品質をささえる「匠」たち 第1回

哲学

但馬 良一 品質保証本部 副本部長 兼 安全性科学センター所長

サントリー品質保証本部の分析部門、安全性科学センター。その最高責任者である但馬良一へのインタビューを通じて、同センターの根本に流れる“哲学”を紹介します。

※掲載内容は2007年11月公開当時のものです

哲学1 “分析のための分析”であってはならない目的はあくまで品質保証

1兆分の1

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安全性科学センターは、分析科学グループ、微生物保証グループ、生物安全グループ、中国(上海)品質保証センターからなり、お客様からご指摘があった商品はもちろん、水、原料、容器など、すべての原材料、あるいは製造工程について分析を行い、安全性を日々検査し、問題の未然防止に努めています。

現在、安全性科学センターが行う分析は、1兆分の1という感度です。それを長さの単位に置き替えると、ちょうど地球と月を8往復する距離の中から、米粒ひとつを見つけることに匹敵します。「分析技術の高さは、恐らく食品メーカーとして世界でもトップレベルではないでしょうか」。しかし、と但馬はいいます。「どんなに緻密に有害性などのリスクを分析できても、それだけではダメです。私たちの目的は、あくまで品質保証にあります」。

問題を財産に

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いわゆる“ヒヤリ・ハット”の問題が起こると、安全性科学センターでは、まず分析計画を立案、関係部署に連絡します。そうすることで関連部署の問題意識を高めるとともに、情報提供などの協力を仰ぐことも可能になります。分析した結果は報告書にまとめられますが、単に結果をまとめるだけでなく、なぜ、そうした事態が起きたのか、その原因について考察を加えられた上で作成されます。「けれど、メンバーがそこまでやったとしても、私は及第点を与えません」。

それを関係部署はもちろん、社内システムで開示して全社で共有。その上で、安全性科学センターは、二度と起きないための改善方針を支援する必要があると考えます。さらに、問題を起こした部署が、その後どんな改善をしたかまで追跡調査するのも安全性科学センターの役目。「そこまでやって初めて、起きてしまった問題や“ヒヤリ・ハット”がサントリーの財産となり、よりよい品質の商品をお客様に届けることが可能になるのです」。