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これまでのハイライト

「利益三分主義」を受け継ぐ文化・社会貢献活動

2011年、サントリー美術館は開館50周年、サントリーホールは開館25周年を迎えます。
戦前からの社会福祉活動に加えて、「美術・音楽を中心とした芸術文化の振興、学問の振興などによって生活文化の豊かな発展に寄与したい」という思いのもと、人々の心を豊かにする生活文化企業をめざして、文化貢献活動に取り組んできました。
創業者・鳥井信治郎の「利益三分主義」の精神は、時代の変化に応じて活動を進化させながら、世代を超えて受け継がれています。

時代にあった新しい美術館像を探しつづける

2007年、日本の伝統と現代を融合させた「和のモダン」を基調に、安らぎとやさしさに溢れた空間をめざし、東京ミッドタウンにサントリー美術館をリニューアルオープンしました。開館以来の基本理念である「生活の中の美」を継承しつつ、さらに多くのお客様に、時代・地域・分野を超えた新しい美を発見し、感じる喜びを体感してもらいたいという思いを込めて、新たなミュージアムメッセージ「美を結ぶ。美をひらく。」を掲げ、さまざまな活動を展開しています。
周囲に美術館も多く、海外からのお客様も多い六本木。その地域特性を活かし、地域全体でアートを活性化させようという取り組みも進んでいます。開館50周年を迎え、これまで力を注いできた日本美術を中心とした多彩な企画展と収集活動に加え、地域との連携、次世代育成、研究分野への貢献も今後の活動に取り入れていきます。
新しい美術像が模索される21世紀、お客様や有識者の皆様からもご意見をいただきながら、美を介して感動を生み出し、多くの人が集い憩う「都市の居間」として居心地の良い美術館をめざします。

  • 「和のモダン」を
    基調とした美術館内

  • 国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」

  • 美術館内併設ショップ

  • エデュケーション・プログラム

世界一のコンサートホールをめざして

1986年、東京初のコンサート専用ホールとして、「世界一美しい響き」をコンセプトに開館しました。以来、創造的で質の高いコンサートの開催に加えて、カーネギーホールとの提携プログラムや海外音楽大学との交流プロジェクトなど、多彩な次世代育成プログラムを展開しています。
開館25周年を迎えるにあたり、より多くの方に音楽を届け、クラシック音楽の歴史を創っていく役割を再確認し、「心かよう 心うごく」をメインメッセージに、新たに2つの企画を立ち上げます。
秋には、世界の一流演奏家が集う「サントリーホール フェスティバル」、初夏には、室内楽本来の楽しさを伝え、さらなる普及・発展をめざす「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」を開催。あわせて、室内楽アカデミーを開講し、世界で活躍する歌手を輩出してきた「オペラ・アカデミー」(1993年開講)とともに、若手演奏家が一流音楽家と交流し、プロとしての現場を体験する機会を提供しています。
サントリーホールはこれからもクリエイティブで魅力ある企画を提供することで、音楽がより生活に根づいたものになることをめざして活動していきます。

  • ブルーローズ(小ホール)

  • カーネギーキッズ2010

  • ウィーン・フィルハーモニー
    ウィーク イン ジャパン2010

  • パイプオルガン

原点となる「利益三分主義」の精神

サントリーグループが、世代を超えて文化・社会貢献活動を継続して行ってきた原点は、創業者・鳥井信治郎が信念としていた「利益三分主義」にさかのぼります。事業によって得た利益は、「事業への再投資」「お得意先・お取引先へのサービス」にとどまらず、「社会への貢献」にも役立てたいという考えです。サントリーグループでは、創業者の「利益三分主義」の精神を受け継ぎ、社員が主体的に関わりながら多くの活動を展開してきました。
特に信治郎は当時の時代背景から、恵まれない境遇の方々への慈善活動や社会福祉事業に熱意を傾けました。

邦寿会1921年

創業者・鳥井信治郎が篤い信仰心から行った最初の社会貢献活動が「邦寿会」です。貧しい人々のため、1921年に大阪市西成区に今宮診療所を開設し、無料診療と投薬を行ったのが活動の始まりでした。この活動は戦時下においても継続され、戦後は新たに必要とされた海外引揚者のための寮や戦争未亡人のための母子寮「赤川ホーム」を開設しました。
その後、より幅広い方々への貢献をめざし、大阪市内で初の特別養護老人ホーム「高殿苑」(1974年)、「つぼみ保育園」(1975年)、軽費老人ホーム「天野苑」(1976年)、総合福祉施設「どうみょうじ高殿苑」(2008年)を開設。現在に至るまで、90年の長きにわたり活動を続けています。現在は人々の生活の多様化に対応し、訪問介護や通所介護、居宅介護支援などの在宅介護サービスも提供しています。

創業者・鳥井信治郎

  • 赤川ホーム内に開設した赤川保育所

  • 社会福祉法人邦寿会が運営する
    「高殿苑」と「つぼみ保育園」での交流

  • 2008年に開設した大阪府
    にある総合福祉施設「どうみょうじ高殿苑」

生活文化企業をめざして

2代目社長であった佐治敬三は、初代・鳥井信治郎の志を継ぎ、「利益三分主義」の精神を文化領域で実践しました。物質的に豊かになった日本に、心の豊かさをもたらすには、芸術文化および学術の振興の役割が重要になってくると考えました。
そして、生活文化の豊かな発展に寄与するため、「生活文化企業」という目標を掲げて、さまざまな文化貢献活動に取り組んできました。サントリー美術館、サントリー音楽財団、サントリー文化財団、サントリーホールなど新たな活動を次々と立ち上げ、今日に至るまで芸術文化および学術振興をめざした活動を継続しています。

サントリー美術館1961年

サントリー美術館設立のきっかけは、当時の社長・佐治敬三が欧州で訪問した美術館に感銘を受け、日本人も先祖から受け継いだ芸術を守り、次の世代に伝える必要があると考えたことにあります。
欧米の「美術品は見て楽しむもの」とする文化に対し、日本の美術の特徴は工芸美術であり、美術品が「普段の生活で使うもの」としてつくられています。こうした日本の伝統美術のすばらしさを多くの人に身をもって感じてもらいたいとの思いから、「生活の中の美」というテーマを掲げて、常設展を設置しない美術館として、展覧会の企画や展示方法などに工夫を凝らしてきました。開館が決まってから収集を始めた美術品も、今では、国宝1件、重要文化財12件を含む約3,000件のコレクションとなりました。開館50周年を通過点として、ミュージアムメッセージ「美を結ぶ。美をひらく。」に基づくさまざまな活動を実施し、常に新しい「サントリー美術館」を提案していきます。

2007年 東京ミッドタウン(六本木)に移転したサントリー美術館

サントリー音楽財団1969年

創業70周年記念事業として、1969年、日本における洋楽の発展を目的に「サントリー音楽財団」を設立しました。クラシック音楽界において優れた業績をあげた個人または団体を顕彰するため、「サントリー音楽賞」「佐治敬三賞」「芥川作曲賞」の各賞を設けています。表彰のみならず、受賞者の業績を紹介する記念コンサートの開催や新たな作品の作曲委嘱を行うなど、受賞者に活躍の場を提供するのが、大きな特長となっています。また、「日本人作曲作品の振興」のための諸事業、出版などの幅広い活動に取り組んでいます。2009年よりサントリー芸術財団の音楽事業部として、クラシック音楽界の発展と文化の向上への寄与をめざし、活動を展開しています。

公益財団法人サントリー芸術財団による「サマーフェスティバル」

サントリー文化財団1979年

サントリー文化財団は、社会と文化に関する国際的、学際的研究の支援と人材の育成を行い、日本と世界の学術・文化の発展に貢献することをめざして、創業80周年記念事業として1979年に設立されました。国際化が日本の課題となるなか、人文社会科学分野における日本の情報発信力の向上が必要とされたことも、財団設立のきっかけとなっています。若手研究者の著作への「サントリー学芸賞」、文化を通じて地域発展に資する活動に対しての「サントリー地域文化賞」は独自の活動として評価され、設立以来、数多くの方々を顕彰してきました。そのほか、人文科学・社会科学に関する研究や海外出版への助成、財団自ら実施する調査研究にも取り組んでいます。今後とも、次代の学術・文化の発展に貢献していきます。

公益財団法人サントリー文化財団による第32回「サントリー地域文化賞」

サントリーホール1986年

サントリーホールは、音楽関係者からの「日本の音楽界のためには音の良いコンサート専用ホールが必要」という声に応えて、1986年に誕生しました。当時としては、2つの点で画期的でした。ひとつは、コンサート専用ホールとして「世界一美しい響き」をめざし、音に徹底的にこだわったこと。日本で初めてヴィンヤード(ブドウ畑)形式を採用し、演奏家と聴衆が一体となった臨場感溢れる音楽体験を共有することができます。もうひとつは、コンサートを楽しむ文化そのものを日本に根づかせたいとの思いから、開演前や休憩のひとときを楽しんでいただくサービスを取り入れたことです。お客様をご案内するレセプショニストやクローク、バーコーナーも導入し、大人の社交場としての新たな楽しみを創造しました。
また、音楽の情報発信基地としてオリジナル企画の主催公演を開催。2007年にはウィーン楽友協会とパートナーシップを結び、カーネギーホールともエデュケーション・プログラムで提携するなど、世界を視野に入れた活動を展開しています。
開館以来25年、世界の演奏家が連日集い、およそ14,000公演、1,400万名を超えるお客様にご来場いただいています。

ガラ・コンサート フィナーレ

サントリーグループでは、「利益三分主義」の精神に基づき、創業以来、社会福祉活動から、芸術文化・学術・スポーツの振興に対する貢献活動まで、さまざまな文化・社会貢献活動に取り組んできました。生活文化の豊かな発展に寄与していくためには、時代のニーズに応えていくとともに、より多くの方に芸術文化に親しんでもらえるよう、「もっとわかりやすく、もっとおもしろく」伝える努力も必要だと考えています。また、次の時代を担うこどもたちの育成や地域社会との連携もますます重要になってきます。今後とも、サントリーグループは、「利益三分主義」の精神を受け継ぎ、真に豊かな社会をめざして、さまざまな文化・社会貢献活動を展開していきます。

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