公正で納得性の高い人事制度を基本に、能力を開発・発揮しやすい環境づくりに努めています。
※この章の記載はサントリーホールディングス(株)、サントリー食品インターナショナル(株)、サントリープロダクツ(株)、サントリーウエルネス(株)、サントリー酒類(株)、サントリービア&スピリッツ(株)、サントリーワインインターナショナル(株)、サントリービジネスエキスパート(株)などに勤務し、サントリーホールディングス(株)と雇用契約を結ぶ社員4,917名を対象とします。
人材育成を主眼に評価・処遇制度を構築
サントリーグループの人事制度は、社員一人ひとりの能力の開発・発揮に主眼をおき、能力の発展段階と発揮した成果に応じた、公正で納得性の高い処遇を理念としています。その基本的な考え方は、以下の3点です。
- 社員一人ひとりが向上心をもってより高い目標にチャレンジすること
- 会社は社員に対して能力・キャリア開発の場を提供し、自己実現を支援すること
- 役割と成果に見合った、公正でメリハリのある処遇をすること
職能資格制度と役割等級制度
サントリーグループの人事制度の基盤となるのが、「職能資格制度」と「役割等級制度」です。
「職能資格制度」は、職務遂行能力に応じたランク(職能資格)を社員に適用するもので、ビジネスのプロを目指して経験を積み重ねていく段階にある「メンバー相当職」の社員が対象です。2005年にはものづくり現場の社員を対象に、「Tコース」を新たに導入。職能資格ごとに、求められる職務遂行能力を明確にすることで、一人ひとりを公正に評価・処遇するとともに、向上心や目標達成意識の啓発にもつなげています。
「役割等級制度」は、職務遂行能力ではなく、果たすべき役割・責任に応じて等級を設けたもので、培ってきた経験や能力を発揮する段階にある「マネジャー相当職」の社員に適用しています。
■資格・役割制度
公正で納得性の高い評価を実施
実力本位の企業風土を定着させていくためには、社員一人ひとりをその役割や成果に応じて公正に評価・処遇する必要があります。そこで、サントリーグループでは以下のように年4回上司と部下が面接し、社員一人ひとりが納得できる評価に努めています。
職能資格制度の適用対象となるメンバー相当職の社員は、年初に行う「設定面接」で「業務計画書」を作成し、半期ごとの「振り返り面接」でその計画に対する業務実績や取り組みのプロセスを振り返り、上司と話し合いながら評価を実施。上司は「フィードバック面接」でその評価結果を伝えるとともに、期待している点や不足している点を具体的に話し合い、一人ひとりに評価への理解とさらなる能力開発・成長を促しています。
また、部下をもつマネジャー相当職については、上司による評価に加えて、部下からの評価も参考にしながら多面的に「担うべき役割をどれだけ果たしたか」を評価していきます。このように、具体的な事実に基づき、納得性の高い制度を運用することが、実力本位の社風を定着させ、一人ひとりが高い向上心とともに働ける環境づくりにつながると考えています。
労使で協力して評価制度を運用
上述の年4回の面接について、労働組合が組合員にアンケートを実施。「上司との面談は十分に行われたか」「評価結果を理解できたか」などを確認し、組合員一人ひとりの納得性を調査しています。
結果は経営陣にも伝えられ、人事制度の運用や改定に役立てています。また、面談内容が不十分であった場合には、評価者である上司にヒアリングや指導も行っています。
評価と連動した賃金制度を運用
サントリーグループの評価指標は、メンバー相当職の場合「業務計画書」に基づく達成度の「成果」と、資格ごとの行動規範を定めた「考動」からなり、この2つの評価指標が、昇給や賞与に結びつく賃金制度となっています。一方、マネジャー相当職については、担った役割とその役割のもとで果たした成果に応じて処遇する賃金制度を採用しています。
また、会社業績を一定ルールで指標化し、それに賞与原資を直接連動させる「業績連動賞与」および、長期的・安定的な退職給付を確保する「退職金年金制度」を設けています。
グローバル人材の育成
サントリーグループが真のグローバル総合酒類食品企業として、より一層飛躍するためには、社員一人ひとりがグローバルに活躍できる人材に成長することが重要です。そのため、まずは国内で従事する社員がグローバルビジネスで活躍できる人材として成長するよう、さまざまな育成制度を設けています。
さまざまな育成制度を運用
2010年よりグローバル人材の育成を目的とした制度を導入。2011年は84名の応募者の中から25名が通過し、現在、それぞれのプログラムを習得しています。
またグローバルリーダーシップ研修は、日本国内の社員だけでなく、海外グループ会社の社員も参加し、日本や事業展開している海外エリアで実施しています。(2011年は日本・中国・オーストラリアで実施)
■育成制度
(名)
| 名称 | 内容 | 2011年実績 | |
|---|---|---|---|
| キャリアチャレンジ | グローバル業務遂行に必要なスキルを個別に設定・習得(語学力・異文化理解・異文化コミュニケーション・論理的思考力) | 7 | |
| ビジネススクール留学 | 国内留学・海外留学としてビジネススクールで、英語による経営管理学修士(MBA)を習得 | 6 | |
| トレーニー | 海外グループ会社や未進出エリア(新興国等)の「外部機関プログラム」または「学校への派遣」を実施し、語学力・コミュニケーション力および異文化理解を習得 | 8 | |
| 語学学習サポート | 業務上で海外とのコミュニケーションが日常的に発生する部署の実務語学力強化 | 46 | |
| グローバルリーダーシップ研修 | グローバルに活躍するマネジャーに必要なスキルセットの習得 (グローバルリーダーシップ、経営フレームワーク、コミュニケーションスキル、語学力) |
13 |
グローバルな人材採用・交流
海外グループ各社の人事担当者による「グローバル人事会議」を開催し、グローバルな活躍の場を提供するなど、人材の交流・活用を推進しています。
また、採用活動においても、英語版採用ホームページの作成、留学生向けセミナーの開催など、グローバルな活動を強化しています。
グローバル人事会議
社員のキャリア開発を支援
「人が人を育てるプロセスの中で成長する」という人材育成の連鎖を重視し、現場での育成を大切にしています。また、入社から退職までの成長・育成のステージごとに「求められる姿」「発揮してほしい力」「社員としてのVALUE」を明示し、そのステージに合わせた基本研修プログラムを整備。営業・生産など各部門での実務研修も実施しています。

一人ひとりのキャリア開発をサポート
サントリーグループでは、2007年に「キャリアサポート室」を設置しました。専門のアドバイザーによる個別相談やワークショップなどを通して、社員一人ひとりの自律的なキャリア開発を、個人の視点に立って支援しています。入社4年次・10年次は全員に、40代・50代は応募型でキャリアワークショップを実施。会社人生の節目にあたって自らのキャリアを見直し、以降の人生をよりポジティブなものにしていくサポートをしています。
適材適所の実現に向けた取り組み
自らが異動希望を伝える「自己申告制度」(年1回)を基本に、特定の要員を公募する「社内公募制度」や、1年間の育成プログラムで実務経験を積む「キャリアチャレンジ制度」(2008年に導入)など、社員のより自律的なキャリア形成を支援、推進しています。また、若手社員の可能性を広げるため、原則として入社後の10年間で、3部署を経験するジョブローテーションを実施。より一層の適材適所を図るため4年次、9年次の社員全員を対象に、人事部との個別面談を行っています。
■キャリア開発体系
■主な研修・自己啓発支援プログラムおよび2011年度の受講者数
| 研修の種類 | 内容 | 人数 |
|---|---|---|
| 応募型研修※ | 社員自らが描くキャリアプランを実現していくために必要なビジネススキルの習得を主眼とした研修で、約40種のコースを設置 | 1,048 |
| 語学研修※ 【英語・中国語】 |
【英語】英語でのビジネスコミュニケーション能力を強化するための集合研修 【中国語】発音を徹底的に学ぶ入門研修 |
395 |
| e-ラーニング | 業務遂行能力のレベルアップ・業務革新手段の習得を目的とした研修 ビジネススキル・語学・パソコンスキルなど100種以上のコースを整備 |
212 |
| 通信教育通学費補助制度 | 能力向上を目的とした通信教育・通学にかかる費用の半分を会社が補助する制度(上限あり) 対象となる講座は、業務遂行上必要なスキル・計数・法知識などの習得、語学向上、資格取得など約400種 |
328 |
※本人の意思に基づく任意参加制であり、研修費用の一部を会社が負担します
国内グループ共通プログラムを展開
やりがいをもち自己実現できる自律的な企業風土を醸成するために、社員が任意で受講できるプログラム「SUNTORY Self Development Program(自己啓発支援プログラム)」を展開しています。プログラム数は約450種類。国内グループ会社社員は誰でも共通のプログラムを受講できます。
■SUNTORY Self Development Program 国内グループ会社全体の利用実績
| 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | |
|---|---|---|---|---|
| 会社数 | 17社 | 25社 | 25社 | 22社 |
| 利用延べ人数 | 2,762名 | 3,100名 | 3,220名 | 2,660名 |
また、階層別研修においても、国内グループ共通での実施を検討しており、2012年は、新任マネジャー研修プログラムの共通実施を予定しています。
「自己申告」で社員の意識を調査
サントリーグループでは、社員の現状や仕事に対する意識を確認するため、毎年初めに全社員対象の「自己申告」を実施しています。自己申告では、本人の健康・家族・身上に関することや、異動希望、仕事へのやりがい、満足度などを調査しています。2011年度は、79.5%の社員が自らの仕事にやりがいを感じており、77.4%が満足しているという結果が出ています。個人の回答は、本人の希望を考慮した適材適所の配置や、企業活動の方向づけなどに役立てられています。
■2011年度の仕事に対する意識(自己申告より)
「社員意識調査」で会社の組織風土を調査
サントリーグループは、「Growing for Good」な企業の実現に向けて、職場で働くメンバーの意識を継続的にモニタリングし、経営施策に活かしています。また、2011年は、国内グループ会社14社で調査を行いました。結果は各社・各部署長にフィードバックし、部門ごとの課題解決に役立てています。




