連載企画

Our Passion

-挑戦に懸けるアスリートたちの想いー

編集協力:朝日新聞総合プロデュース室

PASSION FOR CHALLENGE
UP DATE 2018.11.14
#55

「始めた時から目標は東京パラ。一戦一戦、着実に結果を出していきたい」

車いすバスケットボール

赤石 竜我選手

  • .競技との出会いは?

    5歳のとき、ぜんそくで入院したのですが、退院する日の朝、突然、立てなくなりました。大きな病院に転院して調べたら、ホプキンス症候群だと分かりました。当時、日本で3人目という珍しい病気でした。脊髄損傷で歩けなくなり、その後はずっと車いす生活を送ってきました。車いすバスケのことは、小学校4年のとき、リハビリの先生から話を聞いて知りました。その後、中学生になったとき、友達がみんなバスケ部に入ったので、僕もやってみたいと思い、埼玉ライオンズの練習を見学しに行き、中2の春に正式に加入しました。

  • .初めての車いすバスケはいかがでしたか?

    小さい頃からずっと車いすに乗っていたので、車いすの操作には自信がありました。でもボールを持ったり、さばいたりしながら、同時に車いすを動かすのは、すごく難しかったですね。ただシュートを決めたときなどはすごく嬉しくて、どんどんのめり込んでいきました。

  • .その後、選手としての壁などはありましたか?

    高校1年の始めのころ、伸び悩んでいた時期があります。自分で上手くなっている、成長しているという実感がもてず、焦りを感じていました。当時、同世代の鳥海連志選手は、すでに日本代表で活躍していました。それなのに自分は補欠のままで、試合にすら出られない。それが情けなくて、辛くて。だんだんバスケを楽しいと思えなくなり、辞めてしまおうかとも思いました。でもある日、バスケのことで父と喧嘩をし、そのまま辞めるのも癪なので、あと1年だけ頑張ろうと決めました。U23の代表に選ばれなかったら辞めようと思っていたのですが、結果的に選ばれ、そのままバスケを続けることになりました。

  • .これまでで印象に残っている試合は?

    2017年にトロントで開かれたU23の世界選手権大会ですね。初めての国際試合だったので緊張しましたが、予選でヘッドコーチからプレーを評価していただき、大きな自信をもって大会に臨むことができました。ただ、今になって振りかえると、古澤拓也選手や鳥海連志選手ら優秀な選手に頼ってしまっていた部分があるように思います。もっともっと自分が積極的にプレーすべきだったのではないかと今では思います。今年の10月にインドネシアで開かれたアジアパラ競技大会も、日本代表としての初の公式国際試合だったので、最初はとても緊張しました。初戦のサウジアラビア戦はシュートも全然入りませんでした。ただディフェンスではチームに十分貢献することができ、世界の舞台でも通用するとの手応えを感じました。

  • .チームでの役割について、どうとらえていますか?

    日本代表チームで僕に求められているものはディフェンスに尽きます。だからディフェンスに徹したうえで、いかにチャンスをつくり、味方を生かすプレーをするか。それを常に考えています。埼玉ライオンズではそれに加え、僕自身がボールをハンドルして味方にパスをさばいたり、ミドルシュートを打ったり、といったプレーも加わってきます。僕自身はシュートの本数を沢山打つタイプではないだけに、まわってきたシュートチャンスは確実に決められるよう、シュートの精度を高めていきたいと思っています。

  • .目標としている選手はいますか?

    やはり日本代表キャプテンの豊島英選手ですね。チェアスキルがすごいし、味方を生かすプレー、ディフェンスがとても上手い。何よりどんな時でも、的確な判断を下す、冷静な判断力がすばらしいと思います。僕自身、アジアパラ競技大会での経験を通して、接戦になってひとつのミスが命取りになるようなときでも、冷静な判断ができることが大切だ、と強く感じています。

  • .11月には北九州チャンピオンズカップも控えていますね。

    日本代表でのアジア大会を経験したうえでのU23の大会なので、日本代表で学んだことを十分活かしたいと考えています。目標はもちろん優勝です。そのために僕は何をすべきなのか。U23日本代表で僕が果たすべき役割は、日本代表の場合とはまた変わってきます。そこを明確にし、自分の役割、自分のプレーをまっとうしたいと考えています。

  • .今後の目標は?

    僕が車いすバスケと出合った中学1年の時に、ちょうど2020年の東京パラリンピックの開催が決まりました。周囲からも「7年あるから目指せるんじゃないか」と言われ、応援してもらっています。東京パラの出場は、僕が車いすバスケを始めてからの一番の目標です。必ず実現できるよう、一戦一戦着実に結果を出していきたいです。

プロフィール

Profile

赤石 竜我選手RYUGA AKAISHI

  • Point 2.5
  • 疾患下肢
  • 埼玉県在住
  • 埼玉ライオンズ所属(2018天皇杯)
  • 戦歴
      2017 U23世界選手権 日本代表
      2018 アジア パラ競技大会 日本代表
      2018 北九州カップ 日本代表