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一般社団法人 琉球フィルハーモニック東日本大震災から5年「響け!復興へのハーモニー ~つながる未来~」
岩手・宮城・福島・沖縄の子どもたちによる合同オーケストラコンサート

  • 実施日時
    2016年3月20日(日)14:00開演
  • 実施場所
    パレット市民劇場(沖縄県那覇市)
  • プログラム

    モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス

    ビゼー:カルメン 第1組曲より(前奏曲/アラゴネイズ/間奏曲/トレアドール)

    ネッケ:クシコス・ポスト

    エルガー:威風堂々 第1番より抜粋(編曲:上原正弘)

    モーツァルト:ディヴェルティメント K.136より第1楽章

    ハーライン:映画『ピノキオ』より「星に願いを」

    東北3県メドレー(相馬盆唄/青葉城恋唄/ひよっこり ひょうたん島)(編曲:猪又悠佑)

    作詞&作曲:BEGIN:島人ぬ宝(編曲:上原正弘)

    作詞:岩井俊二 作曲:菅野よう子:花は咲く(編曲:上原正弘)

    アンコール

    作詞:岡野貞一 作曲:高野辰之:ふるさと(編曲:山辺豊&上原正弘)

  • 出演者

    エル・システマジャパン 大槌子どもオーケストラ(岩手県)
    仙台ジュニアオーケストラ(宮城県)
    エル・システマジャパン 相馬子どもオーケストラ(福島県)
    那覇ジュニアオーケストラ(約50名)
    那覇ジュニアオーケストラ講師&賛助
    合唱:昭和薬科大学附属高等学校吹奏楽部・合唱部(20名)
    指揮:後藤正樹(那覇ジュニアオーケストラ指揮者/琉球フィル指揮者)

主催者からのレポートをお届けします。
本公演は那覇市を拠点に活動している那覇ジュニアオーケストラ(約50名)と「エル・システマジャパン大槌子どもオーケストラ」(岩手県大槌町)から4名(団員3名+講師1名)、「仙台ジュニアオーケストラ」(宮城県仙台市)から4名(団員3名+引率1名)、「エル・システマジャパン相馬子どもオーケストラ」(福島県相馬市)から5名(団員4名+講師1名)の13名を沖縄に招き、岩手、宮城、福島、沖縄の未来を担う子供たちが集い、音楽をとおして交流を深め、被災地と沖縄の「ユイマール(絆)」の架け橋となることを目的として公演を開催しました。
東北3県の子供たちは公演前日の夕方に到着し、空港からリハーサル会場に直行しました。

最初は表情の硬かった子供たちでしたが、リハーサルの合間の夕食時にはみんな一緒になっておしゃべりに花を咲かせながらお弁当を頬張っていました。夕食後のリハーサルでは徐々に音にもまとまりができてきました。


本番当日は2時間のリハーサルを終え、いよいよ公演開始です。
ロビーでは在沖縄の岩手・宮城・福島の県人会の皆さんが、震災関係のパネルを展示してくれました。


公演の最初に、那覇ジュニアオーケストラ団長(上原 正弘)の挨拶に続いてサントリー芸術財団の佐々木 亮氏にご登壇頂き「第4回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」の授賞式を行いました。


演奏の最初に、震災で亡くなられた方々へモーツァルト作曲の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を合唱とともに献奏しました。

その後はピアニストで那覇ジュニアオーケストラ事務局長 上原 玲子の司会進行で東北3県から来沖した子供たちの紹介のあとプログラムを進めました。
音楽の変化に富んだ「カルメン組曲」。迫力の「クシコス・ポスト」と「威風堂々第1番」の演奏で前半が終了。コンサートが進むにつれオーケストラに一体感が生まれてきました。
後半は弦楽器だけで演奏した躍動感のある「ディヴェルティメント」。ディズニーの名曲「星に願いを」をしっとりと演奏しました。
ここで、東北の子供たちと講師の先生へインタビューを行いました。震災当時の話や、現在の状況、オーケストラの活動などを話して頂きました。

続いて、今回のためにアレンジされた「東北3県メドレー」の演奏。メドレーの一曲目は和太鼓とフルートのメロディーが印象的な福島県相馬市の「相馬盆歌」、二曲目は さとう宗幸のヒット曲「青葉城恋唄」、三曲目は大槌町にある島がモデルと言われている「ひよっこり ひょうたん島」を息の合った演奏で聴かせてくれました。

演奏の後、那覇ジュニアオーケストラの子どもたちと保護者で手作りした「エイサー太鼓」のお守りを各団体に全員分(約200個)をプレゼントしました。

続いて沖縄の曲から「島人の宝」を那覇ジュニアオーケストラの団員数名が楽器を三線に持ち替えオーケストラ、合唱と共に演奏しました。

コンサート最後の曲「花は咲く」を演奏。会場の皆さんも一緒に歌ってくれました。
指揮者の後藤さんのお話しの後に、アンコールとして被災地の一日も早い復興を願い「ふるさと」を演奏。会場から大きな拍手を受けながらコンサートを終えました。

公演の翌日東北の子供たちは、沖縄県民はじめ全国民の平和願望、戦没者追悼の象徴として建設された「平和祈念堂」や、国籍や軍人、民間人の区別なく、沖縄戦などで亡くなられたすべての人々の氏名を刻んだ「平和の礎」。平和記念公園内にある各県の慰霊塔・碑を訪れました。

その後は、ジョン万次郎が上陸した「大度(おおど)海岸」へ。南国の色とりどりの魚や海の生き物に感動しているようでした。


この日のお昼過ぎの便で、東北の子供たちは帰路につきました。すでに子供たち同士でラインやメールで連絡を取り合っているようで、空港へは那覇ジュニアオーケストラの子供達も見送りに来ていました。
今回の公演をきっかけに、子供たちが友情を育み、未来に向かって交流が続いていくことを願います。