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No.10059 (2008.3.19)
サントリー文化財団
2007年度 海外出版助成の決定
財団法人サントリー文化財団(理事長 佐治信忠)は、2007年度の海外出版助成として、下記の6件を助成対象に決定しました。助成総額は410万円です。
当助成事業は、海外における日本理解の促進を目的に、日本に関する質の高い図書や文献の外国語への翻訳・出版、および日本に関する外国語の図書等の出版に対して助成を行うものです。
対象は、原則として社会科学・人文科学などの分野において、日本に関する主題を扱ったもの、あるいは日本人による優れた著作で、商業的には翻訳・出版が困難な学術研究、評論、文学などです。
今回を含め、これまでにイタリア語、インドネシア語、ウルドゥー語、英語、韓国語、スウェーデン語、スペイン語、チェコ語、中国語、ドイツ語、ネパール語、ハンガリー語、ヒンディー語、フランス語、ベトナム語、ペルシャ語、モンゴル語、ポーランド語、ルーマニア語、ロシア語の20ヶ国語による220件の出版活動を助成対象として決定し、日本文化と日本に関する学問的業績を幅広く紹介しています。
◎本年度の助成内容および助成対象図書の概要
1.福沢 諭吉著『福沢諭吉全集緒言』のフランス語での出版
2008年は日仏交流150周年にあたる。本書は、福沢が1897年に全集を出版する際、これまでの自著を読み返して、その背景にあった歴史や社会環境について解説したもの。注目すべきは、この中に開国と自由貿易を奨励した『唐人往来』が掲載されている点で、福沢の開国を説いた文章が、日仏交流記念事業の一環として紹介されることは意義深い。CNRS éditions(フランス)より出版予定。
2.北 杜夫著『楡家の人々』のドイツ語での出版
大正・昭和の日本の市民階級の生活を描いた著作の翻訳出版。アニメや漫画、あるいは武士やサムライといった日本文化に世界的な関心が集まる中、戦前の日本人の家庭生活という、これまでほとんど発信されなかった日本の一面の紹介となる。翻訳は『吾輩は猫である』のドイツ語訳で1999年に野間文芸翻訳賞を受賞したオットー・プッツ氏が担当。be. bra verlag(ドイツ)より出版予定。
3.岡倉 天心著『茶の本』のモンゴル語での出版
1906年にニューヨークで英語出版された図書で、「死の術」である「武士道」に対し「茶道」を「生の術」と紹介して、東西の文明観を越えた日本茶道の真髄を綴った。モンゴルでは国立大学でも日本文化を紹介する書籍の数が少なく、本書は日本文化の理解のための基本文献となることが期待される。中国民族出版社(中国)より出版予定で、モンゴルはもちろんモンゴル語が使われる中国国内にも配布される。
4.加藤 雅信著『日本人の契約観―契約を守る心と破る心』の韓国語での出版
契約遵守意識について22カ国の国際比較調査を行い、まとめた著作。「契約遵守度が弱い日本人対強いアメリカ人」といったステレオタイプの図式を覆す画期的な研究として、日本の学界でも高く評価されている。韓国では法学関係の学術図書の出版が進んでおらず、今後の日韓法学の交流のためにも重要な一冊。法友社(韓国)より出版予定。
5.『丸谷才一小説集』の中国語での出版
中国ではこれまで夏目漱石などの近代の作家や村上春樹などの現代の作家の作品が多く翻訳されているが、その間の世代の作家はあまり知られていない。丸谷才一の中国語での翻訳出版は初めてとなる。芥川賞受賞作の「年の残り」のほか、「横しぐれ」「樹影譚」といった作品を収録する。上海亦廬文化発展有限公司(中国)より出版予定。
6.『小倉百人一首』の英語での出版
『小倉百人一首』はこれまでにも英語で翻訳出版されたことはあるが、従来の翻訳では見逃されていた意味まで読み取った、まったく新しい訳での出版となる。翻訳を担当するピーター・マクミラン氏(杏林大学教授)の文章は、英語の詩としても十分通用するとして、ドナルド・キーン氏からも厚い信頼が寄せられている。コロンビア大学出版(アメリカ)より出版予定。
◎また、これまでに助成を決定した中から、2007年度中に次の書籍が完成しました。
宮澤 喜一著『東京-ワシントンの密談』(英語訳、LexingtonBooks)
稲葉 千晴著『日露戦争研究の再検討 第2巻』(英語訳、Grobal Oriental社)
藤森 照信著『日本の近代建築』(中国語訳、五南図書出版社)
木村 幹著『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(韓国語訳、図書出版クロセウム)
William J. Tyler編
『Modanizumu:Modernist Fiction from Japan,1913-1938』(英語訳、ハワイ大学出版)
以上
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