この料理に合うワイン

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1st

デュック ド パリ ブリュット

デュック ド パリ
ブリュット

フランス
ぶどう品種 ユニ・ブラン

ウニは日本中の磯に生息しています。農林水産省のデータでは平成22年度、日本のウニの総生産量は10,200トンです。1万トンのウニと言われても想像するのが難しいですね。4トン半のトラック2200台分のウニ・・・・・更にイメージが沸かないかもしれません。都道府県別では北海道がダントツのトップで約49%。次いで岩手の16%、宮城、青森と東北勢。5位からは長崎、熊本、鹿児島と九州勢が続きます。輸入も多く水産庁の平成20年データでは14,000トンが輸入されているそうです。世界のウニの生産量がFAO(世界食料農産物機構)の推定では69,000トンですので世界の1/3以上を日本が消費している計算になります。北海道立水産試験場の発行している情報誌「北水試だより」59号には「日本のウニ消費量は世界の生産量の7割」と記述されており、加工品を含めると世界生産のかなりの量を日本が消費していることは間違いないと思われます。たしかに築地市場を見ていると北海道や東北のウニとならんで、ロサンゼルス 、ロシア、チリなどの海外産のウニが売られています。ところで皆さんは世界で一番ウニを漁獲している国がどこかご存知でしょうか?なんとチリ、世界の42%を生産しているんですよ!日本のウニの旬は産地や品種によって異なります。北海道の太平洋側では12月から5月、北海道の日本海側や三陸海岸だと7月8月に旬を迎えるといわれています。九州の長崎、熊本で獲れる赤ウニは6月から9月が旬、沖縄の古宇利島のシラヒゲウニは7月に解禁になります。今日はそのウニをオムレツにします。卵を溶いてオムレツを作り、そのなかにウニを巻き込みます。ソースはディルの生クリームソースです。バターでちぎったディルを炒め生クリームを入れ、好みの濃度になったら味を整えるだけです。新鮮なウニさえ手に入れば簡単な料理です。
さて、この夏に美味しいウニのオムレツにテイスティングメンバーが選んだイチオシは
CFGV社(コンパニー フランセーズ デ グランヴァン社)のスパークリングワイン、デュック ド パリ ブリュットでした。CFGV社はスパークリングワインの製法である『タンク内二次発酵法』を考案したウジェーヌ・シャルマ氏によって1909年に創立された会社です。ブドウ品種はユニ・ブラン、青リンゴを思わせる爽やかな香りが持ち味です。ウニのオムレツを食べてグラスを鼻に近づけると、ディルの青々しい香りが強調されます。
「ワインから緑のニュアンスが感じられます!」
「ユニ・ブランは、おとなしくて控えめな品種なんだけれど、この緑のニュアンスを隠し持っていたんだね」
その秘めた香りがディルによって上手く引き出されたようです。
オムレツを食べてデュック ド パリを飲むと、ウニと卵と生クリームの濃厚な旨みと、デュック ド パリとディルの爽やかさが上手く調和します。
「まとまりますね」
「デュック ド パリと一緒の方が味わいの完成度が上がる気がします」
ウニの磯の風味とバターや生クリームの丸い味わいとデュック ド パリのキレのある酸とが上品なハーモニーを奏でていました。
ウニと卵とスパークリングワインの幸せなマリアージュでした。

2位に選ばれたのはウィリアム フェーブル シャブリです。ドメーヌ ウィリアム フェーブルは1850年創業のシャブリの名門でしたが、フェーブル氏に跡継ぎが居なかったので、1998年にシャンパン メゾン アンリオのグループに入りました。ジョセフ アンリオ社長は醸造長にディディエ セギエ氏を抜擢しました。セギエ氏は当時31歳、この大抜擢に応えるべく、あらゆる努力を惜しみませんでした。機械収穫がほとんどの村名シャブリでもすべて手摘み、それも小さなプラスチックケースを用いてブドウの実が傷つかないようにしました。醸造設備も一新、出来るだけ酸素を排除する工夫をしています。その結果、評価は鰻登り、フランスのワイン評価本ベタンヌ&デソーヴBettane & Desseauveではシャブリでは3軒しかない5つ星に輝いています。 ウニのオムレツと合わせると、ウニのコクが強調されました。磯の風味とミネラル感がシャブリと出会うことで、より、くっきりと明確になりました。ウニの風味を真っ直ぐ楽しむのには一番向いているワインかもしれません。

2nd

ウィリアム フェーブル シャブリ

ウィリアム フェーブル
シャブリ

フランス
ぶどう品種 シャルドネ

3位に選ばれたのはサントリー塩尻ワイナリー 塩尻メルロ ロゼでした。 サントリー塩尻ワイナリー 塩尻メルロや岩垂原メルロを濃く仕込むためにセニエをした果汁を辛口のロゼに仕上げました。赤に仕込むとアメリカンチェリーや佐藤錦などの日本のさくらんぼの印象になる香りが、ロゼになると、なぜかオードヴィー ド キルシュを思わせるヨード系の香りに変化します。 「磯っぽい香りですね」 「ヨード系の香りなんでしょうが、海苔の佃煮を思わせる香りです」 その香りとウニの風味がばっちり合っていました。 「メルロという品種名を聞いたときに厚みのある赤のイメージが沸いたので、勝手に、合わないだろうなぁ、と思っていました」 「磯の風味同士で予想外に合いました!」 先入観が覆るメルロとウニとの驚きの相性でした。

3rd

サントリー塩尻ワイナリー 塩尻メルロ ロゼ ※フロムファームにブランド名が変わりました。

サントリー塩尻ワイナリー 塩尻メルロ ロゼ
※フロムファームにブランド名が変わりました。

日本
ぶどう品種 メルロ

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