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水の地元 文・井上英樹

プロフィール

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いのうえひでき

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1972年兵庫県尼崎生まれ。ライター、地元研究家。『ソトコト』『翼の王国』『日本流通産業新聞』などで紀行文、人物ルポを中心に執筆。
学生の頃からアジア、欧州、アフリカを旅し、その地に住む人の「普通の暮らし」に興味を持つ。大学在学中、黒田征太郎氏のルポルタージュを書いたことがきっかけで、「訪ねて、尋ねて、書く」ことをはじめる。
現在、写真家のMOTOKOと共に滋賀の農家を訪ね歩いて記録するプロジェクト「田園ドリーム」で写真展やトークショーを展開中。
著書に著名人が子どもの頃に抱いていた夢を聞いた『ぼくのしょうらいのゆめ』(文春文庫)がある。

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11奥多摩の森でいっぷく

5―1
(連載10から続く)
僕たち一行が
東京チェンソーズの作業現場に到着したのは
正午近くだった。
疲れた表情をしていたのだろう。
「こんなに遠い現場はあまりないんですよ。
大変だったでしょう」と
チェンソーズの青木亮輔さんが気遣ってくれる。
ここは「天然水の森 奥多摩」。
サントリー武蔵野ビール工場と
サントリー食品工業(株)多摩川工場の
水源涵養エリアにあたる場所だ。
今後、この森をどうしていけばいいか。
植栽や針葉樹林の間伐・枝打ちなど、
それぞれの土地にあった森林整備活動を考えるためには、
専門家に山に入ってもらい、
調査をしてもらう必要がある。
チェンソーズは、その調査に必要な道を造っている。
青木さんは時計を見て、
「そろそろ昼飯にしようか」とメンバーに告げる。
それぞれの持ち場で作業していた4人は手を止めて、
僕たちの方へとやってくる。
木田正人さん、森谷隼斗さん、
吉田尚樹さん、田丸光起さんと
ひとり一人に挨拶する。
青木さんの著書『今日も森にいます』で
メンバーの顔を見ていたので初めての気がしない。
作業現場から歩いて数分の所、
8畳くらいの平らなスペースに
ビニールシートが敷かれており、
ここで昼食を食べるようだった。
僕の実家の植木屋でも昼食時には、
現場にゴザを敷いて弁当を食べた。
学生時代にバイトをしていたことを思い出し、
とても懐かしく感じた。

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東京チェンソーズのメンバー。
昼食の後で。

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