『ベストバランスオブアイラ』・『アイラモルトの女王』と称される銘酒ボウモア。
その製造工程は数々の伝統的なこだわりや職人技に支えられています。
小さな蒸溜所から生み出され、世界中で人気を博しているボウモアの製法についてご紹介いたします。
ウイスキーの原料となる麦芽を作成する過程において、ボウモアでは、昔ながらの伝統的なフロアモルティングを頑なに守り続けています。スコットランド数ある蒸溜所のなかでも今でもこの製法を採用しているのはわずか6蒸溜所。発芽室のなかにたっぷりの水を吸った大麦が広げられ、時折モルトマンと呼ばれる職人が木製のスコップでひっくり返しながらボウモア専門の麦芽がつくられます。
フロアモルティングで作られた麦芽は、ウイスキーづくりに程よい段階で成長を止めるために、キルンと呼ばれる乾燥塔で熱風乾燥させます。このときに、熱源として、量やタイミングに格段の注意をはらいながらピート(泥炭)を炊くことで、スモーキーな薫香がつきボウモアのバランスのとれたスモーキーなフレーバーが生み出されるのです。
乾燥を終えた麦芽は粉砕され、お湯に浸し、でんぷん質を糖分にかえる糖化という工程に移ります。この時使われる仕込水として、ボウモアではアイラ島のピート層を通って湧くラガン川の水を使います。ラガン川の水は.ピート色の濃い良質の軟水で、この水を使うことで、程よいピート香がついたボウモア特有の麦汁が出来上がります。
出来上がった麦汁は伝統的な木桶の発酵槽へ。ここで酵母が加えられ、数十時間の発酵ののち、もろみ(ウオッシュ)が出来上がります。
出来上がったウオッシュはストレートヘッド型と呼ばれる形状のポットスティル(銅製の蒸溜釜)で蒸溜されます。ボウモア蒸溜所の蒸溜釜は初留・再留合わせて4基。小さな蒸溜釜でまるで手作業のように丁寧に蒸溜が行われます。
蒸溜で出来上がったニューメイクスピリッツは、樽に詰められ海辺の貯蔵庫で10年・20年・30年と静かな眠りにつきます。特に『第1貯蔵庫』は海抜ゼロメートルに位置し、風が強い日にはまともに波しぶきを受け、原酒は潮の香りに満ちた貯蔵庫の中で長い歳月をすごします。ボウモア特有の海の香・潮の香はこのような熟成環境のなかで長い年月をかけて醸成されていくのです・・・