閉じる

サステナビリティトピックス

サントリーホール開館30周年

1986年、「音の宝石箱」サントリーホールの誕生

創業者・鳥井信治郎の「利益三分主義」「利益は社会に還元すべきである」という考え方を背景に、文化への献身は、サントリーの遺伝子として継承されてきました。1961年にサントリー美術館を、1969年に財団法人 鳥井音楽財団(サントリー音楽財団を経て、現 公益財団法人 サントリー芸術財団)を、さらには1979年に財団法人(現 公益財団法人)サントリー文化財団を設立してきたのも、この遺伝子の作用にほかなりません。

サントリーホールは、クラシック音楽ファンだったサントリー二代目社長 佐治敬三の多年の夢として、1986年に誕生しました。建設にあたっては「世界一美しい響き」を基本コンセプトに掲げ、第一線で活躍する世界的指揮者 ヘルベルト・フォン・カラヤン氏をはじめとする多くの指揮者・演奏家の方々や、ホールの設計者、音響設計の権威など、佐治敬三の「念には念を入れる」性格によって、音楽を愛する各界のさまざまな人々の意見が取り入れられました。

1986年10月12日
パイプオルガンのA音を鳴らして開館宣言をする 初代館長
佐治敬三

サントリーホールはそれ自体が共鳴箱となっています。消え入るようなピアニッシモの美しい響きをホールのすみずみまで伝えるため、客席配置を当時の日本にはなかったヴィンヤード(ぶどう畑)型とし、床、壁、天井、座席などの形状や材質を入念に検討。模型を用いたさまざまな音響テストを幾度も繰り返しながら、理想の姿を追求しました。ヴィンヤード型を熱心に勧めた世界的指揮者 ヘルベルト・フォン・カラヤン氏が、後に、「まるで音の宝石箱のようだ」と感想を述べています。

日本を代表するコンサートホールとして、いっそう多彩な事業を展開

東京初のコンサート専用ホールとして開館したサントリーホールでは、ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン、ホール・オペラ®やオープンハウスなどの、創造的で質の高い自主企画公演、東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」や「それいけ!オルガン探検隊」、レインボウ21、サントリーホール アカデミーなどの、音楽文化の継承と発展を視野に入れたエデュケーションプログラムなど、開かれたホールとしてさまざまな取り組みを実施してきました。

日本を代表するコンサートホールとしても、国内外の多くのクラシック音楽ファンやアーティストから高い評価と支持を集め、1986年の開館以来、すでに16,569公演を実施、1,743万人のお客様にご来場いただいています。開館30周年となる2016年は、世界一流のアーティストによる豪華で多彩な公演を1年を通じて展開していきます。中でも従来からサントリーホール独自の企画としてクラシック音楽ファンの皆様に親しまれている3つのフェスティバル、6月の室内楽の祭典「チェンバーミュージック・ガーデン」、8月の現代音楽の祭典「サマーフェスティバル」、そして秋の世界トップ・アーティストによる「サントリーホール フェスティバル」をこれまでにない規模と内容で展開します。

  • 2015年12月末現在

サントリーホール開館30周年記念特集ページはこちら

「チェンバーミュージック・ガーデン」

「サマーフェスティバル2015」

VOICE

「音楽って楽しい!」という原点を伝え続けることで、次世代の音楽ファンを増やしたい

サントリーホールは、1986年の開館以来、音楽のもつ深い喜びを分かちあえる場となることに努めてきました。未来を担う子どもたちやプロフェッショナルを目指す若い音楽家たちに向けたプログラムに加え、すべての人に身近なホールとなるためのさまざまな取り組みを、現在では「ENJOY! MUSIC プログラム」と称しています。音楽を「教わる」よりもまず先に、「深く楽しんで味わって」もらいたい―そういう私たちの願いをENJOYという言葉に込めています。

その中でも、子どもたちに向けたプログラムは、次世代の音楽ファンを増やすための重要な柱として特に力を入れていて、3歳から高校生まで、ライフステージに合わせたラインナップを組んでいます。どのプログラムにも、ただ音楽を聴いてもらうだけでなく、参加・体験の要素を取り入れているのが特徴です。

現在私が担当しているのは、創作と鑑賞をリンクさせた2つの芸術体験プログラムです。3~6歳対象の「いろいろドレドレ」は、2014年春にサントリー美術館とともに立ち上げた「サントリーアートキッズクラブ」のイベントとして2015年より開催、1時間の中に美術のミニ・ワークショップとお話つき演奏を盛り込み、子どもたちの創造性や感受性を楽しく引き出す工夫をこらしています。また、港区立小学校4年生を対象とした「港区&サントリーホール Enjoy! Musicプロジェクト」は、国際的な指揮者・大野和士の発案のもと、身体表現や絵画制作などの「体験」を通して能動的な音楽鑑賞に導くことを目的に、まず小学校で事前授業を実施、後日サントリーホールでオーケストラのコンサートを鑑賞するという、地域・学校と提携したあまり例のない大規模な教育企画となっています。

ほかにも、日本初となる子どものためのオーケストラ定期演奏会「こども定期演奏会」(小学生以上)、パイプオルガンのしくみを楽しく学べる夏休み企画「それいけ!オルガン探検隊」(4歳以上)、大ホールでの土日祝日の公演に小・中学生を招待する「佐治敬三ジュニアプログラムシート」、ウィーン・フィルが出演する贅沢な鑑賞教室「青少年プログラム」(中・高生対象)などを展開しています。

並行して、プロを目指す演奏家を育成するアカデミーも開講していますが、クラシック音楽ファンの方々が圧倒的にご高齢になっている今、クラシック音楽好きの若い人たちを今後いかに増やしていけるかが、最重要の課題と考えています。

時間はかかりますが、ライフステージに合わせた音楽プログラムを提供し続けていくことで、音楽ファン、サントリーホールファンは少しずつでも増えていくと信じています。これからも、「音楽って楽しい!」という感覚を伝える活動を長く続けていきたいと思います。

サントリーホール「ENJOY! MUSIC プログラム」の概要はこちら

3~6歳対象の芸術体験プログラム「いろいろドレドレ」

港区立小学校4年生を対象とした
「港区&サントリーホール Enjoy! Musicプロジェクト」

公益財団法人 サントリー芸術財団
サントリーホール 企画制作部
プログラミング・ディレクター
長谷川亜樹

世界の人々に向けて、“Hibiki to the World”

サントリーホールは今年、開館30周年を迎えるにあたり、ホールの目指す方向を示すキーメッセージを“Hibiki to the World”としました。日本で愛され、多くのクラシック音楽ファンによって育まれてきた『Hibiki』 (=「美しい響き」)を、よりグローバルに、そして一人でも多くの方々にお届けしたいという思いを込めています。

またグローバル化への対応として、海外のお客様へのサービス向上を目指し英語でのチケット購入サイトを開設し、取り扱い対象公演を拡充しているほか、ホール内の楽屋やこだわりを紹介するバックステージツアー(応募制)では、外国語案内も実施しています。また2015年4月より英語版の公式ツイッターを開始、2016年5月より公式Facebookページも開始するなど、海外のお客様に定期的に情報を発信することで、世界一流のアーティストが集うホールであることをグローバルにアピールしていきます。

30周年 メッセージ「Hibiki to the World」&ロゴマーク

VOICE

サントリーホール建設にあたり、私は、初代館長である故・佐治敬三氏とともに、ヨーロッパのコンサートホール視察に同行するという幸運に恵まれました。その際、当時のコンサートホールの客席配置が、長方形の、いわゆるシューボックス(靴箱)型が主流であった中、世界的指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤン氏から、サントリーホールは、演奏者と観衆が、より近く、一体となってコンサートをつくり上げることのできるヴィンヤード(ぶどう畑)型にするべきだと、大変熱心に勧められたことが印象深く、昨日のことのように思います。

2016年の今年、開館30周年を迎えるにあたり、私はこのホールを、単なるコンサートホールではなく、音楽を中心に人が集まり、交流できる場所にしていきたいと考えています。そのために、海外でも注目されるような質の高い自主企画の制作など、このホールでしかできないこと、このホールだからできることに挑戦し続けていきたいと思います。

サントリーホール館長
堤 剛

日本で演奏するのであれば東京、東京で演奏するのであればサントリーホールで、といってくださる海外の演奏家の方や、中には「サントリーホールしかない」とまでいってくださる方がいらっしゃいます。また、中国や韓国などアジアのホール関係者の方々が、サントリーホールを見学に来ていただいています。このようにサントリーホールが海外の方々から高く評価いただいていることは、館長として本当にうれしい限りです。ただその分、私たちの責任はますます大きくなってきていると実感します。そのことも踏まえ、これまで以上に日本を代表するコンサートホールの1つとして強いリーダーシップをとっていきたいと思います。

Page top