チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

森永乳業
KRAFT 無垢
大人の熟成ゴーダ味
KRAFT 無垢
大人の熟成チェダー味

第27回 2017年03月

森永乳業<br>KRAFT 無垢<br>大人の熟成ゴーダ味<br>KRAFT 無垢<br>大人の熟成チェダー味

チーズの味わい

雑味のないチーズの旨味となめらかな食感のチーズおつまみです。テイスティングしてみると、確かにこれまでのプロセスチーズとテクスチュアの違いを感じる事が出来ました。プリッと割れて弾力のあるこれまでのプロセスチーズに対して、この無垢はより滑らかでありながらコク深い濃厚さが特長です。
味わいも、「熟成チーズ」の凝縮した旨味を感じる事が出来ました。
ゴーダ味はクセのないまろやかコックリの味わい、チェダー味はゴーダ味よりも力強い濃厚な味わいが前面に出たメリハリのある味わいです。


よく合うワイン

ファルケンベルクリープフラウミルヒ <マドンナ> 2015

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

白桃 白い花 はちみつ

ゴーダ味がおすすめ。ワインの味わいが鮮やかになるマリアージュ。

ドイツワインを代表する銘酒「リープフラウミルヒ(聖母の乳)」の元祖です。フルーティで甘酸っぱい、キュートな味わいです。2015年ヴィンテージからスクリューキャップになりました。
実際に合わせてみると、マドンナの良い味わいを引き出す相性となりました。ワイン単体で飲む時よりも、果実味に厚みが感じられ、味わいに充実感を感じるようになります。実はこのワインの味わいには、まだまだこんなに奥行きがあったんだなあと、正直驚きました。ゴーダ味もチェダー味も良い印象でしたが、特にゴーダ味と合わせた時にはパッとワインの味わいに輝きが灯るような鮮やかで華やかな変化が現れて、とても魅力的なマリアージュになりました。マドンナは色々なチーズの旨味に本当に良く合う、対チーズでは万能のワインなのですが、中でもこの組み合わせはオススメです。

サンタ プレミアム シャルドネ 2016※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

黄桃 パイナップル 樽

余韻の甘香ばしさが魅力の、複雑さを加えるマリアージュ。

大人気のサンタにプレミアムが登場しました。チリの銘醸地ラペル・ヴァレー産のぶどうと、フレンチオークで6ヶ月熟成したワインを使用した、ワンランク上のサンタです。甘い果実味とまろやかなコクが感じられる味わいです。
実際に合わせてみると最初はトロピカルフルーツを連想させる熟した果実感が強調されるのですが、その後にワイン単体ではあまり目立たなかった味わいがグッと出てくるのが印象的でした。具体的には、カスタードプリンやカラメル、カフェラテなどのクリーミーで甘香ばしい味わいで、それらが出る事で味わいの複雑さや全体の満足度が底上げされる感じでした。
ゴーダ味とチェダー味では結構違う合い方で、ゴーダ味はあくまでまろやかに果実味や甘いクリーミーさを強調するのに対し、チェダー味は酸と果実のメリハリや、余韻の香ばしさが強めに出てくる感じでした。どちらが良いかは好みになると思います。

チー! ヴァン ルージュ 2015※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ブラックチェリージャム クローブ チョコレート

チェダー味がおすすめ。満足感とメリハリが共存するマリアージュ。

第23回でも登場した、チーズのための赤ワインです。フランス最大級のワインメーカー「カステル」社とサントリーが、日本のチーズに合わせて共同開発しました。日本のプロセスチーズを意識して開発されたワインなので、再登場してもらう事にしました。
実際に合わせてみると、ワインのまろやかさや果実の甘さが引き出される相性となりました。ただ、白ワインの場合はゴーダ味、チェダー味ともに良さを引き出した感じがありましたが、このワインの場合は圧倒的にチェダー味の方がオススメです。ゴーダ味がやや全体にぼんやりとした散漫な印象になるのに対して、チェダー味の場合は比較的高めの酸のおかげか、適度に引き締まった構造感がワインに現れて、「赤ワイン飲んでるなあ。」という満足感と、次の一口を誘うメリハリが共存する、とても魅力的なマリアージュとなりました。リキュール的なコクも出て、素直に美味しい組み合わせです。

サンデマン ルビー ポート

フランス
サンデマン ルビー ポート

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

イチジク オレンジリキュール ナツメグ

ワインの強さが印象に残るマリアージュ。

サンデマンは世界中で愛されるポートワインのビッグブランド。ポートワインは発酵中のワインにブランデーを加えてつくられる、甘口の酒精強化ワインです。日本では飲用として利用される事が少なく、お料理のソース用の役割が大きいのですが、飲んでみると大変美味しいお酒です。チーズとの相性も良く(特にブルーチーズとの相性の良さが有名)、ゆっくりとチーズを愉しむにはとても良い相棒だと思います。
実際に合わせてみると、ややワインの方が強い感じがありました。酒精強化なのでアルコール度数が19%あり、しっかりと甘さもあるので、かなりワインの味わいが前に出てきてしまいます。ゴーダ味よりは味わいにより強さのあるチェダー味の方が、マリアージュしてポートの果実のコクを引き出す印象はありますが、それでも少し力不足の感は否めません。このワインには合わせるには、もっとクセや塩分のあるブルーチーズやウォッシュチーズなどの方が良いかも知れません。特に悪い部分は出なくて美味しいんですけど・・・。

チャレンジまとめ

今回は同じシリーズの2種でマリアージュを愉しんでみました。ゴーダ味はクリーミーでまろやか、コクを強く感じさせるけどやわらかな味わい。チェダー味は、凝縮感やメリハリを感じる力強い濃厚な味わい。タイプとしては同系統でも、やはり味わいにはそれなりの差が感じられました。
ゴーダ味、チェダー味ともにクセのない味わいなので幅広くワインに合いそうだなと思っていましたが、実際に試したところ、ゴーダ味は白ワインの方が持ち味を発揮し、チェダー味は赤ワインの方が美味しく感じられるという結果になりました(サンプル数はわずか4なので、これが絶対とは言いませんが)。そして、改めてパッケージを良く見てみると、ゴーダ味には白ワインの絵、チェダー味には赤ワインの絵が・・・。研究して商品を出されているんだなあと実感しました。
特にチェダー味には結構力強い味わいの赤ワインまでカバー出来る万能性があると思います。良いワインのお供になりそうです。



■ 関連サイト
森永乳業 KRAFT 無垢 大人の熟成ゴーダ味/KRAFT 無垢 大人の熟成チェダー味
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柳原 亮 (やなぎはら りょう)

野菜と穀物(ライ麦パンが好き)、豆腐が主食の草食系。
ヤギ乳製チーズをこよなく愛する、通称ヤギ原。
年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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