グローバル ブリーディング&リソースセンターでのわたしたちの仕事は、大きくわけて2つあります。1つは、新しい品種を開発すること。もう1つは、その品種を増やすこと。新品種の開発には、交配に長い時間をかける熱意と根気、どんな花をつくるかというアイデアと創造性、そして組織培養や属間交配など最先端のバイオ技術も必要です。そして新しい花ができると、試験官の中で培養し、ウイルスや病気のない培養苗(SE)※1をつくります。それを温室の中で大きくして、屋外の環境にも慣れさせます。
この培養苗を日本だけでなくヨーロッパやアメリカに振り分け、各地で増やしてもらうのです。みなさんのお庭に届く苗や鉢花は、この培養苗からつくられた母株からとった枝をさし木にして増やしたものです。
わたし自身も、かつては品種の開発にたずさわっていました。30年前、最初に手がけたのがこの花。思い入れはひとしおです。サンパラソルのもととなるマンデビラ属は交配がむずかしいので、はじめてタネができたときは本当に嬉しかった。もちろん、きれいな花はサントリーのものに限らず、全部好きですよ。