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No.11043   (2011.3.28)

第42回(2010年度)サントリー音楽賞は
渡邊順生氏に決定

第42回(2010年度)サントリー音楽賞は渡邊順生氏に決定

公益財団法人サントリー芸術財団(代表理事・堤剛、鳥井信吾)は、わが国の洋楽の発展にもっとも顕著な業績をあげた個人または団体に贈る「サントリー音楽賞」の第42回(2010年度)受賞者を渡邊順生(わたなべ よしお)氏に決定しました。

(ご参考)   サントリー音楽賞についてはこちら

●選考経過

1. 2011年1月10日(月・祝)東京・丸の内の東京會舘において、選考委員8名により第一次選考を行い、候補者を選定した。
2. 引き続き3月7日(月)東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京において最終選考会を開催、選考委員8名により慎重な審議の結果、第42回(2010年度)サントリー音楽賞受賞者に渡邊順生氏が選定され、3月14日(月)理事会において正式に決定された。

●賞金は700万円。
●贈賞理由は別紙のとおり。
●選考委員は下記の8氏。
         礒山   雅・伊東信宏・岡田暁生・岡部真一郎・白石美雪
         楢崎洋子・沼野雄司・三宅幸夫
                                                               (敬称略・50音順)

<贈賞理由>

チェンバロ奏者として、フォルテピアノ奏者として、また古楽指揮者としての渡邊順生氏の2010年における活動は、深い思索性と繊細な感受性の結合というかねてからの美質に円熟した説得力を加えたもので、日本の音楽界における質の部分を代表する高みに達していたと思われる。
渡邊氏は2009年11月にバッハ《ゴルトベルク変奏曲》のすばらしいCDを詳細な解説付きで発表したが、2010年にはその成果が、近江楽堂(3月)、国立音楽大学(11月)などのコンサートで披露された。長年にわたる研究の蓄積が洞察力豊かな解釈を生み出し、バッハそのものをして語らせる趣を呈していたのは脱帽の他なく、世界に誇りうる名演奏と評価できる。
渡邊氏が継続的に行なっているテノール歌手ジョン・エルウィスとのプロジェクトは2010年にも行われ、シューマン・イヤーに華を添えた。なかでも横浜みなとみらいホール(6月)、いずみホール(10月)における《詩人の恋》全20曲オリジナル版の演奏は、フォルテピアノを弾く渡邊氏の貢献により、新しい知見に満ちたものとなっていた。
渡邊氏はそのエルウィスを福音書記者に起用してバッハ《ヨハネ受難曲》を(5月、神奈川県立音楽堂と一橋大学兼松講堂)、また彼のもっとも傾倒するモンテヴェルディの歌劇《ポッペアの戴冠》(12月、須坂メセナホール小ホール)を、リュート・チェンバロを弾きつつ指揮した。それらは、渡邊氏の深い作品理解と彼のもとに参集した若い演奏家たちの熱演を得て、日本の古楽界におけるバッハとモンテヴェルディ演奏の今後の発展に、確かな足がかりを築くものであった。以上の成果は、サントリー音楽賞の贈賞にふさわしいものである。

<略歴>

渡邊順生(わたなべ・よしお)   チェンバロ

1950年4月29日、神奈川県・鎌倉生まれ。ピアノを宅孝二、チェンバロを小林道夫らに師事。1973年、一橋大学社会学部卒業と同時にオランダへ留学、アムステルダム音楽院にてチェンバロをグスタフ・レオンハルトに師事。1977年最高栄誉賞付ソリスト・ディプロマを得て同音楽院を卒業、さらにプリ・デクセランスを受賞した。その後ヨーロッパ各地にて演奏活動を行ない、1980年に帰国。以来、古楽器演奏の啓蒙と普及に努め、精力的な演奏活動を展開し、チェンバロ、フォルテピアノ、クラヴィコード奏者及び指揮者として活躍している。1984年古楽器のオーケストラ「ザ・バロックバンド」を結成し、モンテヴェルディ、バッハ、ヘンデル、モーツァルト、ベートーヴェンなどの作品を演奏した。
フランス・ブリュッヘン、アンナー・ビルスマ、ジョン・エルウィスをはじめヨーロッパの名手・名歌手たちと多数共演、CDも多数リリースしており、「モーツァルト:フォルテピアノ・デュオ」(ALMレコード)で2006年度レコード・アカデミー賞(器楽曲部門)を受賞した。また、楽譜の校訂や論文の執筆なども手がけ、2000年秋、東京書籍より大部の著書「チェンバロ・フォルテピアノ」(四六判868頁)を刊行(2009年2月に第3刷刊行)、鍵盤楽器の歴史に関する包括的な研究で注目されると共に、同書に準拠したコンサート・シリーズやCDでも大きな反響を呼んだ。
最近では、横浜における「山手プロムナード・コンサート」で様々な形態の音楽会を企画するなど、啓蒙的な活動にも積極的に取り組んでいる。
国立音楽大学、桐朋学園大学、東京音楽大学及び上野学園大学講師。



以上

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