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美しい山々に囲まれた森の蒸留所 ― 白州蒸留所 ―

「森の蒸溜所」とも呼ばれる白州蒸溜所。日本の自然の恩恵を、日本のウイスキーづくりに最大限生かすことのできる場所を幾年も探し求めてたどり着いたのは、広大な森に囲まれ、日本の名水100選にも選ばれた尾白川の清流でも知られる名水の地。「日本人の繊細な味覚にあったウイスキーを追求し、世界に通じるウイスキーをつくる」。そのテーマを長年追い求め続け、そこでなされた様々な試行錯誤によって、実に多様なモルト原酒が育まれています。シングルモルトウイスキー「白州」をはじめとする、世界にも誇る高品質なウイスキーを生み出すここ白州蒸溜所は、豊かな自然環境とともに、ウイスキーの新しい味と香りを追求し続けています。

●自然と共生する白州蒸溜所

1923年の山崎蒸溜所の建設着手から50周年を迎えた1973年、山崎蒸溜所とはタイプの異なる新たな原酒を求めて開設されたサントリー第2の蒸溜所、それが白州蒸溜所です。周囲約82万平方メートルの森を確保し、野鳥の聖域、バードサンクチュアリの設置による愛鳥保護活動や森林保護に努めるなど、蒸溜所開設以来、雄峰・甲斐駒ケ岳の麓に広がる豊かな大自然と共生しながら、世界でも珍しい高地に位置する「森の蒸溜所」として多彩な原酒をつくり分けてきました。そして、シングルモルト“白州”をはじめ、世界に誇る高い品質のウイスキーを生み出すなど、日本のウイスキーの歴史にいま新しい足跡を刻んでいます。

左『創業者 鳥井信治郎』、中央『当時の山崎蒸留所』、右『白州蒸留所 サントリーウイスキー博物館』

●白州の風土・気候

南アルプスの雄峰・甲斐駒ケ岳の岩肌を削って山を駆け下る清冽な水が、尾白川や神宮川の流れとなり、麓に白い砂の扇状地をつくりました。白州とは、文字通り白い州の意味です。標高約700m、蒸溜所として世界でも稀な高地に立地する白州の澄んだ空気、広大な森の冷涼多湿の気候が、ゆっくりとゆったりと上質なウイスキーを育んでいます。

●白州の名水

山の水は、神様がくれた水。白州の水は、まさに大自然の営みだけが創造できる天然水です。豊かな自然に囲まれたこの地は、日本の名水百選に選ばれた尾白川の清流でも知られる名水の地。南アルプスの山々をくぐり磨かれてきた水は軟水で、白州蒸溜所で生まれるモルト原酒の貴重な仕込み水となっています。

左『白州蒸留所』、中央『白州の森』、右『名水の地』

●多彩な個性のモルトウイスキーづくり

モルト原酒づくりは「仕込み」とよばれる糖化・ろ過工程から本格化します。麦芽を細かく砕き、温水とともに仕込槽へ。デンプンが糖分に変わり、これをゆっくりと時間をかけて濾過し、きれいに澄んだ麦汁をつくります。麦汁の味わいは仕込水に左右されます。だからこそ、サントリーは上質な天然水に恵まれた白州の地で、ウイスキーづくりを行っています。

麦汁を発酵槽に移し、酵母を加えます。ここで酵母がアルコールと炭酸ガス、香味成分を生み出します。これが「発酵」です。サントリーではさまざまなタイプのモルト原酒をつくるため、保有する数千種の酵母の中からイメージするウイスキーの香味にふさわしい酵母を厳選しています。発酵槽には、木桶槽を使用。特に白州の自然条件を活かした木桶槽は温度管理が難しい反面、保湿性にすぐれ、しかも蒸溜所内に棲みつく自然の乳酸菌などが働き、爽やかなのに味わい深い白州独自の風味を生み出します。

発酵工程で生まれたもろみはポットスチルと呼ばれる蒸溜釜で2回蒸溜されます。白州蒸溜所には形状やサイズの異なる蒸溜釜が並んでいます。蒸溜釜を使い分けることで、軽快なものから重厚な味わいのものまで様々な原酒を生み出します。さらに約1,200℃の直火蒸溜が、より多くの香味成分をつくり出します。

こうして白州蒸溜所では仕込みから蒸溜まで様々なつくり分けがおこなわれ、多彩な個性を持ったモルト原酒が生まれるのです。

蒸溜された原酒は樽に詰められ貯蔵庫で永い眠りにつき、熟成の時を待ちます。同じ原酒でも詰める樽の種類により、熟成後は味わいの異なるウイスキーに仕上がります。サントリーではオーク材、形状、サイズの異なる樽を使い分けていますが、その中に日本ならではの貯蔵樽、北海道産のミズナラ樽もあります。ミズナラ樽は長期貯蔵することで、日本の香木を思わせる独特な熟成香をモルト原酒にもたらし、その特長ある香味に海外から注目が集まっています。

左『白州独自の香味を生み出す木桶の発酵槽』、中央『多彩な原酒を生み出す蒸留釜』、右『ウイスキーの眠る貯蔵庫』

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匠の技がモルト原酒を上質なウイスキーに仕上げます。

●多彩な味わいを創造する匠の技

同一蒸溜所のモルトウイスキー原酒のみを組み合わせてつくる、“白州”や“山崎”などのシングルモルトウイスキー。モルトウイスキー原酒とトウモロコシなどの穀物を原料とするグレーンウイスキー原酒を組み合わせてつくる、“響”や“ローヤル”などのブレンデッドウイスキー。サントリーがバラエティーに富んだ味わいのウイスキーをお届けできるのは、多彩なモルトウイスキー原酒のつくり分けと同時に、高いブレンドの技を持つブレンダーの存在があるからにほかなりません。サントリーの幅広い製品のすべてが持つ高い品質の味わいは、ブレンダーの確かな技の証しなのです。

ブレンダーは、ウイスキーづくりに欠かせない味わいと香りのハーモニーを引き出す指揮者です。数ある原酒の中から1日約200〜400種類をテイスティング。製品それぞれの特徴やクオリティーを満たすものを選び、組み合わせ、ひとつのウイスキーに仕上げます。樽材として使用する樹の選定を自ら行い、数十年後の樽の未来をも予想できる感性。熟成させる年月や新しい樽に仕込むタイミングなどを的確に判断できる豊かな経験。そして、新たな原酒を組み合わせ、新製品を創造する熟練の技。これらすべてを手にしたサントリーのブレンダーは、常にウイスキーの品質向上に取り組んでいます。

左『テイスティングを行うブレンダー』、右『多彩な個性を持つモルト原酒』

自然の恩恵をウイスキーづくりで最大限に活かし、様々な試行錯誤によって、多様なモルト原酒を育くんできた白州蒸溜所。2003年、世界的権威のあるコンペティション、ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で、シングルモルトウイスキー「山崎12年」が日本のウイスキーとして初の金賞を受賞しました。それから3年後の2006年、シングルモルトウイスキー「白州18年」がISCで金賞を受賞します。その後も国際的なコンペティションで「白州」シリーズは数々の賞を受賞し続けています。

「日本人の繊細な味覚にあったウイスキーを追求し、世界に通じるウイスキーをつくる」。ジャパニーズウイスキーの歩みの中で花開いた世界品質の香味、それがサントリーを代表するシングルモルトウイスキー「白州」です。

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