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椎名誠写真椎名誠 シングルモルトウイスキーの旅
第3回 アイラ島夢酔編

生牡蠣にシングルモルト

(上)ポートエレンの港で、生きたまま輸出されるヨーロピアンロブスターと漁師たち。(右)ムール貝やヨーロピアンクラブ(蟹)を使ったシーフード。(左)ボウモアを牡蠣に垂らす筆者。牡蠣の塩味とボウモアのスモーキーな香りが絶妙に相まって、激旨となる。

その晩行ったレストランはスコットランドの2001年ベストシーフードパブに選ばれた地元の有名店であった。まずはボウモアで乾杯。魚のチャウダー、ムール貝の白ワイン蒸し、シーブリーム(鯛の一種)とスズキのグリル。アイラ島産鹿肉のキノコ添え、などなどといった生唾ものの料理が並んだが、ここでとにかく一番に食べるべきは牡蠣である。アイラ島産の生牡蠣にシングルモルトを垂らして食べるのだ。本日は当然ボウモアをたらりたらり。生まれて初めての食べ方だが、いやはやそれがまたもや申し訳ないほどうまいのなんの。我が人生で今まで食べてきた生牡蠣の全てを、あらためてこのシングルモルトがけで食い直してみたい、と思うほどの衝撃的なうまさであった。


ひと息ついて窓の外を見ると夜の海が青く光っている。波が穏やかに静まって風も止まっているようだ。


ボウモア12年。潮風の匂いを含む、洗練されたピート香と、シェリー樽由来の熟成香とがバランスよく調和。