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HIBIKI special interview 和紙デザイナー 堀木エリ子氏インタビュー後編 「響」へのパッションが繋いだ新しい伝統の形

和紙デザイナー 堀木エリ子氏インタビュー後編 「響」へのパッションが繋いだ新しい伝統の形

「響」の筆文字が冴える和紙ラベルの素材は、和紙デザイナー・堀木エリ子氏プロデュースのもと誕生しました。1500年の歴史をもつ越前和紙の伝統技法を巧みに取り入れ、やわらかな艶をたたえる独特の表情を醸しています。この和紙ラベルが出来るまでには、職人たちを悩ませる多くの困難があったと言います。そうした困難を乗り越えるのには、一体どんなものが必要だったのでしょうか。前回に続き、堀木氏に語っていただきます。

ふたつの常識を変えた、
「できる」が前提の挑戦

Q:「響」の和紙ラベルをつくるうえで、もっとも苦労したのはどんなことでしたか?

A:手漉きの和紙を「響」のラベルに使うことは、とても大きなチャレンジだったんです。和紙の原料はすべて自然の中にある素材です。木の皮の繊維を漉く時の瞬間的な水の動き、職人さんの勘やちょっとした力加減によって、一枚一枚の和紙に微妙な違いが生まれるものなんですよね。『自然のものだから、砂のひと粒やふた粒は入っていて当然。そうした手仕事ならではの風合いこそが“味”である』というのが、和紙づくりの世界では常識でした。

しかし、その和紙を「響」のラベルとして完成させるには、表面に精緻な印刷を施す必要があります。『印刷用の版が壊れるから、ひと粒の砂も、仕上がりのバラつきも許容できない』これが、印刷に関わる人たちの常識です。

両者、正反対の常識です。どちらも理由が明快で筋が通っていますから、間に立つわたしがどうにかして調整する必要がありました。職人さんたちの「できない」の一点張りをどう打開していくのか。それは「できる」を前提に考えることでした。「ああすればできるんじゃないか、こうすればこんな結果が出るんじゃないか」と、たくさんの打開策を提案し協力をあおぎました。

※画像内の「響17年」は休売中
Q:間に立つ堀木さんの存在は、とても大きかったですね。職人さんたちを「できる」という気持ちに変えたものはなんだったのでしょうか。

A:和紙ラベルの完成には、1500年におよぶ越前和紙の常識を見直し、現代のニーズに寄り添わせていくことが必要でした。伝統を伝統のまま守るのではなく、試行錯誤を重ねて「できない」を「できる」に変えていく。その原動力は、パッションに他なりません。『「響」の顔として相応しいラベルを、自分たちの手で創りあげるんだ』。その想いを職人の皆さんに伝え、しっかりと共有できたことが、結果に繋がりましたね。

『「響」の顔として相応しいラベルを、自分たちの手で創りあげるんだ』。その想いを職人の皆さんに伝え、しっかりと共有できたことが、結果に繋がりましたね。

これをいうと驚かれるのですが、わたしたちは今でも「響」の和紙ラベルを改良し続けているんですよ。和紙の表情をより深く引き出すにはどうするべきか、より美しい印刷表現をかなえる方法はないか、ロスを減らしつつ品質を向上するにはどうしたらいいか…。その時々で、最も良いものが仕上がるよう常に考え続けています。現状に満足することなく、高みを目指して革新を続けることが、未来の伝統をつくっていくわけですから。わたしたちのものづくりの魂が込められています。

※画像内の「響17年」は休売中

「響」を通じた伝統や文化への貢献

Q:和紙ラベルを纏って誕生した「響」。その姿をご覧になってどう感じましたか?

A:まさに“人と自然と響きあう”という言葉を体現した姿だと思いました。時の重なりを感じさせる24面カットのボトル形状もそうですが、自然に敬意をはらい自然を愛でる日本人の精神性がうまく表現されていますね。

この和紙ラベルは上下をまっすぐに、左右は手ちぎりでカットして仕上げているのですが、これには洋風のモダンさと和の落ち着きを共存させる狙いがありました。そうした点もうまく共鳴し、新しさもありながら伝統や格式を感じさせる「響」の姿を描けたと感じています。

「響」がさまざまな店や売り場に並ぶようになってから、とても嬉しいことがありました。和紙ラベルを漉いている工房は福井県の越前市にあるのですが、当時、後継者がいなくて存続の危機にあったんです。そんな時、絶対に工房を継がないと言っていた工房の息子さんが、旅行中に海外の空港で売られている「響」の姿を見かけたそうなんですね。その瞬間、「これはうちの親父が漉いている和紙なんだ!」と、とても誇らしい気持ちになったらしくて。それがきっかけで、工房を継ぐことを決心されました。

いまでは伝統工芸士の免許も取得し、とても素晴らしい和紙職人になっていらっしゃいます。「響」を通じて、こうした日本の伝統や文化が継承され、守られていることを実感しています。

Q:堀木さんにとって、「響」はどのような存在ですか?

A:「響」はわたしにとって“誇り”です。それには4つの理由があるのですが、まずひとつは「できない」を「できる」に変えることができたこと。2つめに、途絶えようとしていた和紙工房に後継者をつくるきっかけをつくれたこと。3つめに、伝統を現代に寄り添わせたいという考えを実現できたこと。そして、ものづくりの魂が宿った「響」が世界に羽ばたき認められているということ。

たくさんの人の想いや苦労が結晶し、当時のサントリーの企業理念 “人と自然と響きあう”という「響」に込められた想いを具現化することができました。これは、なによりも素晴らしく嬉しいことですね。

「響」をお愉しみになるときは、その装いまでゆっくりとご覧ください。わたしたち日本人が古来大切にしてきた、自然に対する敬意やものづくりの精神を感じていただけることと思います。

※画像内の「響17年」は休売中

※画像内の「響17年」は休売中

堀木エリ子 (ほりきえりこ)

和紙デザイナー・株式会社堀木エリ子&アソシエイツ代表取締役
1962年生まれ。京都府出身。高校卒業後、4年間の銀行勤務を経て、手漉き和紙の商品開発や販売を手掛ける会社に入社。その後、1987年に呉服問屋に移り、和紙ブランドSHIMUSを設立。2000年に株式会社堀木エリ子&アソシエイツを設立し、「建築空間に生きる和紙造形の創造」をテーマに創作活動を続け、世界を舞台に活躍している。
ウェブサイト: https://www.eriko-horiki.com/portfolio/package_a/

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