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日本のウイスキーのふるさと― 山崎蒸留所 ―

山崎蒸溜所の特徴は「世界にも類を見ない多彩な原酒のつくり分け」にあります。「日本人の繊細な味覚にあったウイスキーを追求し、世界に通じるウイスキーをつくる」。そのテーマを長年追い求め続け、匠の技を継承しながら多彩なモルト原酒をつくり分けるために革新を加えてきました。シングルモルトウイスキー「山崎」を世界品質に高めた山崎蒸溜所の歩みはジャパニーズウイスキーの歴史そのものであり、まさにジャパニーズウイスキーの聖地といえます。四季折々の変化を身近に感じ、上質な水が豊富に湧く緑豊かで湿潤な山崎の地は、ウイスキーを育む条件の揃った理想郷です。

●日本初のモルトウイスキー蒸溜所

「日本の風土にあった、日本人に愛されるウイスキーをつくろう」。寿屋(のちのサントリー)の創業者である鳥井信治郎が、日本初のモルトウイスキー蒸溜所である山崎蒸溜所の建設に着手したのは1923年のこと。蒸溜所の建設地となった山崎の地は、ウイスキーづくりに適した良質な地下水が豊富に湧き、更に湿潤な気候はウイスキーの熟成に欠かせない条件を満たしていました。特に山崎の水質は当時のスコットランドの醸造学の権威であったムーア博士が絶賛するほど。ウイスキーづくりの理想郷であるこの山崎の土地で、大戦などの苦難を乗り越えて世に送り出した「トリス」「角瓶」「オールド」「ローヤル」などの数多の名酒は、時代を華やかに彩り、日本のウイスキー文化を牽引してきました。そして現在、シングルモルト“山崎”が広く世界で愛され、高い評価を受けています。山崎蒸溜所、ここはまさに「日本のウイスキーのふるさと」と呼ぶにふさわしい歴史をいまも刻んでいるのです。

左『創業者 鳥井信治郎』、中央『当時の山崎蒸留所』、右『現在の山崎蒸留所』

●山崎の風土・気候

京都の南西、天王山の麓の雅な竹林が生い茂る山崎は、豊かな自然に抱かれた地です。山崎の地は桂川、宇治川、木津川が合流する場所に位置しています。平野と盆地に挟まれた独特の地形で、湿度が高く霧が発生しやすいという自然条件を備えています。この湿潤な気候がウイスキーを熟成する条件に適しており、まさに山崎の地はウイスキーづくりの理想郷ともいえる最適な風土を形成しています。

●山崎の名水

水はウイスキーの命。山崎は万葉の歌にも詠まれた名水の里です。「離宮の水」と呼ばれる清らかな水が今もこんこんと湧き、日本の名水百選の1つに数えられています。茶道を究めたかの千利休もこの水でお茶を点てたといわれています。天王山の麓に位置し、古くから竹林に囲まれた山崎蒸溜所。竹は清らかな水を好みます。その竹林から湧き出る良質な天然水で仕込むからこそ、重厚に華麗に香る山崎のモルト原酒が生まれるのです。

左『山崎の独特な地形』、中央『山崎の名水』、右『山崎蒸留所を囲む竹林』

●多彩な個性のモルトウイスキーづくり

モルト原酒づくりは「仕込み」とよばれる糖化・ろ過工程から本格化します。麦芽を細かく砕き、温水とともに仕込槽へ。デンプンが糖分に変わり、これをゆっくりと時間をかけて濾過し、きれいに澄んだ麦汁をつくります。麦汁の味わいは仕込水に左右されます。だからこそ、サントリーは山崎の名水を選び、ウイスキーづくりを行っています。

麦汁を発酵槽に移し、酵母を加えます。ここで酵母がアルコールと炭酸ガス、香味成分を生み出します。これが「発酵」です。サントリーではさまざまなタイプのモルト原酒をつくるため、保有する数千種の酵母の中からイメージするウイスキーの香味にふさわしい酵母を厳選しています。発酵槽には、ステンレスタンクと木桶槽を使用。特に自然条件を活かした木桶槽は温度管理が難しい反面、保湿性にすぐれ、しかも蒸溜所内に棲みつく自然の乳酸菌などが働き、ウイスキーに豊かな味わいをもたらします。

発酵工程で生まれたもろみはポットスチルと呼ばれる蒸溜釜で2回蒸溜されます。山崎蒸溜所には形状やサイズの異なる蒸溜釜が並んでいます。蒸溜釜を使い分けることで、軽快なものから重厚な味わいのものまで様々な原酒を生み出します。更に直火蒸溜や間接蒸溜という加熱方法の違いによっても様々な個性を持つモルト原酒を生み出します。

こうして山崎蒸溜所では仕込みから蒸溜まで様々なつくり分けがおこなわれ、多彩な個性を持ったモルト原酒が生まれるのです。

蒸溜された原酒は樽に詰められ貯蔵庫で永い眠りにつき、熟成の時を待ちます。同じ原酒でも詰める樽の種類により、熟成後は味わいの異なるウイスキーに仕上がります。山崎蒸溜所ではオーク材、形状、サイズの異なる樽を使い分けていますが、その中に日本ならではの貯蔵樽、北海道産のミズナラ樽もあります。ミズナラ樽は長期貯蔵することで、日本の香木を思わせる独特な熟成香をモルト原酒にもたらし、その特長ある香味に海外から注目が集まっています。

左『豊かな香味や味わいを生み出す木桶発酵』、中央『多彩な原酒を生み出す蒸留釜』、右『ウイスキーの眠る貯蔵庫』

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匠の技がモルト原酒を上質なウイスキーに仕上げます。

●多彩な味わいを創造する匠の技

同一蒸溜所のモルトウイスキー原酒のみを組み合わせてつくる、“山崎”や“白州”などのシングルモルトウイスキー。モルトウイスキー原酒とトウモロコシなどの穀物を原料とするグレーンウイスキー原酒を組み合わせてつくる、“響”や“ローヤル”などのブレンデッドウイスキー。サントリーがバラエティーに富んだ味わいのウイスキーをお届けできるのは、多彩なモルトウイスキー原酒のつくり分けと同時に、高いブレンドの技を持つブレンダーの存在があるからにほかなりません。サントリーの幅広い製品のすべてが持つ高い品質の味わいは、ブレンダーの確かな技の証しなのです。

ブレンダーは、ウイスキーづくりに欠かせない味わいと香りのハーモニーを引き出す指揮者です。数ある原酒の中から1日約200〜400種類をテイスティング。製品それぞれの特徴やクオリティーを満たすものを選び、組み合わせ、ひとつのウイスキーに仕上げます。樽材として使用する樹の選定を自ら行い、数十年後の樽の未来をも予想できる感性。熟成させる年月や新しい樽に仕込むタイミングなどを的確に判断できる豊かな経験。そして、新たな原酒を組み合わせ、新製品を創造する熟練の技。これらすべてを手にしたサントリーのブレンダーは、常にウイスキーの品質向上に取り組んでいます。

左『テイスティングを行うブレンダー』、右『多彩な個性を持つモルト原酒』

上質な水や湿潤な自然環境を見方につけ、匠の技を継承しながら多彩なモルト原酒をつくり分けるために革新を加えてきた山崎蒸溜所。2003年、世界的権威のあるコンペティション、ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で、「山崎12年」が日本のウイスキーとして初の金賞を受賞しました。その後も国際的なコンペティションで数々の賞を受賞し続けています。

「日本人の繊細な味覚にあったウイスキーを追求し、世界に通じるウイスキーをつくる」。ジャパニーズウイスキーの歩みの中で花開いた世界品質の香味、それがサントリーを代表するシングルモルトウイスキー「山崎」です。

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主な受賞歴
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