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ワイナリー便り: 登美の丘ワイナリー便り
2008年7月24日 ブドウとワインの品質を左右する大切な季節

まずはブドウの生育状況をお知らせします。今年はブドウが萌芽してから、平均するとやや気温が低いためか、生育はゆっくりと進んでいます。7月6日の時点では、粒の大きさはシャルドネ(写真1)が真珠ぐらい、カベルネ・ソーヴィニヨン(写真2)がグリーンピースぐらいまで大きくなってきました。

4〜6月の降水量が平年よりも多いためか、枝の伸びが旺盛です。葉は光を浴びることで糖分やでんぷんを合成するため、しっかりと葉に光があたるように管理をすることが大変重要です。またベト病、灰色かび病、晩腐病といった病気の初期感染のリスクがある時期でもあります。

8月になると、ベレゾン(※1)を迎え、果実は硬い植物から色、香りをもったブドウへと劇的に変化し、9月から10月に1年の成果ともいえる収穫を迎えます。色づき、香りが良く、たっぷりとタンニンを含んだブドウとして成熟するために、ベレゾン前の7月は収穫前の最も大切な季節です。この時期の天候を考慮した緻密な作業がブドウ、ワインの品質を大きく左右します。

最も大切なことの1つは、土をよく乾かすこと。雨が少ないことに越したことはないのですが、雨が降っても、水が抜けること、すばやく水をブドウ園外に排出することが大切です。ブドウが育つのには水が必要ですが、水分が多すぎるとブドウの根が水分を多く吸収し、新枝だけが伸びすぎて、養分が凝縮したブドウにはなりません。なぜ、水はけがいい土地、傾斜している土地がブドウ栽培に適しているかはこの点にあります。

次に光をたっぷり葉に与えること。そのためにキャノピー(葉)マネジメントといって、葉にしっかり光があたるように若い枝、葉の管理を徹底します。北向きよりも南向き傾斜面の方が光は長くあたります。さらに病気が発生しにくいように風通しをよくすることも大切です。そのため今年は、早めにキャノピー(葉)の込み具合を調整し、きめ細やかな管理を心がけています。

登美の丘ワイナリーは南向きの斜面を利用してブドウを栽培するのは、水はけが良く、光が長くあたるという2つの理由からです。

7月の天候は本当に気になります。これからやってくる収穫時期を喜んで迎えられるように天候を考慮した備えと管理を丁寧に行っていきたいと思います。

※1 ベレゾン:実を結んだ青い果実が色をつけはじめること

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シャルドネ 7月6日撮影
シャルドネ 7月6日撮影
カベルネ・ソーヴィニヨン 7月6日撮影
カベルネ・ソーヴィニヨン 7月6日撮影
登美の丘ワイナリー 渡辺直樹
エノログ(ワイン醸造士:フランス国家認定)
登美の丘ワイナリーにて栽培技術開発、醸造技術開発を担当。ボルドー大学留学後、ふただび登美の丘ワイナリーで栽培、醸造、中味設計を担当。ワイン生産部を経て、2007年4月より登美の丘ワイナリー栽培技師長・品質技師長。
 
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