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No.9753 (2007.3.30)
ウイスキーのメラニン生成抑制作用と
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| ▽発表演題 | 「ウイスキーのメラニン生成抑制作用とそのメカニズム」 | |
| ▽発表者 | (財)岐阜県国際バイオ研究所 | 大口健司・赤尾幸博・野澤義則 |
| (株)コーセー 研究所 | 水谷友紀 | |
| サントリー(株) | 諏訪芳秀・小池美奈子・輿水精一 | |
<研究の背景>
ウイスキーは、ホワイトオーク材でつくられた樽の中で長時間じっくりと熟成させることで、芳香とまろやかさをもち、深い琥珀色へと生まれかわります。この「樽熟成」の間に、樽から滲み出したオーク材成分は複雑な反応を重ね、フェノール性化合物をはじめとする多様な成分を生み出すことが知られています。
一方、肌におけるシミやソバカスの原因となるメラニン色素は、皮膚細胞内で「チロシナーゼ」と呼ばれる酵素を中心として作られます。これまでに、サントリー(株)と(財)岐阜県国際バイオ研究所は、ウイスキーがチロシナーゼの酵素活性を強く阻害する作用を持つことを発見しました。ウイスキーのチロシナーゼ活性阻害作用は、日本酒、焼酎、ワインなど他の酒類と比べて強く、樽熟成の期間が長いほど強くなることがわかりました(2004年日本薬学会第124年会にて学会発表、サントリー(株)リリースNo.8724参照)。
さらに、ウイスキー中の美白成分のひとつとして「リオニレシノール」と呼ばれる化合物(リグナンの一種)を見い出し、美白効果が実証されました(2005年日本薬学会第125年会にて学会発表、2005年4月サントリー(株)ご参考資料参照)。
<今回の研究の目的と成果>
今回は、(株)コーセーを新たな研究メンバーに加え、ウイスキーがもつメラニン生成抑制作用に関して、これまでに明らかにしてきたチロシナーゼ活性阻害作用に加え、新たな作用メカニズムを見い出すことを目的として、メラニン生成に関わる種々の細胞内分子の発現に対するウイスキーの影響を細胞レベルで調べました。
| 実験1 |
B16メラノ−マ細胞に「αMSH」と呼ばれるメラニン合成誘導ホルモンを添加するとメラニン生成が促されますが、ウイスキーを添加することによりこの作用が強く抑制されました(図1および図2参照)。


| 実験2 |
メラニン生成は、皮膚のメラノサイトという細胞で行われますが、その過程にはチロシナーゼ、Dct(ドーパクロムタウトメラーゼ)、Tyrp1(チロシナーゼ関連タンパク質1)の3つの酵素が作用します。その中でもチロシナーゼが律速酵素※1として重要です。
※1 律速酵素とは、複数の段階をもつ反応において、反応の進み具合を調節する酵素のこと。
これらのメラニン生成関連の3つの酵素は、細胞にαMSHを添加すると、細胞内メラニン量の蓄積にともない発現誘導がみられますが、ウイスキーを添加することで、チロシナーゼの発現誘導のみを選択的に抑制することを突き止めました(図3参照)。

| まとめ |
ウイスキーは、メラニン生合成過程の律速酵素であるチロシナーゼに対し、直接的に活性を阻害する作用と、酵素そのものの量を減少させる作用の両面から効率よくメラニン合成を抑制します。また、その作用はチロシナーゼに対して選択的であり、薬理学的な視点からみても意義深いことから、今後もさらに研究を続けていきます。(図4参照)。

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以上
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