連載企画

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-挑戦に懸けるアスリートたちの想いー

編集協力:朝日新聞総合プロデュース室

PASSION FOR CHALLENGE
UP DATE 2018.05.17
#49

「藤本怜央VS成田凌 苦しみの先に、限界を超える喜びがある」

車いすバスケットボール

日本代表候補・藤本怜央選手とメンズノンノモデルであり俳優の成田凌さんが、
車いすバスケで1対1の熱いバトルを繰り広げる――。
サントリーチャレンジド・スポーツプロジェクトとメンズノンノが
コラボしてつくった映像「限界を超えろ」が公開されました。
ここでは、映像収録後に行われた二人のトークを紹介します。

  • .今日、初めて車いすバスケを体験されていかがでしたか?

    (成田) 藤本さんがプレーしているのを見ると簡単そうなのですが、いざやってみると想像とはまったく違う。車いすの操作も難しくて、最初はどうしていいか分かりませんでした。頭と体がうまく一緒に動いてくれない感じで……。
    (藤本) バスケ用車いすに乗るのが初めてにしては、とても上手かったと思いますよ。最初は、ターンのときにどっちのタイヤを止めればいいか分からない人も多いですから。

  • .藤本選手が最初に車いすに乗ったときはどうでしたか?

    (藤本) 僕はもともと義足をつけて立ってバスケをやっていたので、最初はとまどいました。車いすの操作とボールさばきを両方、手でやらなくてはならないのが大変でした。最初は、ターンするとボールがどっかにいっちゃう、なんてこともよくありましたね。

  • .今日の撮影で二人は1on1対決をしましたが、いかがでしたか?

    (成田) 目の前に立ちふさがる藤本さんは大きくて、迫力があって……。これは無理だと思いました(笑)。
    (藤本) 今日はガチで勝負しましたが、一瞬の隙をついて1本決められて……。本気で悔しかったですね。成田さんはサッカーをずっとやってこられただけあって筋がいい。何よりも、障がい者スポーツということを意識せず、純粋に車いすバスケを楽しんでもらえたことが嬉しかったです。
    (成田) 素人が日本代表と対決できるなんてそうないので、僕も久しぶりに燃えたぎる気持ちが沸きました。

  • .今回の動画のテーマは「限界を超えろ」ですが、これまで壁に直面して一番苦しかった経験を聞かせてください。

    (成田) 役者としては毎回、演技のたびに壁にぶち当たり、苦しんでいます。それを毎回、必死で乗り越えることの繰り返しですね。演技は常に今の自分を乗り越える戦いで、演技をしているときは自分の限界を超えている時間ともいえます。その瞬間が楽しくて、この仕事を続けているんですけどね。
    (藤本) 僕は常に苦しい方向に向かってきたので、ずっと一番苦しかった気がします。2004年のアテネパラリンピックから日本代表として戦ってきましたが、メダルが取れていないということは、まだまだ苦しみが足りていないんだと思います。

  • .「二択あったら苦しいほうを選ぶ」との藤本選手のせりふも印象的でした。

    (藤本) それは日頃から常に意識していることです。試合は常に自分の限界との戦いで、一番苦しいときに、チームをどう支え、自分を保つかが勝負を決します。だから日頃からあえて苦しい方向をチョイスすることで、試合に向けた免疫をつくっている面もあります。いつも苦しい方向を選んでいると、試合中も苦しい状況を待ち望むような感覚になります。そういった感覚のときにこそ、自分の最高のパフォーマンスが発揮できると思うんです。

  • .今後の夢や目標は?

    (藤本) 2020年の東京パラリンピックで金メダルを取ることしか考えていません。僕の今の毎日は、そのためだけにあります。あと2年で自分がどれだけ成長できるか。それを考えると、1日たりとも無駄にすることはできません。
    (成田) 役者は明確な目標を持ちづらい仕事なのですが、藤本選手の話を聞いて、僕も何か目標をもたなきゃ、と思いました。

  • .最後に今、様々なことに挑戦している人へメッセージをお願いします。

    (藤本) 僕がいつも日本代表のヘッドコーチから言われるのは、「負けながら勝ち上がれ」という言葉です。何ごとも失敗してからが勝負です。思い切りぶつかって、思い切り失敗したとき、そこからどう心を切り替え、さらに上を目指していくか。そこにこそ、チャレンジすることの一番の喜びがあるのだと思います。
    (成田) 人は挑戦を避け、受動的に生きていると、失敗にすら気づかない。そういう生き方をしていると、何ごともなかったようで、最後には自分が苦しむことになる気がします。何ごとも覚悟を決めて、常に自分は何かに挑戦しているという実感をもって生きることが大事だと思います。

プロフィール

Profile

日本代表候補・藤本怜央選手とメンズノンノモデルであり俳優の成田凌さんが、
車いすバスケで1対1の熱いバトルを繰り広げる――。
サントリーチャレンジド・スポーツプロジェクトとメンズノンノが
コラボしてつくった映像「限界を超えろ」が公開されました。
ここでは、映像収録後に行われた二人のトークを紹介します。

藤本怜央選手

  • 1983年9月22日生まれ
  • 静岡県出身/宮城県仙台市在住
  • 小学3年生のときに交通事故で右足膝下を切断。バスケットボールのクラブチームに所属していた父のすすめで、義足でバスケットボールを始め、高校3年生のときに車椅子バスケに転向(持ち点4.5点)し、翌年「宮城MAX」に所属。2014年からは、ドイツのクラブチーム「ハンブルガーSV」にも所属し、世界で戦っている。
  • 日本選手権では、11大会連続得点王。
    2015IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ男子日本代表(主将)2004アテネ・2008北京・2012ロンドン・2016リオパラリンピック車椅子バスケ男子日本代表