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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2013年7月25日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #078 『10番』

サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
 
 
「10番」(解説:小野 晃征)
 
 
スタンドオフ、司令塔です。チームは、ほぼ10番からのコールによって動きます。自分がいつも思っているのは、チェスのイメージです。グラウンドの中で相手がこう動いたらこっちはこう動くということを、試合前にコーチが落とし込む訳ですが、試合中に実際に生で動かさなければいけないのは10番です。ですから10番は、チェスみたいに相手がこうしたらこちらはこうするということをしっかり理解していなければならないと思います。コーチとのコミュニケーション、9番とのコミュニケーションが大事です。
 
相手の強みを見て、相手がしてくるであろうことを予想した上でのゲームなので、あまりサプライズなプレーはありませんが、いつどこでノックオンやターンオーバーが起きるか分からないし、そういう時にどう反応するかということを、しっかりコントロール出来るように心掛けています。練習ではよくリアクションのドリルとか、アタックからディフェンス、ディフェンスからアタックに切り替える動きもやります。

 
9番のフーリー(デュプレア)や日和佐とは、試合がある週の始めから、こういう時はこうしよう、というコミュニケーションを取っています。9番、10番は常に練習のグラウンドでスタッフからもそのことを落とし込んでもらっているので、みんな考えは一緒だと思います。チームの動かし方は変わらないので、あとは1人1人に強みと弱みがあるので、それを合わせるだけです。
 
ディフェンスの時の10番は、ゲインラインにいちばん近いので、確実に狙われることを想定しています。とくにこのチームの両センター、ライアンと平さんは自分と比べたら大きい体なので、いちばん小さくてゲインラインに近い自分が、ひとつのターゲットだと思い、そこは予想してしっかり準備しています。プライドとして、絶対に抜かれないように頑張っています。
 
攻めるのも守るのもどちらも大事なので、好き嫌いでなくどっちも行かないとダメなんですよね。アタックは得点が取れて気持ちが良いですし、ディフェンスではチームで良いディフェンスが出来た時はチームにとてもプラスになると思うので、どちらも責任を持ってやっていこうと思っています。
 
ニュージーランドにいる時は12番が多くて、日本でも3年間12番をやっていましたが、代表ではずっと10番です。どっちも自分は好きですし、慣れだと思うんですけれど、今は10番をやらせてもらっていて慣れてきているので、10番がやりやすいですね。

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