THE OOLONG-CHA WORLD HISTORY | ウーロン茶の世界史 〜ウーロン茶は紅茶の母である〜

紅茶って、元々はウーロン茶だったということをご存じでしょうか?その壮大なウーロン茶の世界史を、ここでは順番にお話しします。またクイズにお答え頂き全問正解された方には、全問正解認定書が与えられます。ぜひチャレンジしてください。

皇帝に献上されたウーロン茶①

元の時代、ウーロン茶の故郷「武夷山」に官営のお茶園

中国南部にある福建省武夷山は、ウーロン茶が誕生した地です。武夷山は、宋(960-1279年)の時代から銘茶の産地として有名でした。この地は、昼夜の気温差があり霧もよくかかる天候条件や、ミネラルを豊富に含む岩場という土壌、そして長い年月で培われた高度な製茶技術があります。こうしたいわば「天」「地」「人」が三位一体となった条件は、武夷山でなければ揃わないものなのです。時の皇帝にお茶を献上するという習慣は、唐(618-907年)代から始まったとされていますが、武夷山のお茶に白羽の矢が立ったのは、元(1260-1368年)の時代です。当時の高官が、「石乳」というお茶を皇帝世祖フビライに献上したのをきっかけに、以後、毎年「石乳」が皇帝に献上されるようになりました。14世紀初めには、武夷山に官営の茶園が造成され、皇帝への献上茶を専門に作るようになります。

明の時代に入って生まれた半発酵のウーロン茶

明(1368-1683年)の時代は、皇帝がよりおいしいお茶を求めたことにより、お茶の製造方法に関する様々な革新が起こりました。「餅茶」と呼ばれる茶葉を蒸して固めたものから、現在のように茶葉のまま飲む「散茶」に変わったこともそのひとつです。しかし、もっとも大きな革新はお茶のもつ「香り」を引き出すことにありました。それまでの「緑茶」には、生葉の香りがつきものでしたが、従来蒸していたお茶を釜炒りすることで、“香ばしさ”を出すことに成功。さらに、茶葉を発酵させることで、緑茶の生葉の香りとは異なる花のような香りを引き立たせることができたのです。そして、16世紀に入ってついに、独特の香りを醸し出す半発酵のウーロン茶が誕生するのです。

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