
日本の磁器発祥の地であり、今なお世界屈指の磁器生産地であり続けている有田が誇る有田焼。五彩を駆使した豪奢な色彩と大胆なデザインが特徴の九谷焼。成型した一本一本の瓶首を削り、熟練の技で同じサイズに微調整された磁器の洋酒瓶は成型から絵付けまで職人の経験豊かな技が欠かせません。そんな日本が誇る匠の技が、世界でも権威ある酒類国際コンクールISC(インターナショナルスピリッツチャレンジ)で3年連続して金賞に輝いた響21年をくるみました。

ボトルのフォルムは古来より酒の器として用いられてきた瓢箪形で、これにサントリー美術館所蔵の<色絵牡丹文蓋物>に想を得た意匠を配しました。花が豪華な牡丹は中国では花王と呼ばれ、富貴の象徴とされてきました。これを主題に車文の幔幕や床几を配し、源氏雲が彩る色絵が、瓢箪の上下に描かれ優美でリズミカル。

日本の磁器発祥の地、有田は、世界に冠たる陶磁器名産地として知られています。岩尾對山窯は有田の古窯大樽窯を継承する380年の名門で、伝統を現代に活かす多彩な作品を創り出しています。今回は、岩尾對山窯の匠が藩窯・鍋島焼の名品「色絵紫垣椿図皿」のモチーフを伸びやかな筆致で筒形瓶に配しました。有田焼の白を大胆に彩る椿紫垣文に、日本の春の躍動が感じられます。

中国宋代から伝わる画題、蘭、竹、菊、梅の四君子。その中のふたつの君子、竹と梅を配した文様に、古来魔除けの力を持つと言われる虎が勇猛な姿で現れる。厳しい寒さの中でも花開く梅は、春遠からじ、と人々に告げる。これで、さしずめ、三君子。さて、もう一人の君子は、と目を凝らせば、この三君子に守られて、ボトルの中で静かに眠る。響21年。柿右衛門様式の伊万里焼の白地に優美な絵付けの酒器から、芳醇、馥郁たる香りが漂い、流れる。

秋は豊穣かな、稔りの季節。栗は、その象徴です。幹を力強く垂直に伸ばし、身をたわわにつける。縄文時代から栽培され、少し前までは暮らしになじんだ風景が、色鍋島の染付で見事にあでやかに蘇ります。色鍋島は、佐賀の鍋島藩が心血を注いで磨いた技術の結晶。色鍋島の特色である染付の藍と緑・黄・赤の4色で描かれ、赤絵具だけで精緻に描かれた毬(いが)とそこから覗く栗の実が華やかです。

岩尾對山窯は、日本の磁器発祥の地にして今も世界に冠たる陶磁器の名産地として知られる有田で380年の伝統をもつ名門です。この一瓶は、岩尾對山窯の匠が、古伊万里の優品、花卉文角瓶に範をとり、胴の四方に葡萄栗鼠、菊、牡丹、梅の文様を繊細なタッチで描き出し、四面の染付の枠取りの上には金彩で龍や菊唐草などを配しました。甲盛りにした肩の中央、口部の付け根は菊の花です。

九谷上絵付けの名匠・澤田富雄氏が一瓶一瓶に精緻な筆を揮った意匠は、吉田屋風の山水図。六角の各面に連続する幽玄の山、川、楼閣や橋、帆掛舟−みてあきない静謐な世界が深みある工芸美として結実しています。吉田屋窯は、19世紀初め頃大聖寺藩の豪商、豊田伝右衛門が九谷の再興を志して開いた窯で、その作風は重厚な色彩と軽快な運筆の妙にあります。

吉田屋窯は、九谷古窯廃絶百数十年後の1824年に豪商、豊田伝右衛門が九谷の再興を志して開いた窯で、その作風の特長は重厚な色彩と軽快な運筆の妙にあります。九谷上越家の名匠・澤田富雄氏が「吉田屋松竹梅図四段重」を参考にして、一瓶一瓶に精緻な筆を揮い、四角瓶の正面には松竹梅に鶴と亀、さらに他の面にもそれぞれ松竹梅を配して焼き上げました。まさに、おめでたづくしのこのボトル。

吉祥文である松竹梅を伸びやかにあしらった大胆な意匠は古九谷の大皿でも知られたデザインの一つです。九谷上絵付けの名匠・澤田富雄氏が一瓶一瓶に精魂を傾けて、黄、青(緑)、紫の三彩で描きあげました。瓢箪型の球面に躍るように描かれた松、竹、梅。そして、咲き誇る梅の幹には雉。力強い筆致による躍動が実に印象的な、生命賛歌の一瓶に仕上がっています。
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