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「水のサステナビリティ」の実現をめざして

水に生かされ、水を生かす企業として

良質な水はきわめて貴重な資源です─天から降り注いだ雨や雪は、豊かな森を形成する大地にしみ込み、地下水となって蓄えられます。サントリーグループが「水と生きる」企業として自然と共生し、持続的に成長するには、かけがえのない地下水をいつまでも絶やすことなく守り続ける必要があります。そのために、工場で使う量以上の地下水を育む森を育て、豊かな森が存続できる自然環境を保全することが不可欠なのです。サントリー「天然水の森」で行う水源涵養(すいげんかんよう)活動や、限りある水をできるだけ節約し、生かしきるなど「水のサステナビリティ」実現に向けた活動を行う理由がそこにあります。

「水のサステナビリティ」の全体像

水の循環に負荷をかけない事業活動を基本に、水を育む森を守り、水を大切に使い、きれいにして還す活動を継続的に強化しています。

「水のサステナビリティ」の全体像
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「水のサステナビリティ」を支える「天然水の森」づくりを行っています

100年先を見据えた水源涵養活動

サントリーグループでは、地下水の持続可能性を守るため、2003年から工場の水源涵養エリアを中心に、サントリー「天然水の森」を設定し、国や地方自治体、地元の方々、学識経験者の皆様と協働で水源涵養活動を展開しています。2010年4月末現在、「天然水の森」の総面積は約3,100haに拡大。今後は、サントリーグループの工場で使う地下水量以上の地下水を育むことをめざし、2011年までに約7,000ha(東京・山の手線内の面積以上)へ拡大する中期目標を立て、活動を進めています。

天然水南アルプス白州工場での天然水ガイドツアー

◆環境中期目標

2011年までに水源涵養面積を約7,000haに拡大

森が育む地下水の量>工場で使用する地下水の量

サントリーグループは、「天然水の森」活動を「水のサステナビリティ(持続可能性)」を支える基幹活動と位置づけています。水文調査に基づく涵養域の確定に始まり、地質・植生・土壌・林学・砂防・微生物など多彩な分野の専門家の調査・助言をもとに、数十年〜百年先の理想的な森の姿を描きます。目標は「(1)高い水源涵養力(2)豊かな生物多様性(3)洪水・土砂災害の防止機能(4)高いCO2吸収力(5)触れあいを楽しめる美しい自然」を備えた森林です。健全な森づくりの基本は、豊かな土壌づくりにあります。「生物多様性に富んだ森林」(地上部)を育てることで、「生物多様性に富んだ土壌」(地下)を守り育て、その土壌の力で清らかで豊かな水を育んでいくこと―。その実現に向け、プロの経験と技術を活用した計画的な森林整備を実施しながら、着実に「天然水の森」を拡大していきます。

森の大切さ、整備の重要性を学ぶため、サントリーグループの社員も専門家の指導のもとで森林整備体験を行っています。

水源涵養活動―めざすのは「森のお医者さん」

サントリーホールディングス(株) エコ戦略部 シニアスペシャリスト 山田 健

森林整備で最も大切なのは、森ごとの個性と「健康状態」を見極めること。ひと言に「健康」といっても、森のおかれている環境によってさまざまなかたちがあり、病気のかたちもさまざまです。「健康・不健康」−その診立てを誤らないことが最大の目標です。


サントリーホールディングス(株) エコ戦略本部
シニアスペシャリスト
山田 健

水にこだわり、水を究めます

徹底した水の品質管理

高品質な製品づくりのために

「水科学研究所」が、製品や原料となる地下水の水質の成分分析や、水源の地質・地層などを詳しく調べます。そして、各工場では、製造工程におけるろ過・殺菌の厳しい工程管理はもちろん、製品の中味となる水を専門の水質担当者が感覚を活かした官能検査を行うだけでなく、洗浄水・冷却水なども、分析機器による化学検査・微生物検査を行い、毎日、欠かすことなく水の品質保証を徹底しています。

工場での微生物検査

工場での微生物検査

科学的に水の「安全」を保証

「安全性科学センター」では、製品に用いるすべての水と国内外の各工場で使用する地下水を定期的に分析・検査し、その安全性を保証しています。定期検査の項目数は水道法で定める「水質基準項目(50項目)」に加え、サントリーグループ独自の項目を合わせると約200項目にのぼります。

全工場から送られてくる水の水質分析(安全性化学センター)

全工場から送られてくる水の水質分析(安全性化学センター)

水を大切に使い、きれいにして還します

「水の3R」で水資源の有効活用

高度循環利用により節水活動を徹底

限りある水資源を有効に使うため、サントリーグループの工場では、水の3R(Reduce:工場で使う水をできる限り少なくする、Reuse:使い終わった水を繰り返し使う、Recycle:回収し、処理した後再使用する)を徹底・進化させています。最新鋭の「サントリー天然水南アルプス(株)白州工場」では、PETボトルを温水によって殺菌し、洗浄することで後工程に必要なリンス水(すすぎ水)を廃止し、水の使用量を削減しています。また、用水の清浄レベルを5段階(冷却水・洗浄水など)に分類し、高い清浄度が要求される工程から低い工程へ段階的な再利用を図っています。こうした高度な循環再利用により、1本の製品をつくるために必要な水の使用量(原単位)を、既存のミネラルウォーター工場に比べて約50%削減することが可能になりました。

清浄レベルごとに回収した水を200トンのタンクに貯蔵し再利用

清浄レベルごとに回収した水を200トンのタンクに貯蔵し再利用

工場が自然界の水の循環の一部になれるように

循環再利用後の水は排水処理場に送り、水に含まれる有機物を微生物に食べさせるなどして浄化し、環境に影響のない水質・水温であることを確認して、できる限り自然の状態に近づけて河川に放流しています。その際、法令より厳しい独自の基準を設け、測定装置による24時間監視に加え、検査員が水質・水温の状態を毎日点検しています。

放流する水質は24時間体制で常時監視

放流する水質は24時間体制で常時監視

大切な水を一滴残らず生かしきるために

サントリーホールディングス(株) エコ戦略部 シニアスペシャリスト 山田 健

水を段階的に利用するのは、お風呂の残り湯を洗濯に再利用するのと同じ考え方です。限りある水をいつまでも大切にするため、水を生かしきる技術に徹底的に取り組んでいきます。


サントリー天然水南アルプス(株)白州工場
エンジニアリング部長
藤原 正明

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