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炭酸水の「力」で涼しく快適 飲む「クールビズ」の効果とは?

健康意識が高まる中、食生活の偏りや運動不足などを改善したい人々が増えています。そうした要望に対し、サントリーでは商品・サービスの提供を通じて新たな価値の創造へ挑戦を続けています。特に、商品の原料について探索・研究を重ね、ワインのポリフェノール、ゴマに含まれるセサミンやウーロン茶の重合ポリフェノールなど、さまざまなポリフェノールについて研究成果と知見を蓄積してきました。その中で、タマネギやブロッコリー、リンゴ、緑茶などに含まれるケルセチンの働きに着目し、研究を進めています。

成人男性の3割、 成人女性の2割が肥満

平成24年度「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、成人男性の29.1%、成人女性の19.4%がBody Mass Index(BMI)※が25kg/m²(以下単位省略)以上の肥満者であると報告されています。肥満の中でも、特に内臓脂肪型肥満の人は、高血糖、高血圧、脂質異常が複数重なると動脈硬化や心臓病、脳卒中といった命にかかわる病気の発症リスクが急激に高まることから、肥満の予防や改善への取り組みが、近年ますます重要視されてきています。
そこで私たちは、肥満を解消することで健康の維持・増進に役立つ特定保健用食品(トクホ)の研究・開発に取り組んでいます。

※BMI:体重と身長の関係から算出される、肥満度を表す体格指数。
一般的には、18.5未満で「やせ」、18.5以上25未満で「標準」、
25以上30未満で「肥満」、30以上で「高度肥満」と判定される。

ケルセチンのさまざまな生理作用に注目

ケルセチンは、タマネギやブロッコリーなど、身近な野菜に豊富に含まれているポリフェノールの一種です。ケルセチンには、抗酸化作用、抗炎症作用、降圧作用など、さまざまな生理作用があることが報告されていました。一方で、抗肥満に関する研究は、脂肪分解促進作用やコレステロール低下作用などがあるものの、体脂肪への効果を検討した報告はありませんでした。
また、ケルセチンは溶解性に乏しく、摂取しても体に吸収されにくい性質を持っています。ところが、糖と組み合わさったケルセチン配糖体という形にすると水溶性が高まり、小腸でケルセチンへ加水分解され体内への吸収が高まることがわかってきました。
そこで、私たちはこのケルセチン配糖体を用いて、体脂肪低減効果の検討を進めることにしました。

Body Mass Index(BMI)が25kg平方メートル以上の割合
【ケルセチンの多彩な生理作用】

ケルセチン配糖体による体脂肪低減効果を確認

私たちは、ケルセチン配糖体を配合した清涼飲料水を実際に人が摂取した際の体脂肪低減効果の試験を行いました。

検査風景イメージ(CTスキャナシステム)
検査風景イメージ(CTスキャナシステム)
臍部断面画像(イメージ)
臍部断面画像(イメージ)

試験は、BMIが24から31に属する20歳以上から65歳以下の200名を、ケルセチン配糖体を配合した飲料を摂取する群とケルセチン配糖体を配合していない飲料を摂取する群の2つに分けて行いました。それぞれの飲料を1日1回、12週間継続摂取し、CTスキャンを用いて腹部の脂肪面積を測定しました。ただし、ケルセチン配糖体を配合した飲料と配合していない飲料は、外観や味に違いはなく、試験に参加している方々は、どちらの飲料を飲んでいるのかわからないように実施しました。その結果、ケルセチン配糖体を配合した飲料を摂取した群では、摂取前に比べ腹部脂肪面積が有意に減少し、ケルセチン配糖体の体脂肪低減効果を確認することができたのです。

全脂肪面積の推移
【内臓脂肪面積、皮下脂肪面積の推移】
ケルセチン配糖体の体脂肪低減メカニズム

成人男性の3割、 成人女性の2割が肥満

ケルセチン配糖体による体脂肪低減効果が確認できたことから、私たちは、体脂肪が気になる方の健康の維持・増進に役立てていただくトクホ飲料を開発することにしました。そこで、体脂肪低減効果を示す試験に加え、各種安全性試験の結果も揃えて、消費者庁にトクホ申請を行い、許可を取得したのです。
これからもポリフェノールをはじめとした食品成分の健康効能を研究することで、お客様の健康の維持・増進に貢献していきたいと考えています。

Body Mass Index(BMI)が25kg平方メートル以上の割合
関連リンク
ニュースリリース「ケルセチン配糖体による体脂肪低減作用の用量反応性を確認」(2014.05.30)
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