないかなと。ポルトガル語がわからなかったので、雰囲気で理解していたんですが、そこがもったいなかったと残念に思います。あと、SESIのシニアチームには代表の選手もいるので、もっと話をしたかったなって。改めて、言葉の重要性を痛感しました。それと、シニアチームは、練習中、常に緊張感があって、雰囲気が張り詰めていました。日本では、声を出すイコール雰囲気、という感じですが、向こうでは、かけ声もないし、必要な声しかかけない。そういう日本との違いを感じられたこともよかったですね。
山本 U21の選手は元気で、若くて、明るいという感じなんですけど、シニアチームはレベルが高くて、U21とは雰囲気がまったく違う。そういうシニアチームの雰囲気を体感できたことは、自分にとってプラスでしかありません。その中で特に印象に残っているのが、エバンドロという37歳のセカンドセッターのバレーに取り組む姿勢です。若い選手には負けないという思いで、人一倍練習に励んでいました。彼とアプリで会話したんですけど、40歳まで頑張る、チームを引っ張っていくんだと言っていて。そういうひたむきな姿勢を見習いたいと思いました。

この経験をチームに還元したい

いい経験になった。

山本 間違いなくいい経験になりました。これまでとまったく違う環境でバレーをしてきたことは、自分にとって自信になります。
藤中 刺激も受けましたし、いい経験をさせてもらいました。それに、勉強になったこともありました。というのも、練習中、選手がスタッフに対して、すごい剣幕で意見を言っていたんです。言葉が理解できないので、何に対して怒っていたのか、わからないのですが、コーチも選手の言うことに納得した様子でした。選手間でもそう。練習中、選手が、できていないことに対して、ほかの選手に注意をしていた。上下関係があったりして、日本ではなかなか難しいですが、意見をはっきり言うことは大切だなと。今シーズンからサンバーズのキャプテンを任されましたし、この経験をいかしていきたいです。

新リーグ開幕まで約2ヶ月ありますが、最後に今シーズンにかける意気込みをお聞かせください。

山本 海外研修のメンバーに選んでいただいたということは、活躍を期待されているのだと思います。その期待に応えられるよう成長した姿を見せたい。今シーズンは、サンバーズの正セッターを勝ち取れるよう頑張ります!
藤中 ブラジル研修を通じて得たものをチームに還元できるようしていきたい。そして、今シーズンはキャプテンに就任しましたので、プレーはもちろん、精神面でもチームの中心となって引っ張っていけるようにします!

ありがとうございました!両選手の活躍を期待しています。

「U21の選手から下ネタの
ポルトガル語を教えられたよな」等々、
思い出話に花が咲く両選手。

サンパウロに着いた当初は、日本を恋しく感じることもあったそうですが、環境にも慣れ、最後は「もっと滞在したいな」と思ったそう。両選手は、「ブラジル研修を経験し、これまでとは違う姿を見せられるようにしないと」と、決意を新たにしていました。ひと回りたくましくなった山本選手、藤中選手に今シーズン、大いにご注目を!

(取材:2018年8月30日)

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