連載企画

Our Passion

-挑戦に懸けるアスリートたちの想いー

編集協力:朝日新聞総合プロデュース室

PASSION FOR CHALLENGE
UP DATE 2016.11.07
#13

「互いに負けたくない気持ちがぶつかり合う」

車椅子バスケットボール

中澤 正人選手

「サントリーチャレンジド・アスリート奨励金」第1・2期対象
サントリーオフィシャルパートナーチーム「宮城MAX」所属

  • .競技との出会いは?

    20歳のとき、バイクの事故で左大腿部を切断しました。高校まではサッカーをしていましたが、入院した病院の談話室で、車椅子バスケを題材にした井上雄彦さんの漫画「リアル」を読んで、こういうスポーツがあると知りました。リハビリをして、またスポーツをしたいなと思うようになって、「宮城MAX」の練習を見学し、チームに入りました。

  • .困難に直面し乗り越えた経験は?

    車椅子バスケを始めたころは衝撃でした。車椅子を思うように操作できないし、障がい者の中では自分は軽い方に入る。なのに、自分より障がいの重い人にも追いつけない。それが悔しかったし、もっと頑張らなきゃなと思わされました。
    でも、困難とまでは思わなかったですね。ここ(宮城MAX)に来ると自分が障がい者ということを忘れて楽しくプレーできる。練習に来られない時も続いたのですが、チームメイトが頻繁に声をかけてくれました。居場所ができたという思いでした。

  • .挑戦の中で大切なことは?

    とりあえずやってみるということですね。やらずに後悔するより、やってみた方がいい。今、新しくアンプティサッカー(主に上肢、下肢の切断障害を持った選手が松葉杖を使ってプレーするサッカー)に取り組んでいます。「車椅子バスケでパラリンピックに出た実績があるのに」とも言われましたが、サッカーへの思いが断ちきれなかった。体験してみたら楽しかったです。ボールを足で蹴る感覚を思い出したというか。これも挑戦ですね。

  • .夢、目標は?

    2012年ロンドンパラリンピックに出て9位。リオで雪辱をと思っていましたが、代表から落ちてしまいました。じゃあ次は東京?とは思えないです。ちょっと遠すぎる感じですね。宮城MAXでも日本選手権8連覇を達成し、やり切った感じがあります。今の目標はサッカー。「二刀流」じゃないですけど、アンプティサッカーで、日本代表入りを目指したいです。

  • .読者の皆さんへメッセージをお願いします!

    車椅子バスケの魅力は「激しさ」です。健常者のバスケも激しいと思いますが、こちらは金属の乗り物に乗ってスピードがあり、コンタクトもあります。「障がい者のスポーツ」ではなく、「普通のスポーツ」なんだと思って見てほしいです。お互いに負けたくない気持ちのぶつかり合いは、どんなスポーツも同じだと思うんです。

プロフィール

Profile

中澤 正人選手MASATO NAKAZAWA

「サントリーチャレンジド・アスリート奨励金」第1・2期対象
サントリーオフィシャルパートナーチーム「宮城MAX」所属

  • 1982年9月27日生まれ
  • 新潟県上越市出身/宮城県仙台市在住
  • 車椅子バスケットボールチーム「宮城MAX」(サントリーオフィシャルパートナーチーム)所属
  • 20歳のときにバイクによる交通事故で左大腿切断(持ち点4.0、ポジションはセンター)
  • 2010年世界選手権日本代表
  • 2012年ロンドンパラリンピック日本代表
  • 日本選手権では「宮城MAX」の史上初8連覇に貢献
  • プライベートでは妻・子どもの3人家族、趣味は読書と睡眠