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No.10046 (2008.3.5)
第7回(2007年度)佐治敬三賞は
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| 1. | 応募のあった2007年実施公演について2008年1月12日(土)東京・丸の内の東京會舘において、選考委員9名により第一次選考を行った。 |
| 2. | 引き続き3月1日(土)東京・丸の内の東京會舘において最終選考会を開催、慎重な審議の結果、第7回(2007年度)佐治敬三賞に「フランス現代音楽からの潮流〜井上麻子×藤井快哉DUO」が選定され、3月4日(火)理事会において正式に決定された。 |
●賞金は200万円。
●選考委員は下記の9氏。
礒山 雅・伊東信宏・岡田暁生・岡部真一郎・白石美雪
楢崎洋子・沼野雄司・舩山 隆・三宅幸夫
(敬称略・50音順)
<贈賞理由>
井上麻子(サクソフォーン)/藤井快哉(ピアノ)によるデュオは、その演奏レベルの高さ、プログラムの方向性の明確さもさることながら、「これからの現代音楽が演奏される場のありよう」ということを考える上で、非常に示唆に富んだ演奏会であった。プログラムは主としてフランスで活躍する作曲家が、今どのようなサクソフォーンの曲を、どのようなコンセプトで書いているかを、日本の聴衆に紹介するという趣旨。井上氏の演奏は、例えば冒頭のデザンクロ作品における、曲を一瞬たりとも退屈させずにまとめあげる骨太な構築力、あるいは二曲目の棚田作品における、五つくらいの違う楽器の合奏かと見紛うような色彩変化など、とにかく聴き手を飽きさせない。しかも技術だけが浮いて聴こえるのではなく、作品への共感が常にこもった手作りの暖かさがいい。藤井氏のピアノは、こうした現代曲で要求されるシャープな音の立ち上がり、難リズムを軽々処理する確実さ、あるいは微妙なペダル操作による音色変化の鮮やかさなど、非の打ち所がない。しかも、サクソフォーンの井上氏と同じく、切れ味をこれみよがしに見せつけるのではなく、常に(広い意味での)歌心がある。アンサンブルの丁寧な練り上げについてもいうことなし。
演奏に劣らず素晴らしかったのが、演奏者たちによる楽曲解説である。決して難渋な思弁に陥らず、こうした現代曲を理解する上でのポイントを、演奏者ならではの視点から、実例も交えつつ、極めて的確かつ平明に説明してくれた。こうした極めてハイレベルな演奏会が、気楽にふらっと立ち寄って楽しめるような雰囲気の中で実現されたことは特筆に価することであった。
以上の理由により、「フランス現代音楽からの潮流〜井上麻子×藤井快哉DUO」に第7回佐治敬三賞を贈賞する。
<公演概要>
| 名称: | 「フランス現代音楽からの潮流〜井上麻子×藤井快哉(ふじい よしき)DUO」 |
| 日時: | 2007年11月17日(土) |
| 会場: | 兵庫県立尼崎青少年創造劇場ピッコロシアター |
| 曲目: | A.デザンクロ:プレリュード、カデンツァとフィナーレ 棚田文紀:ミステリアスモーニングIII 野平一郎:アラベスクII、アラベスクIII B.マントヴァニ:霧雨の白熱 E.デニゾフ:ソナタ |
| 出演: | 井上麻子(A.Sax)、藤井快哉(Pf) |
| 主催: | 井上麻子 兵庫県立尼崎青少年創造劇場ピッコロシアター |
以上