親との同居世帯が減り、核家族での生活が中心になる一方、誕生日やクリスマスをきっかけに三世代、あるいは親族が集まって楽しむ様子がうかがえます。子どもの誕生日の会食に祖父母が参加したり、父母の誕生日にプレゼントだけでなく食事を共にするといったケースが多く見られます。一緒に生活はできなくても、時には大家族の持つ楽しみや時間を享受したいという家庭が、増加しているようです。
正月・盆・クリスマス・誕生日・ひなまつり。どのような行事においても、妻の実家との関わりが強い傾向にあります。たとえ夫の実家で過ごしたとしても、上の世代が配慮することによって嫁が気疲れすることも減っています。そのため「薮入り」のような行事はその意味を失いつつあるようです。
結婚記念日や妻の誕生日は外食するという家庭が多く、子どもも含めて自宅で祝う家庭が多かった前回と対照的な結果となりました。特に幼い子どものいる30 代の夫婦は、子どもを預けて夫婦2人で楽しむケースが目立ちます。父親・母親としての関係ではなく、夫として妻としての関係を大切にしたいという気持ちが強くなっているようです。
行楽や旅行などイベント性の高い行事の実施率が下がる一方、自然や季節感を楽しむ行事の実施率が上昇しています。七草は前回10%から45.2%と大幅に増加、スーパーなどで七草セットが販売され入手が簡単になったこともあって定着しつつあります。また冬至の実施率も増加しており、家族の健康を願う縁起かつぎとして「小さな幸せ」をもたらしています。上の世代だけでなく若い世代も、気軽に季節感を味わえ、ささやかな遊び心を家族で共有できるものとして楽しんでいるようです。
いまや国民的行事ともいえるクリスマスは、外食や豪華なパーティが影を潜め、代わりに家庭内の楽しい食事会が中心になっています。花見も飲食を伴う「宴会」が減り、近所の桜をふらっと見に行く手軽派が増えています。バレンタインデーは家族や友人に男女を問わずチョコレートを配る人が増え、気軽な贈答の日として考えられるようにもなりました。料理やしつらいにこだわる人もいますが、行事は生活の中の「ちょっとした気分転換」になっているようです。
父母の誕生日の実施率は前回調査に比して倍増、プレゼントだけでなく食事を共にするケースが多くみられました。親の誕生日だけでなく、父の日・母の日に兄弟が家族を伴って集まり大家族で賑やかに祝う家族も目立ちます。また結婚記念日は夫から妻へのプレゼントが減少、妻もモノよりは夫婦2人だけの外出を望む傾向にあります。お金で買える「モノ」よりも、ともに過ごす「時間」こそが最大のプレゼントとなっているようです。
今調査で行事の実施率は軒並み上昇していますが、それは家族の結束が高まった結果であると安易に結びつけることは出来ません。むしろ稀薄な家族関係に不安を覚え、行事を催すことで「ちょっといい家族」を演出していると考えることも出来るでしょう。社会や経済に対する不安が募る中、家族に確実な繋がりを求め、またそれを確認したいという人々の思いが高まっているのかもしれません。