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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2014年12月 2日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #189 “特別編”『ファーストプレー その2』

サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
 
 
「ファーストプレー」その2(解説:有賀 剛)
 
 
うちはアタッキングチームなので、ディフェンスから始まるのであればまずは我慢してしっかりボールを奪って、そこからアタックし続け、なおかつトライやキックで点が取れれば、いちばん良い形だと思います。自分たちはアタック出来ないと、なかなか「良い始まり」とは言えないですよ。
 
ハーフタームのあとにも後半のファーストプレーがあります。これも試合開始の時と一緒で、チームによって分数は違うと思いますが、最初の10分や20分を一区切りとして、そこで負けないようにしようと言っています。「入り」というのはすべて意識します。「入り」のプレーはチームに伝染します。いい時も悪い時も。
 
悪い時にはリーダーがきっちりまとめて、「どういうことをしなければいけないか」を伝えられるかどうかがポイントだと思います。ベンチからもいろいろ言ってきますが、実際に試合をしているのはグラウンドの中の選手なので、何もしゃべらず何も伝えず、またなんとなくで始めたら、たぶん同じことが起きます。

 
ミスをしてもその後のリアクションが速いとか、カバーをしっかりするとか、そういう動き、チーム全体のその日の“スイッチ度”が高ければ良いですね。「今日はなんか凄くリアクションが遅いな」という試合がありますが、そういう時はチームの結構な数の選手が「スイッチが入っていない」という状態です。
 
これだけの人数がいるので、大切なことが抜けちゃう選手もいますし、ずーっと言い続けないと、ふと何を考えてプレーしているのか分からない選手も出てきたりします。なのでリーダーが言い続けて、大切なことをやらせるということが大事なんだと思います。
 
ファーストプレーはみんな、意識していると思います。フォワードの選手もキックオフ後の最初のコンタクトなので、集中していると思います。そこの緊張感はあります。こちらがキャッチした場合、向こうの選手だってそこでどれだけ良いタックルをするかが勝負ですから、そこのバトルには“懸けている思い”のようなものが出てくると思います。
 
<了>

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