はじめに公演・チケット情報プロフィールトピックス他都市公演

トピックス

  • shop オリジナル・グッズ
  • 開催ご案内 人間ペートーヴェン展
  • エッセー ブッフビンダーの魅力

ウィーン・フィル オリジナル・グッズ限定販売

「ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン2013」の開催を記念した期間限定のオリジナル・グッズを、ホワイエのショップにて販売しています。(ショップは公演開催中のみ営業)

Tシャツ

S/Lサイズ 各2,800円

トートバッグ

各2,500円

クリアホルダー

A4サイズ・3枚セット 1,000円

マグカップ・キーホルダー・ブックマーク・名刺ケース

マグカップ 各1,200円
キーホルダー 各1,800円
ブックマーク 1,000円
レザー名刺入れ/カードケース 各3,800円

ポーチ・ペンケース

ポーチ L 各1,300円 M 各1,000円
ペンケース 各1,000円

ネクタイ・メガネケース・メガネ拭き

ネクタイ(シルク100%) 各5,000円
メガネケース 各2,800円
メガネ拭き 各500円

ウィーン楽友協会アルヒーフ所蔵 「人間、ベートーヴェン展」

2013年11月8日

ベートーヴェンにゆかりのある人物の肖像画

ベートーヴェンの補聴器(右)、ベートーヴェン所有の薬用スプーン(中)、ウィーンの風景画(左)

2013年7月

ベートーヴェンの立像(ウィーン楽友協会アルヒーフ所蔵)

ベートーヴェンの立像
(ウィーン楽友協会アルヒーフ所蔵)

今年のウィーン・フィル公演は、オール・ベートーヴェン・プログラム。これを記念して、「ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン2013」開催期間中(11月8日~17日)、サントリーホール 大ホールの2階ロビーにて、ウィーン楽友協会アルヒーフ所蔵のベートーヴェンにまつわる貴重な品々を展示します。会期中の大ホール公演にご来場のお客様は、自由にご覧いただけます。また、公演チケットがなくてもご入場いただける無料公開日を、2日設けました。 
ウィーン楽友協会は、1912年の創立当初から音楽史に関する資料の体系的収集を行っており、通称アルヒーフと呼ばれる文書管理室は、音楽研究の重要拠点として知られています。




開催日時
2013年11月8日(金)~17日(日)
※「ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン2013」開催期間中
※ウィーン・フィルハーモニー本公演開催日は開演1時間前よりご覧いただけます。(11月8日・10日・12日・13日・15日・17日)

※無料公開日時
 11月9日(土)17時~21時、11月14日(木)13時~18時

 (公演チケットがなくてもご覧いただけます。)
会場
サントリーホール 大ホール 2階正面ロビー
展示品
ベートーヴェンの自筆譜、補聴器、立像、他
主催
サントリーホール
輸送協力
オーストリア航空/ルフトハンザ カーゴAG

ウィーン楽友協会アルヒーフ

1912年に創立されたウィーン楽友協会は、当初から、その目的のひとつに音楽史に関する資料の体系的収集をあげており、通称アルヒーフと呼ばれる文書管理室(「アルヒーフ・図書館・コレクション」)は、今日にいたるまで音楽研究の重要拠点として着実に発展を遂げている。
アルヒーフでは設立以来常に包括的なコレクションが行われ、手書き楽譜、草稿、印刷楽譜、文献、雑誌、手紙、あらゆる種類の文書や記録、ポートレート、彫像、楽器など、音楽発展史と音楽に関する全てが保管されている。その中には、ベートーヴェンがナポレオンへの献辞を自ら消した「エロイカ」の総譜やモーツァルトのニ短調ピアノ協奏曲KV466、ト短調シンフォニーKV550、ハイドンの「日の出カルテット」、シューベルトの第5を除く全ての交響曲など、音楽史上重要な自筆譜をはじめ、ヨハネス・ブラームスは自ら、楽譜、蔵書など全所蔵品を協会アルヒーフに遺贈、ゴットフリート・フォン・アイネムもこれを踏襲している。その後、ブルックナー、マーラー、シューマ ン、メンデルスゾーン=バルトルディ、ヨハン・シュトラウス、ヨーゼフ・ランナー、フランツ・フォン・スッペ、フーゴー・ヴォルフ、リヒャルト・シュトラ ウス、マックス・レーガー、フランツ・シュミット、アントン・フォン・ウェーベルン、アルバン・ベルクなど多くの作曲家の貴重な資料の数々がアルヒーフに納められている。 ムジークフェラインでは、これら計り知れない貴重な資料の数々を、最高度の安全装置を備えた保管庫で厳重に管理している。 ムジークフェラインで催されるテーマ別展覧会で、こうした貴重品の一部が公開されるほか、音楽をテーマに世界各国で開催される展覧会にもアルヒーフの貴重 な所蔵品が登場する。当然のことながら、ムジークフェラインのアルヒーフは、音楽分野における世界で最も人気の高い「出品者」なのである。

ルドルフ・ブッフビンダー ―煌めきに満ちたベートーヴェン

麻倉怜士(津田塾大学講師/音楽理論、デジタルメディア評論家)

©Marco Borggreve
 

撮影:三浦興一
写真提供:すみだトリフォニーホール

豊潤な音色と深い音楽性が持ち味、ウィーンの名ピアニスト

 ルドルフ・ブッフビンダーは突然、私のアイドル・ピアニストになった。それまでは、ウィーン系の名ピアニストという程度の馴染みだったが、ふたつの体験が私の認識をがらっと変えたのである。そのひとつが、昨年6月、すみだトリフォニーホールでのブッフビンダーの独奏会。曲目はベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、ピアノ・ソナタ第23番「熱情」、シューマン/交響的練習曲 作品13だった。(ルドルフ・ブッフビンダー・プロジェクト in トリフォニーホール2012 第1夜 リサイタル/2012年6月16日/主催:すみだトリフォニーホール)

 CDを数枚聴いていた程度で、あまり予備知識がなかった私は、唖然としたのである。何というヴィルトゥオーゾ、何という華麗で豊潤な音色、何という深い音楽性。眼前でハイテクニックが全身を挙げて音楽に奉仕していたのを目撃してしまった。
 不思議なことにウィーン系ピアニストの定番のベーゼンドルファーではなく、スタインウェイだった。あえて……というのだから、このピアノでなければならない要素が、ブッフビンダーにはあるはずだと思って聴いていた。
 ブッフビンダー がスタインウェイに求めたもの、それは圧倒的なダイナミックレンジ(弱音と強音の幅)と、凝縮と突きぬけ感のコントラスト、そしてロマン派表現に適する感情表現の幅の広さだと聴いて識った。まさにスタインウェイの高性能を最大限に発揮させた名演奏だった。どんな強音でも芳醇な香りがある。どんな弱音にも剛性感と輪郭感がある。

 アンコールはシューベルトの即興曲 変ロ長調とウィンナワルツの編曲もの。即興曲ではかそけきシューベルトの青春の哀切の表情が、ウィンナワルツではダイアトニック(全音階)とクロマチック(半音階)のクロスによる、粒立ちが煌めくハイスピード・パッセージが堪能できた。美技と音楽性が堪能できたアンコールであった。

撮影:三浦興一
写真提供:すみだトリフォニーホール

撮影:三浦興一
写真提供:すみだトリフォニーホール

“弾き振り”が生み出す生命力あふれる音楽

 その後、ブッフビンダー=スタインウェイをビジュアルで確認したのが、ウィーン・フィルを弾き振りしたベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲、オーストリア国営放送が制作したブルーレイディスクであった。2011年5月の撮影だが、これまた素晴らしいを通り越して、唖然とした。
 ウィーンのオーケストラとウィーン系ピアニストとの共演というと、典雅でまろやかな音調というのが通り相場だが、ブルーレイで体験するブッフビンダー/ウィーン・フィル ベートーヴェンのピアノ協奏曲は、そんなステレオタイプを超え、私が、トリフォニーホールで聴いたと同じようにブリリアントで、燦めきに満ち、そしてベートーヴェンらしい強固な構築感、剛性感と緊張感に溢れていた。
 ビジュアルは実に、面白い。指揮は基本的に左手。ピアノ演奏時は当然、両手は鍵盤に取られるわけだが、顔の動きやアイコンタクト、口の動きで指示する。ピアノに専念する時も多い。でも長年の朋友関係にあるウィーン・フィルは自発的、自立的演奏能力にて、ジャストタイミングでぴったりとピアノに寄り添う。その響きは滋味深く、しなやかで、潤いに満つる。

 ピアノ協奏曲のそれぞれの特徴が旨く弾き分けられているが、私が特に好むのは、まず第3番 ハ短調。第1楽章Allegro con brioの冒頭。弦のトニック音の絹のようなかそけさ、木管のドミナント旋律の典雅さ。ウィーン・フィルならではの馥郁たる香しさが堪能できる場面だ。第1番ではオーケストラは古典的な響きで端正さを聴かせていたが、3番はロマン的な色彩が濃い。
 この前奏部分はかなり長く続くので、「指揮者」としてのブッフビンダーのスタイルがよくわかる。左手だけでなく時には、体をオーケストラに向けて両手で指示。音楽を呼び寄せるような、抱擁するようなしぐさだ。ピアノの開始部の音階旋律の剛毅さは、紛れもなくベートーヴェンのハ短調の意志力そのものだ。細部まで研ぎすまされたピアノとしなやかな潤いのオーケストラとの対比と融合の妙。第2楽章は幽玄な趣き。第3楽章の剛健な疾走感、フィナーレの加速感も実に爽快だ。
 第5番「皇帝」第3楽章も私好みだ。第2の緩徐楽章でのウィーン的な夢見るようなロマンティックなロ長調の響きから、静かな期待を抱かせる第3楽章テーマの経過的な断片奏を経て、遂にテーマが主調の変ホ長調でフォルティシモとスフォルツァンドの強いアクセントを交えて一躍堂々と登場したときの解放感、爆発感、そしてトゥッティでのオーケストラの躍動感。指揮者との共演スタイルではなく、自分がピアノとオーケストラの両者を統一的にコントロールできる弾き振りだからこその音楽構築力と、そこから生まれるヴィヴットな生命力。もちろんピアノはスタインウェイ。きらきらとした音の粒子がホール空間を、勢いよく弾け飛ぶ様が、ハイビジョンの高画質で見えるようであった。
 本題と少し外れるけど、このブルーレイの画質も素晴らしいのだ。光のエネルギーが横溢した映像信号を、黒のスタインウェイに映ったムジークフェライン・ザールの天上のシャンデリアの豪奢な写り込みの反射感の、グロッシーさ。シルバー色の弦ピンの光沢感も尖鋭だ。

 トリフォニーホールとブルーレイで、すっかりブッフビンダー の虜になっていた時に、サントリーホールから今年のウィーンフィル・ウィークが、なんとブッフビンダーの弾き振りで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲というお知らせが来た。これは絶対に見なければ、聴かなければ。私は、すぐに買った。
 ブルーレイのスクリーンで観たスリリングな弾き振りが、実際に眼前に観られるとは、11月のサントリーホールがすごく楽しみ。ベートーヴェンのピアノ協奏曲演奏史の重要な1ページを開くに違いない期待感でいっぱいだ。

©Marco Borggreve

撮影:三浦興一
写真提供:すみだトリフォニーホール

サントリーホールディングス株式会社は公益財団法人サントリー芸術財団のすべての活動を応援しています。