(2001 フランス)
監督/サンドリーヌ・ヴェッセ
出演/ヴァレリー・ドンゼッリ、ヤン・ゴヴァン、リュシー・レニエ、リディア・アンドレイ
(ストーリー)
幼い頃、弟が溺死した一家の次女として育ったマルタは、家族の愛を知らずに育った。彼女は、レイモンと結婚。一人娘のリーズと3人で貧しいながらも、夫の愛に包まれて暮らしていた。けれどマルタの孤独と少女時代からの心の傷は癒えない。娘を虐待したり、夜の街をさまよったり・・・。突然、夫と娘の前から姿を消したマルタが見つかった時、病院に駆けつけたレイモンは、変わり果てた姿に呆然とする。
カンヌ映画祭国際批評家連盟賞を受賞したフランスの女性監督の意欲作。 |
マルタを子供時代から知っている夫のレイモンは、マルタが姿を消してからも、フリーマーケットの古着屋の仕事に精を出し娘を育てている。
クリスマスも近いある日、仕事仲間の老人の家に誘われたレイモンとリズ。部屋一面に飾られた蝶の標本に驚くリズ、老人はレイモンに「座って、1杯やろう」と声をかける。
老人はデキャンタ・ボトルとタンブラーを2つ、テーブルに持ってくるとウイスキーを注ぐ。そしてレイモンの前に置くと、自分も椅子に腰をおろした。「乾杯!」という言葉を合図に、勢いよくウイスキーを口に運んだレイモンは、ストレートの強さに一瞬むせてしまう。するとじっくり味わいながら飲んでいた老人は「強いだろう、12年物だからな」と説明する。
12年物のウイスキーをストレートで飲みながら、老人が語りだした話は自分はもう商売を辞めるので、その後をレイモンに引き継いでもらえないか、という誘いだった。
レイモンはウイスキーを飲みながら、来年早々老人の仕事を引き継げば、今より安定した生活ができる、そうすればマルタが戻ってきたときに、娘と3人で幸せな暮らしができるような気がした。「決まりだな」と老人が言うとすぐさまレイモンは「了解」と返し、2人は固い握手をする。
レイモンにとって、老人はサンタクロースでこの話とデキャンタ・ボトルのウイスキーは、クリスマス・プレゼントのように思われた。
マルタが発見されたとき、隣人のマダムは、ストレート・ウイスキーをタンブラーに注ぎ、レイモンをいたわり元気づけた。フランスの田舎町に生きる心優しい人たちは、ウイスキーの温かさを知っている。 |