自然界の水の循環に負荷をかけないように、工場での節水活動を徹底するとともに、排水はきれいにして自然に還しています。
水使用量の削減のため「水の3R」を徹底
サントリーグループの工場では、商品の原料としてだけでなく、製造設備の洗浄や冷却用に多くの水を使用します。限りある水資源を大切にするため、できる限り使う水を少なくする(Reduce)、繰り返し使う(Reuse)、処理をして再生利用する(Recycle)、「水の3R」を徹底し、2030年目標である「全世界のサントリーグループ自社工場での水使用を15%削減※」の達成に向けて活動を強化しています。
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※2015年における事業領域を前提とした原単位での削減
水使用実績2020年
エリア | 使用量(千m3) | 2030年原単位削減目標 基準年比(2015年) |
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日本 | 20,752 | - |
米州 | 6,911 | - |
欧州 | 5,454 | - |
アジア | 6,380 | - |
オセアニア | 444 | - |
アフリカ | 103 | - |
計 | 40,044★ | 17.0%減 |
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※国内生産26工場、海外生産64工場が対象
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※うち、サントリー食品インターナショナルグループの国内・海外の生産工場の水使用量は21,992千m3★
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※KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を受けています。第三者保証の対象となっている数値を★で示しています。
水使用量

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※原単位は製造1kℓあたりの使用量を表す
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※2020年は国内生産26工場、海外生産64工場が対象
「水の3R」の徹底
工場の設備機器を選定する際は、できる限り使う水を少なくする(Reduce)、繰り返し使う(Reuse)、処理をして再生利用する(Recycle)、「水の3R」を徹底しています。
サントリープロダクツ(株)天然水南アルプス白州工場では、3Rの視点から多様な活動を展開しています。とりわけ、水のカスケード(多段階)利用といった高度な循環再利用により、水使用原単位で業界トップレベルを達成しています。
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サントリープロダクツ(株)
天然水南アルプス白州工場 -
清浄レベルごとに回収した
水を200トンのタンクに貯蔵し再利用
水のカスケード利用
製造工程で使用する水(地下水、河川・湖の水、雨水、上水、外部から供給されている水(再生水)を冷却水や洗浄水など5つのグレード(清浄度)に分類し、高いグレードが要求される用途から次のグレードでまかなえる用途へ段階的に再利用を図る技術です。

水源別水使用量
取水源 | 水使用量(千m3) | ||
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2018年 | 2019年 | 2020年 | |
地下水 | 20,620 | 18,687 | 17,752 |
河川・湖 | 12,762 | 12,873 | 10,858 |
雨水 | 1 | 0 | 0 |
上水 | 9,309 | 11,797 | 11,434 |
外部から供給されている水(再生水) | 0 | 0 | 0 |
計 | 42,692 | 43,357 | 40,044 |
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※2020年は国内生産26工場、海外生産64工場が対象
雨水も有効活用
雨の多い日本では、雨水も大事な資源です。サントリーグループでは、雨水をタンクに貯めて、植栽への水やりなどに利用しています。

雨水を植栽の散水に活用している
サントリープロダクツ(株)
神奈川綾瀬工場
排水管理の徹底
サントリーグループでは、排水をできる限り自然に近い状態で自然に還すため、法律と同等もしくはより厳しい自主基準値を設け、排水品質を徹底管理しています。工場からの排水は、嫌気性排水処理設備※などで浄化処理し、下水道や河川へ放流しています。その際、測定装置による常時監視と検査員による日々の水質点検などを実施しています。
2014年より、国内工場での排水処理設備のさらなる安定化に向け、各工場の担当者が一堂に会する排水担当者会議を定期的に開催し、運転管理レベルやトラブル防止体制の向上に取り組んでいます。
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※微生物(嫌気性菌)を用いて汚濁物質を分解する処理方法
排水量
放流先 | 排水量(千m3) | ||
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2018年 | 2019年 | 2020年 | |
河川・湖沼 | 15,732 | 14,481 | 13,611 |
海 | 153 | 1,061 | 967 |
下水道 | 8,364 | 8,707 | 8,473 |
その他(植栽への散水など) | 28 | 61 | 55 |
計 | 24,277 | 24,310 | 23,106 |
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※2020年は国内生産26工場、海外生産64工場が対象
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※うち、サントリー食品インターナショナルグループの国内・海外の生産工場の排水量は12,326千m3
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24時間体制での排水管理
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排水担当者会議