酒類を製造・販売する企業の責任として、アルコール関連問題に積極的に取り組んでいます。
酒類製品を製造・販売することの責任
お酒は古くから百薬の長といわれます。また、コミュニケーションを円滑にし、人々に幸福をもたらす面ももっています。その一方で、致酔性・依存性を有することから、不適切な飲み方によってさまざまな問題が生じるおそれがあることも事実です。
このような特性をもつ酒類を製造・販売する企業として、サントリーグループではアルコール関連問題の予防と適正飲酒の啓発を目的としたさまざまな活動を続けています。
2002年には、適正飲酒のための基本理念・行動指針を制定しました。
適正飲酒のために──サントリーの基本理念・行動指針(2002年制定)
基本理念
サントリーグループは、アルコール飲料の特性を認識し、アルコール関連問題の予防に努めるとともに、適正飲酒の考え方を普及させることによって、人々のより健康で文化的な生活のために貢献します。
- アルコール飲料の持つ致酔性、依存性が、身体的、精神的、社会的な問題を引き起こすことを認識し、アルコール関連問題の予防をめざします。
- 体質の違いや身体の状況、飲酒に対する考え方の違いが尊重されるより良い飲酒環境の形成をめざします。
- 節度をわきまえた適度な飲酒(適正飲酒)は、心身の健康に役立ち、人間関係に潤いを与えるとの認識に立って、お酒の科学的研究の推進と、その正しいつきあい方についての知識の普及に努めます。
行動指針
- 飲酒に関する正しい知識の啓発に努めます。
- 社会活動に積極的に協力します。
- 未成年者飲酒防止
- イッキ飲み防止
- 飲酒運転防止など
- 法令、当社ならびに業界自主基準を厳守します。
- アルコールと健康に関する医学研究に自ら取り組み、また、支援します。
専門組織が責任をもって対応
サントリーグループは、1976年に「サントリー宣伝コード」を制定し、飲酒に関する宣伝・広告表現の自主規制を業界に先駆けて開始しました。その後、アルコール関連の専門組織「ARP※委員会」と、その事務局「ARP事務局(現ARP室)」を設置。社内外への適正飲酒の啓発、販売・宣伝活動の社内チェック、研究機関への参加・協力・支援などを行っています。
※ARP:Alcohol-Related Problems(アルコール関連問題)
社内審査でマーケティング活動を指導
ARP室は、酒類製品に関するマーケティング活動のすべてに対して、適法性・妥当性の社内事前審査を行っています。この審査により、不適切なマーケティング活動を未然に防止しています。
2006年には、製品表示などについても事前審査をシステム化しました。2007年には広告宣伝に関するマーケティングコードを改定し、活動をより強化しました。2007年以降も、酒類広告に関する自主基準の見直しなどを業界団体と連携して行い、責任あるマーケティング活動の推進に努めています。
マーケティングにおける自主基準を改訂
2005年10月に「飲酒に関する連絡協議会」が制定した共通自主基準をもとに、社会情勢に対応して自主基準を改定しています。2010年にはCMに妊産婦飲酒の注意表示を実施。テレビCMの土日祝日の自粛時間を5時00分〜12時00分までから、5時00分〜18時00分までに延長し、年間を通して5時00分〜18時00分まで酒類のテレビ広告を自粛することとしました。
専門医とともに人体への影響を研究
サントリーグループでは、アルコール関連の各種研究に注力しています。1992年から主催、運営している「アルコールと健康」研究会もその1つで、アルコールが人体に及ぼす影響をプラス・マイナスの両面から研究しています。毎年新しく研究テーマを設定し、同会の会員となっている大学病院医師の方々に調査・研究を委託しています。
また、アルコール医療の発展に貢献するために、WHO(世界保健機関)から日本唯一のアルコール関連施設として指定された「独立行政法人国立病院機構久里浜センター」と長期の研究委託契約を締結しています。
お客様に適正な飲酒を啓発
キャンペーンで節度ある飲み方を啓発
酒類メーカーとしての存在意義が社会に認知され、企業として存続していくため、お酒の特性や適切な飲み方をお客様に正しくご理解いただく取り組みを行っています。
サントリーグループでは1986年に「モデレーション(適量)・キャンペーン」を開始しました。以来継続して「酒は、なによりも、適量です。」というメッセージを伝える「モデレーション広告」を主要全国紙で展開。「適正飲酒」「未成年者飲酒」「飲酒運転」「妊婦とお酒」「イッキ飲み」「肝臓」「スポーツとお酒」などをテーマに、2011年末までに120回以上掲載しています。
この継続的な活動は各方面から高い評価をいただき、2002年には第22回新聞広告賞「広告主企画部門優秀賞」を受賞しました。2011年は、「アルコールハラスメント防止」「未成年者飲酒防止」「スポーツ前後の飲酒防止」「飲酒運転防止」「適正飲酒」「妊産婦飲酒問題」などをテーマに掲げ計9回、新聞広告やWebサイトで展開しました。
モデレーション広告(2011年12月掲載、テーマは適正飲酒)
「イッキ飲み防止キャンペーン」への協力
「イッキ飲ませ」によって亡くなった方々のご遺族が中心となり、1992年10月、「イッキ飲み防止連絡協議会」が結成されました。サントリーグループは、同協議会が実施している「イッキ飲み防止キャンペーン」の趣旨に賛同し、1993年の第1回キャンペーンからポスター・チラシなどのデザインやノベルティープランニングに無償で協力を続けています。
2012年「イッキ飲み防止キャンペーン」のポスター
適正飲酒啓発のための冊子を発行
「イッキ飲み・イッキ飲ませ」に起因する事故が相次いだ1993年、サントリーグループは適正飲酒を啓発する業界初の小冊子「酒は、なによりも、適量です――その正しいつき合い方を考えよう」を発行しました。不適切な飲酒や飲酒運転の危険性について説明したこの冊子を、ARP関連学会や保健所、企業の社員研修、酒販組合などを通じて無償配布しています。また、冊子の内容はホームページにも掲載しています。
適正飲酒啓発パンフレット
未成年者飲酒防止に関する学習教材を発行
サントリーグループでは、2005年11月、子どもとその保護者を対象に未成年者飲酒の弊害をテーマにした学習教材「親子で学べる未成年者飲酒防止教材」を発行しました。その後、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の教育機関などへのご案内で大きな反響をいただいたため、配布対象範囲を全国へ拡大。未成年者飲酒の防止活動に取り組んでいます。
親子で学べる未成年者飲酒防止教材
社員に対する適正飲酒啓発
酒類を製造・販売している企業の一員として、社員の適正飲酒に関する意識を高めることも重要です。サントリーグループのイントラネットには、ARP室による「お酒を悪玉にしないために――グループ社員一人ひとりにできること。」を開設。国内グループ会社社員への啓発を行っています。
飲酒運転撲滅に向けた予防・啓発活動
社会問題化に対応した予防・啓発活動の強化
サントリーグループでは1986年から、適正飲酒キャンペーンの新聞広告やホームページ掲載などを通して、飲酒運転防止の啓発活動を行っています。昨今、飲酒運転が社会問題化していることを受け、さらなる意識強化や抑止力となるよう、活動をより一層強化しています。
テレビや印刷媒体、交通広告などで飲酒運転警告表示を実施しているほか、飲酒運転予防を呼びかけるポスターを作成し、飲食店様などにも配布しています。さらに、アルコール飲料の責任ある広告と販売を実践するため、業界基準に合わせて酒類製品の店頭試飲会などを中止しました。
欧米などで先行している「指定ドライバー制度」は、工場見学の受け入れの際に導入しています。受付時と試飲会場で、2回にわたり確認し、ドライバーの方にはノンアルコール飲料を提供しています。サントリーグループは、今後も飲酒運転撲滅のための活動を推進していきます。
飲酒運転予防啓発ステッカー
全社員に飲酒運転禁止を再徹底
飲酒運転を行った社員は、公私を問わず諭旨免職以上の処分とすることを就業規則に定めています。また、飲酒運転の社会的責任の重さを再認識するために、社内イントラネットなどを活用して周知徹底を図っています。
飲食店での適正飲酒啓発――(株)ダイナック
(株)ダイナックでは、未成年者飲酒と飲酒運転禁止のステッカーを飲食店全店に貼付しています。

業界と連携した取り組み
ビール酒造組合、日本洋酒酒造組合など業界団体の一員として、その活動に積極的に参画しています。これまでに、中高生を対象とした未成年者飲酒防止のためのポスター、スローガン募集キャンペーン、新聞・雑誌での啓発広告を展開し、妊産婦飲酒防止に向けた商品パッケージへの注意表示などを実施しています。

「STOP! 未成年者飲酒キャンペーン」ロゴ

商品パッケージへの注意表示
アルコール関連問題削減に向け世界的に活動
WHO(世界保健機関)は、アルコール関連問題の削減に向けて、各国政府、公衆衛生機関の専門家などと協議して活動を続けています。2010年にはアルコールの有害な使用を低減するために、酒類業界も重要なステークホルダーと位置づけた世界戦略を採択しました。当社はGAPG※の構成員として、世界の大手酒類メーカーと連携。WHOによる2013年の戦略実行状況レビューに向け、発展途上国・新興国での飲酒運転防止、自主基準の設定、違法酒への取り組みなどの活動を支援しています。
※GAPG(Global Alcohol Producers Group): アルコール関連問題解決に向け、世界の主要酒類メーカーが加盟している団体




