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ニュースリリース

(2001. 5. 25)



第23回 サントリー地域文化賞受賞者 活動の概要



山形県山形市 『山形交響楽団』
山形県山形市 『山形交響楽団』
 ◎受賞理由
地域に根ざしたプロ・オーケストラとして、小・中・高等学校を対象に年間100回以上開催される「音楽教室」を中心に、質の高い活発な音楽活動を続ける。地域住民にクラシック音楽を理解し愛する心を育んできた功績を高く評価。

 ◎活動概要
アメリカ留学中、地方の小さな町にもプロ・オーケストラがあり、市民に良質の音楽を提供していることに感銘を受けた指揮者の村川千秋氏は、帰国後、故郷山形にオーケストラをつくろうと熱心に呼びかけた。1972年、東北地方初のプロ・オーケストラ「山形交響楽団」が誕生、運営母体として「山形交響楽協会」が設立された。
村川氏の志に共鳴した一流奏者が次々に参加したことから、設立当初より同楽団の実力はハイレベル。近年では定期演奏会だけでなく、東京公演、依頼演奏なども活発で、中でも村川氏が指揮するシベリウス・シリーズは評判が高く、遠方からもファンが訪れる。
最大の特色は、年間100回以上開催される「音楽教室」である。子どものときから本物の音楽に接することが、地域の音楽文化の発展にとって大切との考えから、同楽団では県内さらには東北地方全域の小・中・高等学校での巡回公演に力を入れている。これまでに「音楽教室」で生のクラシックに接した子どもたちは延べ240万人に達する。
同楽団は、経営的には常に厳しい状況にあるが、人々のあたたかい支援によって数度の危機を乗り越えてきた。地域の人々の音楽への愛情を育み続けてきた同楽団は、人々から愛され、今や地域の誇りともなっている。コミュニティ・オーケストラとして地域に根付き、村川氏の若き日の理想に近づきつつあると言える。

 ◎これまでの受賞歴
1978年 山形県芸術文化会議賞
齋藤茂吉文化賞
1979年 河北文化賞

 ◎代表および連絡先
代 表: 創立名誉指揮者 村川千秋(むらかわ ちあき)氏、67歳、指揮者
連絡先: 社団法人山形交響楽協会
専務理事・事務局長  寒河江志郎(さがえ しろう)氏

 ◎山形県内のこれまでのサントリー地域文化賞受賞者
1981年 美術団体「白甕社(はくおうしゃ)」 (代表:今井繁三郎氏)
1988年 黒川能(代表:阿部千昭氏)
1998年 山口吉彦氏・山口考子(なすこ)氏(個人)


山口県下関市 『下関少年少女合唱隊』
山口県下関市 『下関少年少女合唱隊』
 ◎受賞理由
長年にわたる合唱活動を通じ、地域の児童に歌の楽しさを伝え続けてきた。定期公演のほか、近隣の小学校、合唱団への訪問指導や地域イベントでの公演などを実施。地元の合唱活動の振興に大きく寄与している点を評価。

 ◎活動概要
1965年発足以来、年1回の定期公演のほか、中国・九州各県での公演を数多く実施。また、近隣の学校や合唱団を訪問し、合同練習を通じて地域の合唱レベルの向上に貢献するなど地域に根ざした活動を続け、現在までに在籍した隊員数は、1,000人を超える。
下関市と姉妹都市関係にある中国の青島市や韓国の釜山市での交歓演奏会、海外の少年少女合唱団(ルーマニア、ミュンヘン、ペンシルバニアなど)の下関公演の際の協力など、次代を担う子ども達の国際交流にも貢献している。
クラシック、ポピュラー、ミュージカルなど幅広いレパートリーを持つが、郷土に取材したオリジナル作品を多く持っていることも特徴である。1999年には、下関を代表する詩人、金子みすゞの詩を使った合唱ファンタジー「みすゞ このみち」を制作、翌年東京で行われた創立35周年記念公演で披露し、満場の喝采を浴びた。
2001年7月開催の「山口きらら博」出演のため組織された児童合唱団「きらら隊」において中心的役割を果たすなど、今後も山口県の音楽文化のリーダーとしての活動が期待される。

 ◎これまでの受賞歴
1973年 下関市教育委員会社会教育功労賞
1974年 山口県児童文化活動奨励賞
1983年 山口県教育功労賞
1991年 下関市教育功労賞
1995年 「芸術文化功労」山口県選奨

 ◎代表および連絡先
代 表: 指揮者 原田博之(はらだ ひろゆき)氏、68歳

 ◎山口県内のこれまでのサントリー地域文化賞受賞者
1987年 宇部市緑化運動推進委員会(会長:藤田忠夫氏)
1994年 下関市民ミュージカルの会(代表:伊藤寿真男氏)


熊本県清和村 『清和文楽人形芝居保存会』
熊本県清和村 『清和文楽人形芝居保存会』
 ◎受賞理由
保存会を結成することで、江戸期から伝承され、明治末期に一時中断されていた清和文楽を復活させた。県の重要無形文化財の指定も受け、1992年には専用の文楽館を建設。今や清和村あげて「文楽の里」作りに取り組みつつあることを評価。

 ◎活動概要
森に囲まれた山里、清和村(せいわ)には熊本県で唯一の文楽が脈々と受け継がれ、同地を訪れる観光客に新たな感動を与えている。
明治から大正にかけ近隣の文楽の灯がつぎつぎ消えていく中、清和村の文楽も存亡の危機を迎えていた。その危機を救ったのが保存会である。10数年途絶えていた文楽の復興は容易ではなかったが、幸いにも初代天狗屋久吉(てんぐやきゅうきち)の手になる3体を含め50体の頭と衣装が、無事に保存されていた。更に幸運なことに舞台経験者が健在で、昔取った杵柄でメンバーを指導し、ひとつひとつ外題を習得してきた。
今や月2回の定期公演に加えて団体の希望があればその都度上演し、年間の公演は250回を超す。メンバーの大半は農家だが郵便局員や主婦もいて、仕事や家事の合間に練習を重ね、公演に駆けつける。清和では主遣(おもづか)いも黒子(くろこ)であるが、これは裏方と一体となり舞台を支えている保存会の姿勢を示しているようだ。
2000年夏、初めての海外公演に挑戦した。熊本の旧制第五高等学校で教鞭をとった小泉八雲(こいずみやくも)、ラフカデイオ・ハーンゆかりのアイルランド。ハーンの代表作「むじな」を文楽化し、“庭の千草(ちぐさ)”を流しての公演は大喝采を浴びた。
伝統は「文楽の里」に見事に継承され、現代に生きている。

 ◎これまでの受賞歴
1992年 文化庁「地域文化功労者表彰」
1994年 地域伝統芸能大賞
1996年 くまもと県民文化賞

 ◎代表および連絡先
代 表: 会長 平田節男(ひらた せつお)氏、68歳、農業
連絡先: 清和文楽館 係長 渡辺 久氏
e-mail: seiwabunraku@coda.ne.jp

 ◎熊本県内のこれまでのサントリー地域文化賞受賞者
1984年 高野和人氏(個人)
1987年 熊本史談会(代表:原口長之氏)


鹿児島県蒲生町 『蒲生郷太鼓坊主(かもうごうてこぼうず)』
鹿児島県蒲生町 『蒲生郷太鼓坊主(かもうごうてこぼうず)』
 ◎受賞理由
伝統の和太鼓、篠笛(しのぶえ)に加えて、韓国やアジアの国々の楽器もとりいれ、演目・演奏技法・演出等の全てがオリジナル。地元での活動に加えて韓国との活発な交流、相互にホームステイを実現するなど、地方からいきなり海外と結びついたユニークな活動を評価。

 ◎活動概要
年に一度の秋祭り、樹齢1500年、根回り34メートル、高さ30メートルの大楠がそびえ立つ蒲生(かもう)八幡神社の境内に、どーんと太鼓が響きわたる。「大楠(おおぐす)どんと秋まつり」の幕開けだ。
1989年、大楠が日本一の認定を受けた年、祭りの盛り上げに「蒲生郷太鼓坊主(かもうごうてこぼうず)」が一役買って出て以来、秋祭りに太鼓は欠かせないものとなった。やがて地元小学校の太鼓クラブや韓国の伝統音楽・舞踊を継承する芸術高等学校の生徒も加わるようになり、祭りは国際色と活力を増しつつある。
「蒲生郷太鼓坊主」の演目は全て自ら創作したものだが、メンバーも薬局店主、郵便局員、消防士と多様だ。その誕生のきっかけは、1979年、町制50周年を機に、町が青年団有志に呼びかけ、文化活動として太鼓を奨励したことに遡る。7年後、より自由な活動をめざし、町から独立し「蒲生郷太鼓坊主」を名乗る。山を開き自前の稽古場を開設し、後進の養成にも努力している。
1988年、韓国を訪れて交渉を重ねた結果、中央大学校音楽大学国樂管弦楽団との合同演奏を実現、韓国伝統音楽の第一人者朴範薫氏に激賞され、戦後初の日韓民間文化交流と評価される。その後、韓国との交流を軸としアジア、太平洋への演奏・交流活動を行っている。

 ◎これまでの受賞歴
1997年 鹿児島県芸術文化奨励賞
1998年 国際交流基金「地域交流振興賞」
1999年 かぎん文化財団賞
南日本文化賞

 ◎代表および連絡先
代 表: 代表世話人 田中久嗣(たなか ひさし)氏、44歳、薬局店主

 ◎鹿児島県内のこれまでのサントリー地域文化賞受賞者
1985年 鹿児島オペラ協会(代表:小笠原克美氏)


沖縄県那覇市 『沖縄藝能史研究会』
沖縄県那覇市 『沖縄藝能史研究会』
 ◎受賞理由
沖縄の伝統芸能を、実技面だけでなく理論や歴史背景を含めて研究する学術的な研究会として発足。四半世紀にわたり着実に研究を重ね、顕著な成果をあげている。代表的な実演家と研究者、愛好家の三位一体で構成される本会が、流派をこえた沖縄あげての芸能研究会である点を評価。

 ◎活動概要
1975年、「沖縄藝能史研究会」は実技者・演出家は勿論、研究者・評論家・学生から更に広く一般の愛好家も含めて、沖縄芸能を考える人々が、資料を持ち寄り多角的に芸能研究に取り組もうと言う主旨を掲げて発足した。
その後26年間、毎月1回の月例研究会を300回近く積み重ね、会報に研究報告の要旨を掲載してきた。会報に加えて、書き下ろしの研究論文集「沖縄藝能史研究」も刊行している。さらに年1回、2日間をかけて研究発表大会を開催、踊りの型の変遷や三線の基調音のとり方などテーマを定めて、公演、シンポジウムを企画し、多くの人々に伝統芸能への関心と参加を呼びかけてきた。
沖縄芸能の先達である平敷屋朝敏などの顕彰事業などにも、積極的に取り組んでいる。また戦火で失った資料、台本の復活につとめ、幻の組曲と言われてきた「北山崩(ほくざんくじり)」など8番を、本会の研究によって上演までこぎつけた。
研究者だけでなく実演家をメンバーに加えることで、本会はこれまで存在しなかった沖縄芸能の全般にわたる理論、楽理、演技論、歴史の構築に貢献しつつある。
将来は沖縄にとどまらず、アジア諸国の芸能にも目を向けていく。

 ◎これまでの受賞歴
1994年 島袋光裕芸術文化賞

 ◎代表および連絡先
代 表: 会長 當間一郎(とうま いちろう)氏、62歳、元沖縄県立博物館長

 ◎沖縄県内のこれまでのサントリー地域文化賞受賞者
1980年 沖縄民話の会(会長:遠藤庄治氏)
1989年 演劇集団「創造」(代表:内間安男氏)
1992年 琉球國祭り太鼓(代表:照屋辰弘氏)
1995年 沖縄県民踊研究会(会長:仲本興眞氏)
1997年 おもろ研究会(会長:平山良明氏)


以   上

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