この料理に合うワイン

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1st

フロムファーム 塩尻メルロ 2018 

フロムファーム 塩尻メルロ 2018

日本
ぶどう品種 メルロ

今回のレシピは、ヤム アグン ヌア (ぶどうと牛肉とミントのタイ風スパイシーサラダ)です。ヤムはタイ料理の定番のひとつであるヤム ウンセンのヤムで、「和える」を意味します。アグンは「ぶどう」で、ヌアは「牛肉」です。タイにおける食肉事情は、タイ農業・協同組合省畜産振興局の統計によると、2005年時点で、鶏肉生産は牛肉生産の6.8倍、豚肉でも4倍の規模でした。牛肉消費が少ない理由として、当時の畜産振興局は、「農業従事者の多いタイ社会では、しばらく前までは、牛は農作業を手伝ってくれる大事な動物であるので、その牛を食べるのは良くないという考えが強かったから」だと理由づけていました。その後、牛肉の消費は徐々に増えて2010年までの5年間で1.4倍にまで増加しましたが、その後は伸び悩んでいます。量は伸び悩んでいるのですが、牛肉の品質向上は着実に行われています。アメリカのブラーマン種を品種改良した、タイ ブラーマン種や、フランスの銘柄牛であるシャロレ―種を交配したターク種や、1988年にシリントーン王女に贈られた但馬牛も繁殖に成功して市場に供給されています。これらの美味しい牛肉は高価で、ホテルのダイニングなどの高級店で、ステーキやヤム ヌアとして楽しまれたりしているそうです。国連食糧農業機関(FAO)の直近の統計によると、2020年はコロナの影響で、タイでも外食産業が機能せずに、牛肉の生産量は大幅に落ち込んだようですが、これからの回復が期待されています。

今回のレシピの主役はぶどうです。皮つきのままで食べられるぶどうでしたら何でも良いのですが、今回はシャインマスカットを使いました。ナガノパープルや甲斐路なども美味しいと思います。肉はしゃぶしゃぶ用の黒毛和牛の薄切りをサッと茹でて使いました。ソースは、レモングラスを薄くスライスしたものと、唐辛子を輪切りにしたものをライムの搾り汁に入れ、ナンプラー、砂糖、ナンプリックパオと加えて合わせまぜておいたものです。ナンプリックパオは、干しエビを油で炒めたものに、ニンニク、唐辛子とホムデンを入れてペースト状にした、タイではとても良く使われる調味料です。

このヤム アグン ヌアにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインは、フロムファーム 塩尻メルロでした。フロムファームはサントリーの日本ワインの新ブランドで、この9月に発売したばかりです。サントリー登美の丘ワイナリーもコロナなどで長らくお客様の受け入れを制限していましたが、9月の頭に「リニューアル取材会」を開き、9月23日から25日の3連休には、ワインメーカーズランチの開催や、キッチンカーをワインテラスの近くに入れる大イベントを開きました。23日は大雨、24日にかけては台風15号が接近すると言う、大変な悪条件でしたが、多くの方々に登美の丘にいらっしゃって頂きました。お客様が沢山、楽しそうに語り合っている活気を帯びたワイナリーを見るのは本当に久しぶりの事でしたので胸が熱くなりました。

フロムファーム 塩尻メルロは塩尻ワイナリー周辺の、契約農家の方々や赤玉出荷組合の組合員の皆様が丹精込めて育ててくださったメルロです。そのぶどうを手摘みで収穫するのですが、まず収穫の時に房の状態で選果します。塩尻ワイナリーに運び込んだら今度は、果梗を取り除き粒の状態にして、ひと粒ひと粒を選果します。ステンレスタンクで発酵後、フレンチオーク樽で17~18ヶ月間熟成させます。マリアージュ実験に使用した2018年の天候は5~7月は降水量・平均気温も平年並みに推移しました。8月の降水量は平年の47%と少なく、晴天が長く続いて良かったのですが、9月に入ると、台風の影響を受けたりしました。一方、10月は再び降水量が少なく、晴天率が高い年でした。特に成熟を待って収穫した区画において、糖度が高く色調も濃く、種までよく熟した果実を得ることが出来た、グレイトヴィンテージを予感させる年となりました。

色は、日本のメルロとしては濃い赤紫色です。ブルーベリーやカシスなどの黒系果実をイメージさせる香りと樽由来のコーヒーやバニラの香があります。アタックから中盤にかけては自然な甘味がひろがります。アフターにかけてやわらかいタンニンと樽由来の香ばしい風味がバランスよく調和し余韻まで上品な味わいが続くワインです。

ヤム アグン ヌアと合わせると塩尻メルロの、赤ワインとしての芯がしっかりとしているのが判ります。

「牛肉のしっかりとした旨みがガツンと来るのですが、それを塩尻メルロが、軽やかに受け止めます。新世界の濃いワインには無い、柔らかに寄り添う感じです」

「塩尻のメルロには、特徴的に、茹でた小豆のような香りと、柘植のような植物的なニュアンスが出るのですが、その香りと黒毛和牛の香りとが良くマッチしていますね」

「程良い、塩尻感というのでしょうかね、良いバランス感ですよね」

「ぶどうと塩尻メルロは、当り前ですが、良く合っていますね」

「都先生が、『このレシピの主役はぶどうです』と仰るのが良く判りました」

「ぶどうが牛肉とワインをきっちりと纏める役割を果たしていて、両方がウィン ウィンの関係になっています」

「ぶどうを噛むと、甘酸っぱさが牛肉の美味しさを際立たせています」

このヤム アグン ヌアは、都先生が収穫の秋を楽しむオリエンタルな雰囲気のサラダを楽しんで貰いたいと書いてくださったオリジナルレシピです。長野パープルなどの皮迄食べる事が出来るぶどうを見つけた時には、是非このレシピに挑戦してみてください。そして、フロムファーム 塩尻メルロとの抜群の相性をお楽しみください。

2位に選ばれたのは、フロムファーム 津軽ソーヴィニヨン・ブランでした。このワインは弘前富士と呼ばれる岩木山の麓にある太田さんと木村さんという2軒の契約農家さんが育ててくださったソーヴィニヨン・ブランを醸しました。青りんごと甘く熟したグレープフルーツなどを連想させる果実の香りがあります。セルフィーユの様な甘いハーブと、僅かに有るカシスの新芽のような植物感が爽やかさを与えます。凝縮感のある果実味と、冷涼産地らしい緊張感のある張りと、伸びのある酸味とが上手くバランスのとれた辛口ソーヴィニヨン・ブランに仕上がっています。
ヤム アグン ヌアに合わせると、ミントとタレに使われているレモングラスに抜群に合っています。サラダを食べながら、グラスを鼻に近づけるだけで「香りのマリアージュ」をしているのが良く判ります。軽い白ワインだから、牛肉との相性はどうだろうか?と思いましたが、オリエンタルタッチのタレと香りの共鳴に引っ張られて牛肉も、大変美味しく楽しめました。

2nd

フロムファーム 津軽ソーヴィニヨン・ブラン 

フロムファーム 津軽ソーヴィニヨン・ブラン

日本
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン

3位に選ばれたのは、サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア シャルドネでした。サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリアというワインは、創業者であるルイス・ペレイラ・コタポスが家族の為に特別なワインをつくるという思いから出来たブランドです。イタタ・ヴァレーのシャルドネを使っています。そのシャルドネの70%は400Lのフレンチオーク、残りの30%を楕円形の大型のフードルで発酵させ、そのまま6ヶ月の熟成を行います。
レモンイエローに少し黄金色が入っていて見た目からしてリッチそうです。グラスからは少しコンポートした洋梨のニュアンスとアカシアなどの蜜の多い花の印象が感じられます。クリーミーでボリュームのある果実味とやわらかな酸が特長的です。リッチでコクのある味わいで、ブルゴーニュの一級畑を彷彿とさせる風格があります。
ヤム アグン ヌアと合わせると、ボリューム感たっぷりのレセルヴァ デ ファミリア シャルドネが生のぶどうと出会う事で味わいが引き締められ、上品でエレガントに感じられました。黒毛和牛の豊かな脂の味わいと、ナッティでコクのあるシャルドネとがぴったりとマッチしていた、素敵なマリアージュでした。

3rd

サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア シャルドネ 

サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア シャルドネ

チリ
ぶどう品種 シャルドネ

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