チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

なとり
一度は食べて
いただきたい
熟成 チーズ鱈®

第15回 2016年02月

なとり<br>一度は食べて<br>いただきたい<br>熟成 チーズ鱈®

チーズの味わい

今回は「チータラ」の愛称で親しまれ、日本人に愛されている、おつまみの定番「チーズ鱈」です。
この「一度は食べていただきたい」シリーズの「熟成 チーズ鱈®」は一般に市販されている「チーズ鱈」と比較すると、中のチーズが分厚く、さらにチーズの味わいにコクがあるのが特徴かと思います。
この製品の場合チーズが主役で、鱈はそこに食感の違いとほんのりとした海産物の香りをプラスしているといった感じです。
マリアージュを考える際は、鱈よりもこのコクのあるチーズとの相性がポイントになってきそうです。


よく合うワイン

ガゼラ NV

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

青リンゴ レモン 白い花

果実味がふくらみ、鱈の味わいが前に出てくるマリアージュ。

ガゼラはポルトガルを代表する白ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ(緑のワインという意味)」。その名の通り、フレッシュな果実と爽やかな酸味、微発泡の新緑を思わせるような白ワインです。海の傍で作られるワインで海産物のお供の定番です。「熟成 チーズ鱈®」と合わせると、フレッシュな果実感はしっかりと維持しながらも、キレのある鋭い酸が少し穏やかに感じられるようになって、ワイン・チーズともに味わいにふくらみが出てきました。鱈の味わいも臭みなく旨味として出てくる感じです。考えてみれば干鱈はポルトガル人の国民食。合わないはずがないのかもしれません。

サンタ カロリーナレセルヴァ デ ファミリア シャルドネ 2011

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

洋梨 プリン フランスパン

リッチさの相乗効果。コクが際立つマリアージュ。

チリの白ワインの聖地「カサブランカ ヴァレー」のぶどうを100%使用。クラシックなスタイルで、驚く程にリッチな果実味とパンチの効いた樽使いを満喫出来る、樽シャルドネ好きにはたまらない1本です。「熟成 チーズ鱈®」と合わせると、コクのあるチーズ部分とまさに溶け合っていく感じで、元々リッチな味わいがさらにコクと旨味を増す印象を受けました。特にプリンのカラメルやカフェラテを思わせる余韻の甘さは結構なインパクトです。ただ、鱈の味よりもワインが勝ってしまって、鱈の味わいはあまり感じられません。このワインの場合はコンテやゴーダなどのハード系チーズだけの方がより楽しめるような気がします。十分においしいんですけど。

ポルコ ティント 2012※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ブラックチェリージャム ラベンダー クローブ

果実の甘さが引き立ち、滑らかに感じるマリアージュ。

ポルコはポルトガル語で「豚」の事。ポルトガル南部アレンテージョ産の赤ワインです。アレンテージョはコルクや有名なイベリコ豚の産地として知られるエリアで、ラベルにも描かれている通り、豚肉との相性はピッタリです。「熟成 チーズ鱈®」と合わせると、ワイン単体で飲む時よりも、果実のチェリーっぽい甘さを強く感じるようになりました。タンニンも酸も滑らかで、味わいがスムースになる印象です。豚ではありませんが、結構相性が良いと言えると思います。赤ワインの場合、魚と合わせると生臭みが出てしまうことがありますが、そういう事は全くなく、ごく自然に合わせる事が出来ました。

ウィリアム ヒルセントラル・コースト カベルネ・ソーヴィニヨン 2014

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

カシスジャム ココナッツ チョコレート

樽熟成のコクを強く引き出す、甘さを感じるマリアージュ。

カリフォルニアの中でも比較的冷涼な気候を持つセントラル・コーストのぶどうから作られたワイン。滑らかで柔らかな果実味が印象的です。冷涼とはいいながらも、そこはカリフォルニアのワイン、恵まれた日照からの果実の甘さが特徴として出ます。「熟成 チーズ鱈®」と合わせると、その甘さの部分をより強調する感じで他のワインの時と同様、コクを感じさせるマリアージュとなりました。印象的だったのは、ワイン単体で飲んだ時にはそれ程感じなかった、樽熟成由来の甘さと香ばしさが「熟成 チーズ鱈®」と合わせると凄く前面に出てきた事で、これはなかなかに心地よいマリアージュでした。

チャレンジまとめ

 今回はよりカジュアルに、身近で買えるおつまみの定番である「チーズ鱈」でマリアージュを試してみました。乳製品と魚介類という組み合わせで、どのようなワインが合うのか事前にあまり予測がつきませんでしたが、結果としてはどのタイプのワインも驚く程とまではいかないまでも、想像以上に美味しく楽しめるという事になりました。これまで色々なチーズを試して来ましたが、爽やかな白、コクのある白、ミディアムの赤、濃い赤という味わいに幅のある4タイプのワインに対して、これほどスタンスを変えずに合ったチーズというのはあまりなかった気がします。
 チーズ自体の味わいはクセがない乳主体で、長期熟成型でコクのあるタイプというのが、ワインを選ばすに相性が良かったポイントでしょうか。あまりワインを飲まれる時のおつまみとして「チーズ鱈」を選択された事がない方もいらっしゃるかも知れませんが、十分に楽しめるマリアージュです。実は以前にボジョレー・ヌーヴォーと合わせてみた時にも、美味しくて驚いた事があります。
 どこでも手に入るし、冷蔵庫がなくても大丈夫というのも助かるところ。ワインに合わせる相棒として、頭のどこかに置いておいて頂けるといいかも知れません。 



■ 関連サイト
なとり 一度は食べていただきたい 熟成 チーズ鱈®(外部サイトへリンクします)

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

ワインにのめり込んだのは、お酒とは関係のない業務のサントリーフーズ勤務時代。2013年のワインアドバイザー選手権では準優勝だったが、次回大会での優勝を目指して、日々ワインテイスティング、チーズ研究、食材研究に余念がない。お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアワインアドバイザー NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル 第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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