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水のサステナビリティ

水リスクの評価

水のサステナビリティの追求を「サントリーグループ環境基本方針」の重点課題に掲げているサントリーグループは、水科学研究所を2003年に設立し、水に関するさまざまな評価を継続的に行っています。持続可能な事業活動を見据え、水に関するリスク評価を実施しており、環境経営の推進にも役立てています。また、新規事業の展開に際しても、水リスク評価を勘案しています。

サントリーグループ自社工場の水リスク評価

特定の国における水リスクを全球レベルで共通に評価するツールとして、世界資源研究所(World Resources Institute)が開発したAqueduct Country Rankingの評価指標であるBaseline Water Stressを活用し、自社工場が立地する国の水ストレス状況を確認しています。

  • 製品を製造するサントリーグループの工場
Baseline Water Stress  
極めて高い
(Extremely high)
インド

(High)
メキシコ、スペイン
中~高
(Medium-high)
フランス、タイ、インドネシア、ドイツ
低~中
(Low-medium)
日本、アメリカ、イギリス、ナイジェリア

(Low)
カナダ、アイルランド、台湾、ベトナム、マレーシア、ニュージーランド

World Resources InstituteによるAqueductで採用されているBaseline Water Stressの国別スコアをもとに作成。

さらに、2021年に参画したScience Based Targets(SBT)for Water のパイロット検証において開発した方法論を活用し、立地国での評価に加え、自社工場が所在する地点における水リスクを評価しました。
当社の工場が操業を持続するためには、工場や周辺の自然環境、および地域社会が利用できる水資源が持続可能な状態にあることが重要です。そのため、工場が属する流域の利用可能な水資源量をマテリアリティ(重要課題)と特定し、優先的に取り組みが必要な自社工場の選定を行いました。
評価指標には、世界最大の自然環境保護団体である世界自然保護基金(WWF)が開発したWater Risk Filterに加え、前述したAqueductの指標を含めた計4種類を採用しました。これらの指標は、降水等による流域への水の供給量と、人口統計などから推定された流域内の水需要量の比率をもとに、利用可能な水資源量を評価する指標となります。これらのうち、3つの指標は「現在」の利用可能な水資源量を評価する指標であり、残りの1指標は、気候変動などの将来シナリオにもとづいて「2040年」の利用可能な水資源量を予測する指標となります。いずれの指標も5段階のスコアでリスクの大きさが評価されます。当社は現在の状態を評価する3指標のスコアを拠点ごとに平均化し、平均スコアが「5:極めて高い」または「4:高い」に相当する拠点を「水ストレスが極めて高い拠点」と定義しました。さらに2040年の状態を示す指標であるAqueductの2040 Water Stressがスコア4以上の拠点を「水ストレスが高い拠点」と位置づけました。
自社工場の全拠点における2020年の取水量を100%とした場合、水ストレスが極めて高い拠点の取水量は3%、水ストレスが高い拠点の取水量は14%にあたります。

  • Science Based Targets Network が水のSBT設定に関する方法を検証するパイロットスタディ

この評価結果を受け、水ストレスの高い工場から優先的に現地での取り組みを進めています。インドのBehror工場では、現地での水文調査にもとづいて工場が属する流域全体の水収支を評価し、雨水が浸透する貯水池などを活用して、水源を涵養する活動を行っています。また、スペインのToledo工場では、2021年よりTajo川流域の水質改善のために「Guardians of Tajo」というプロジェクトを通じて、現地NGOと協力して取り組みを進めています。現在は、工場で使用する市水の貯水池について、水源涵養エリアを特定し、保全活動の着手に向け、より詳細な現地調査を行っています。さらに、インドネシアのBogor工場では、現地大学と協働で、地下水保全のための計画の立案に向け、雨季や乾季を考慮した河川流量の調査や水質調査など流域の水文調査を進めています。
このようにサントリーグループでは、水ストレスの高い工場を優先して、現地での調査を行い、流域のステークホルダーと連携しながら取り組みを進めております。また、主要サプライヤーを対象に、水に関するアンケート調査を2016年から継続的に行っています。

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