「100年も先のことは、わからない」なんて言うのはやめよう。そう決めました。

100年先を見つめて。
「天然水の森」のビジョン

「天然水の森」の“水と生命(いのち)を守る”
森づくりには、とても時間がかかります。
だからこそ、数十年後、100年後の、
その森の姿をしっかりと思い描くこと、
つまり“ビジョン”を持つことが不可欠なのです。

前提としていること。

“水と生命(いのち)の未来を守る”森づくりは、
1年や2年で成果が出るものではありません。
ですから私たちは、原則として30年以上の
協定を地権者の方々と結ぶことにしています。

森の現在・過去を知る。
そして未来の姿を予測する。

さて、より豊かな森を育んでいくためには、
まず、その森が今どのような状態にあるのかを
しっかり知る必要があります。
気候や地形・地質、そしてどんな植物や動物が
その森に生きているのか…。
それらを知ってはじめて、問題があるかもしれない、
というポイントがわかってくるからです。
同時に、その森がどんな歴史を歩んできたのかも
きちんと調べます。すると、
これから先、もし人が何も手を加えなければ、
その森がどうなっていくのか、
未来像を予測することができます。

    上は、とある「天然水の森」の地形、地面の地質を表した図です。

  • 上は、その森に、現在どんな植物が生えているか調査した結果をまとめたもの。
  • そして上は、今からおよそ50年前の、同じエリアの航空写真です。高度成長期にあたる頃ですが、それでもまだ、資材や燃料、肥料などを得るための里山として利用されていた様子がうかがえます。

予測した未来の森に、
何か問題がないかチェックする。

人が何も手を加えないと仮定した時、
予測される森の未来像。それが豊かなものであれば、
私たちが余計な手を加える必要はありません。
予想通り、森が豊かに育っていっているかどうかを
見守っていくことになります。
けれども、そのままでは、
地下水や多様な生き物を育む力が
損なわれてしまうと予測される場合には、
何らかの手だてをこうじる必要があります。

  • さて。森の現在・過去を知ると、仮に何の手も加えなかった場合、将来その森がどんな姿になっていくのかを予測することができます。左が100年後の予測図です。全体に暗く、生物の多様性にとぼしい森になっていくと思われます。

  • そこで、地下水を育む力、生物の多様性にすぐれた森に誘導するために、適切と思われる整備計画を作っていきます。数十年先、100年先の、その森の理想像をきちんと思い描き、エリアごとに詳細なプランを立てることが大切です。

整備計画は、森ごとに、
さらに細かなエリアごとに。

「天然水の森」とひとくちにいっても、
同じ森はひとつとしてありません。
ある森にとって有効なはずの整備プランが、
別の森にもそっくり当てはまるとは限りません。
それに、ひとつの「天然水の森」の中でも、
ちょっと場所が違うと、森は別の姿をしています。
細かなエリアごとに整備計画を練る必要があります。
その後の森の変化を見きわめながら、
整備計画を見直していくことも大切です。

「天然水の森」のビジョンが、
日本の森づくりに役立ちますように。

さまざまな分野の知識・研究成果を総合して
地下水を育む力にすぐれた、
生物の多様性にあふれる森づくりを目指す。
そうした試みは、まだ始まったばかりです。
ですからすべてが正解とも限りません。
それでもこのビジョンは、
日本各地の森が直面している
様々な問題を解決するための
ひとつのヒントにはなると考えています。
日本の水と森が、もっともっと豊かになるように、
私たちは、これからも研究と実践を
つづけていきます。

数十年先、100年先を見つめて
森ごとに設定する「天然水の森」のビジョン

その一例をご紹介します

  • ●地権者との協定に基づき、「天然水の森」は、一部の例外を除き非公開・立ち入り禁止となっています。
  • ●「天然水の森」での、山菜、キノコ、果実、植物、土・石などの採取は、一部の例外を除き禁止されています。
  • ●ビジョンで提示されている課題と対策は、その森の気候・地形・地質・植生等の諸条件を前提としており、全ての森に適合するものではありません。
  • ●ご紹介する内容については、一部非公開とさせていただきます。