この料理に合うワイン

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1st

ロス ヴァスコス ロゼ

ロス ヴァスコス
ロゼ

チリ
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、マルベック

秋が深まり、果物屋さんの店頭には柿が沢山ならんでいます。美しい色です。古来、日本では愛されてきた果物です。「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われて栄養価が高い食物としても知られています。
昔、住んでいた街に立派な柿の木がある家がありました。秋になるとちょっと小ぶりで、どんぐりを太らせたような形の実がたわわに実っていました。いかにも美味しそうな柿色でした。子供心に「旨そうだなぁ・・・・」と思っていました。ある風の強い日に、なんとラッキーな事か、目の前に落っこちてきたのです。思わず拾ってかじりました。一瞬口の中に甘みがひろがり「お、甘い!」と思った次に瞬間口の中がひん曲がるほどの渋さで口中が覆い尽くされました・・・・・渋柿だったんですね。それから一ヶ月くらいたった晩秋、かなり寒い日、カラスがその渋柿をつついて食べているのを見て「カラスは口ばしだから渋くないのかなぁ」と思ったのを覚えています。その当時は渋柿もじゅくじゅくまで熟すと甘くなるのを知りませんでした。この柿の渋みの変化はタンニンフルな赤ワインの熟成のメカニズムに似ています。タンニンには沢山の種類があります。ワインに含まれるタンニンの多くは縮合型のタンニンと言われるものです。この縮合型のタンニンは最初に出来た単体の状態から徐々にくっ付き合います。これを重合と呼びます。単体である(つまり渋柿の状態や葡萄のなかで出来たばかりの)タンニンは非常に強い収斂性(渋み)を持ちます。ワインで言うと出来たばかりでタンニンを荒く感じる状態です。それが2個3個とくっつきあっていくと収斂性が弱まってきます。ワインだと熟成してまろやかになった感じです。さらに重合が進むとタンニンは水に溶けなくなります。ワインでいうとオリがでてくる状態、柿でいうと柿のなかにゴマが出来る状態なんですね。
その柿とかぶをマスカルポーネで合えます。あのティラミスで有名になったチーズです。さらにアクセントに柚子こしょうを使います。
写真を見ていただくと一見「ヌタ」に見えます。ところがどっこいワインに良く合う前菜なのです。白いマスカルポーネに和えられた柿が妖しく美しく誘います。黄色に朱色と赤色がほんのりと入っています。香りを嗅ぐとクリーミーなマスカルポーネの香りと柚子、ピーマンっぽい青々しい香りがします。口にいれると柿の甘さとマスカルポーネのたっぷりとした乳脂肪感が良くマッチしています。
この柿とかぶのマスカルポーネ和え柚子こしょう風味にテースティングメンバーが選んだイチオシはチリからこの秋新発売になったロス ヴァスコス ロゼでした。ロス ヴァスコスは、ボルドー メドックの4つある一級シャトーのなかでも筆頭格付けの「シャトー ラィット ロートシルト」を擁する「ドメーヌ バロン ド ロートシルト(ロスチャイルド家)」
がチリで手がける銘品です。カベルネ・ソーヴィニヨンを85%残りをシラーとマルベックで造ります。ロゼとしては少し濃い目の色。鮮やかな紅を含んだロゼカラーです。香りはさくらんぼやラズベリーを連想させる甘やかな香り立ちです。口にいれると軽やかで辛口です。酸もきりっとしています。軽やかなのですがしっかりとした旨味も感じられふんわりと心地良い余韻が続きます。
ワインと柿を合わせます。柿の甘さをロゼがうまく包み込んでいます。柿の良い特徴・ニュアンスがうまく引き出されている気がします。かぶの存在感も増す気がします。「素材の味わいがくっきりする組み合わせですね」「かぶが主張しますよね、俺は野菜だぞ!!って」「そうそう、緑のニュアンスが結構ありますよね」「柚子こしょうも影響しているんだと思いますよ」ロゼを単体で飲むとベリーの印象が強いのですがこの料理を合わせるとワインに突然、野菜的な要素が顔を出します。「でも、調和していますよね」「このワインにこんなにヴェジタルな要素が隠れていたのは驚きです」「さすがカベルネ85%ですね」
今回の組み合わせではワインのカベルネと柚子こしょうやかぶの野菜の要素が「似た者同士はひかれあう」感じで美味しく感じました。今回のロゼのように潜在的に隠れている要素でもマリアージュの原動力になれることを再認識したテースティングでした。

白ワインにも柚子こしょうのニュアンスとばっちり合ったものがありました。ビニャ マイポ ソーヴィニヨン・ブランです。青唐辛子のちょっと青さを感じさせる香りとソーヴィニヨン・ブランのハーブっぽいニュアンスとがぴったりとマッチしていました。かぶとの相性も抜群でとくに葉っぱや茎の部分が特に美味しく感じる組み合わせでした。

2nd

ビニャ マイポ ミ プエブロ  ソーヴィニヨン・ブラン<br>※終売しました。

ビニャ マイポ ミ プエブロ
ソーヴィニヨン・ブラン
※終売しました。

チリ
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン

アメリカからの新製品、カルロ ロッシ スパークリング ホワイトです。やや辛口で穏やかな酸味のスパークリングワインです。マスカルポーネのたっぷりとした美味しさを柔らかく受け止めていました。ワインの持つ梨などを思わせる果実味と柿とが良くマッチしていました。

3rd

カルロ ロッシ スパークリング ホワイト<br>※終売しました。

カルロ ロッシ
スパークリング ホワイト
※終売しました。

アメリカ
ぶどう品種 フレンチ・コロンバード、バーガ、シュナン・ブラン

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